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2005年03月18日 財務金融委員会

○田村
民主党の田村謙治でございます。前回に引き続いて二回目の質問に立たせていただきます。
国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、そのことに関連する質問でございますけれども、実は私、先般二月の末に、世界銀行議員連盟というものがございまして、世界銀行に出資をしている各国の、まさに世界銀行を応援していこう、サポートしていこうという有志の議員の議員連盟でございまして、日本にもその議連があるわけでございますけれども、私はそのメンバーということで、会議に出席をさせていただくためにイタリアのナポリに出張させていただきました。会期中でございまして、二日間休ませていただいて大変恐縮だったのでございますけれども、世界銀行議員連盟の一員として、大変有意義な会議だったというふうに考えている次第でございます。
まさに世界銀行の今までの融資がどうであったか、そして、今、例えばミレニアム開発目標というものを立てて、それに向けて邁進をしているわけでございますけれども、世界銀行がさらにその融資の効率性、効果をいかに高めていくかという努力をしているかということについて、各国の議連の議員が集まって議論をしたわけでございます。日本からは自民党の小杉隆先生と私の二人が参加をさせていただきまして、あと世界銀行の副総裁の吉村東京事務所長も御同行をいただいて、会議に参加をさせていただきました。
その中で、さまざまな有意義な議論がなされたわけでございますけれども、一つだけ若干どうかなと思ったことがございましたので、あえて伺わせていただくのですが、アメリカのシンクタンクに世界開発センターというシンクタンクがございまして、その世界開発センターが、まさに途上国の開発に対して各先進国がどのような取り組みをしているのか、そして、その取り組みについて、援助、貿易、投資、安全保障、環境、移民受け入れ、そして科学技術という、六つの項目についてそれぞれの各国の取り組みを要は採点いたしまして、その点数を積み上げたというランキングを発表しているということで、それに関してのプレゼンテーションが一時間程度の時間を割かれて行われました。
それは、世界銀行とは関係ない、全く別の民間のシンクタンクが発表したものなんですけれども、恐らく世界銀行議員連盟の事務局が一つのトピックとしていいだろうという判断をして取り上げたんだと思いますけれども、そのランキングにおいて、先進国二十一カ国の中で日本が総合点で最下位というポジションであったわけでございます。
それについて、その順位については特に議論はございませんでしたけれども、指標となったような項目について、あるいは、今後どうしていくのかといったような議論がその場ではなされたんですが、まさに日本政府として、あるいは外務省としてでもいいんですけれども、その世界開発センターによる、日本が最下位という評価を受けたランキングについてどのようにお考えでいらっしゃるか、まずお伺いをさせていただきます。

○広瀬政府参考人
お答えいたします。
世界開発センターにおきますランキングについてでございますけれども、我々、援助をやっております専門家のグループには、OECDにおきますDACという会議がございます。そこでは、政府の代表が集まりまして、援助の専門的な知識をもとに、どれをODAの中に含めるかという議論をしております。国際的には、こういったODAによる貢献というのが世界的な貢献の指標というふうにとらえられております。
御紹介がありました世界開発センターのランキングでございますけれども、世界にはいろいろな開発に関するシンクタンクがございます。こういった民間の活動によりますいろいろな指標づくり、こういったものは評価するわけでございますけれども、我々、こういった独自の指標が、あたかも世界の合意を得たような指標として使われることについては反対でございます。これまで公表の機会ごとに問題点を指摘しております。
例えば、ちなみに、二〇〇三年におけるアメリカの順位でございますけれども、二十位。それで、二〇〇四年におきます、指標を一個加えた、先ほど議員が御紹介されました七つの指標によりますものですと七位。ただ一つ指標が加わりますと順位が大幅に入れかわるというようなこともございますので、問題点等を指摘しながら、よりよい議論を深めるような指標を開発していければと思っております。

○田村
ありがとうございました。
確かに、今御指摘がございましたように、その会議で取り上げられましたランキングというのは、ODAに限らず、例えば安全保障という項目ですと、各国にどれだけ兵を派遣しているかといったようなことになりますので、まさに日本はほかの国に比べるとかなり低い点数になる。そういったような非常に偏った見方だなというふうに私も感じましたし、小杉先生も大変お怒りでいらっしゃいまして、その場で抗議をしていらっしゃいましたけれども、そこは、会議のときに私もどうしてこういったものが取り上げられるのかなというふうに疑問に思いましたので、あえて冒頭にお伺いをさせていただきました。
それでは、今御指摘いただきましたように、結局、ODAによる貢献というものが日本の対外的な支援、援助を評価する際の当然一番の中心なわけでございますけれども、大変基本的ではございますが、日本のODAの総額をまず最初にお伺いさせていただきます。

○広瀬政府参考人
日本のODA総額でございますけれども、今、世界の先進国で集めました統計が利用できますのは二〇〇三暦年でございます。総額で八十八・八億ドル、円で一兆二百九十二億円でございます。

○田村
ありがとうございました。
非常に多額の金額の貢献をしている。そこはもう皆様御周知の常識でございますけれども、その金額に見合うような評価を海外において受けているのか。もちろん、国内においてという話もございますが、そちらは後で若干お話をさせていただきますけれども。
海外において、確かに金額という意味では非常に大きい。しかしながら、結局、援助というのは、お金を使って、各国のそれぞれのプロジェクトにおいてどのように融資がなされるのか、そしてそのプロジェクトにどのように先進国がかかわっていくのか、さまざまな観点というものがあると思いますけれども、まさに、世界においてそれだけ高額のODAの金額を出していて、しっかりとそれに見合うような海外での評価というものを日本は受けているのかどうか、そこら辺を教えていただきたいと思います。

○広瀬政府参考人
日本のODAに関する評価でございます。
日本のODAは、金額面では世界二位でございます。同時に、開発といいますのは地道な作業でございます。我々、五十年にわたってアジア諸国を中心に開発に取り組んでまいりました。いろいろな国からいろいろな形で感謝でありますとか二国間の信頼関係を高めるような評価をいただいております。
例えば、二〇〇三年、二年前になりますけれども、東京でアフリカに関するアフリカ開発会議、TICAD3というのを開催いたしました。これは、アフリカ諸国からたくさんの元首が参加され、東京で開催することが珍しい会議でございました。その中でも、日本の援助に対する強い期待感、それから、例えば二〇〇三年におきます日・ASEAN特別首脳会合で、ASEAN諸国の首脳から日本の支援に対する高い評価をいただきました。
こういった首脳間の発言だけではありませんで、途上国の一般の人たちからも評価を受けております。二〇〇二年に実施いたしましたASEANの対日世論調査、この中で、インドネシア、ベトナム、タイといったところでは、約三分の二の方々が日本の援助が非常に役に立っているという評価でございました。また、ある程度役に立っているという評価を加えますと約九割の方々が日本の援助を評価していただいております。
また同時に、その国の顔とも言えます切手でありますとか通貨、これに日本の援助の成果が表面に印刷されたのがございます。そういった国々が、ASEANのみならず、ラテンアメリカの国々においても採用されておりますし、最近民主化されましたアフガンにおきましてもこういったものがございます。

○田村
ありがとうございました。
決して日本がお金を出すだけではなくて、まさに援助全体でさまざまな御尽力をなさって、それがしっかりと評価されている、その一端をお話をいただきまして、私もより意を強くしている次第でございます。
先ほどから申し上げている、私が参加をいたしました世銀議連の会議におきましても、ランキングの話では確かに日本は最下位という話は当然出てまいりましたけれども、基本的に、オランダの議長を初めとして各国の議員はやはり日本の貢献というものを高く評価をしているということが、端々に日本ということを取り上げていただいて、その点は私も感じた次第でございます。もちろん、今回の国際開発協会の増資についての交渉においても、まさに当局の方を初めとして多くの方が非常に御尽力をなさって、日本の主張を通すべく大きな努力を払ったんだろうというふうに私も想像している次第ですし、その点に関しては大きく敬意を払う次第です。
しかしながら、例えば、さまざまな見方がございますけれども、海外援助における日本のプレゼンス。先ほどまで金額の話を議論させていただきましたが、別の見方としまして、例えば今回の世銀のように、国際機関において日本人の職員数が非常に少ないということがしばしば言われるわけでございます。もちろん、一般の人には目に見えないようなさまざまなまさに担当者の御努力、日本の方々の努力というものがございますので、一般の評価というものが必ずしも、そちらばかり見ればいいというものではないことは重々承知しておりますけれども、さはさりながら、例えばまさにこの日本の国内において、本当に日本のODAというのは意味があるのか、これだけの金額を出す必要があるのか、そういった議論をする際に、やはり海外でこれだけ評価をされている、海外において日本はこれだけのプレゼンスを持っているということがある意味での一つの説得力になるんだろう、日本の皆様を納得させる一つの材料になるんだろうというふうに感じている次第です。
その中で、国際機関における日本人の職員の数が少ないということはかねて言われていることですけれども、今回のこの世銀に関して、世銀全体の職員数、そして、そのうち日本人の数は現在何人いらっしゃるのか。そしてまた、先ほどのODAの金額もございましたけれども、世銀に対して日本が出資をしている、例えばそのシェアとか金額というものがございますが、それに見合ったような職員の数というのは、本来どれぐらい日本人の職員がいた方がいいというふうに考えていらっしゃるのか、そのお考えをお伺いさせていただきます。

○井戸政府参考人
二〇〇四年六月末現在で、世界銀行グループの専門職員数は全部で四千三百九十六名でございます。このうち、日本人職員の数は九十名となっておりまして、職員全体の約二%に相当いたしております。
日本人職員数及び職員全体に占める割合が適正かどうかという御下問でございますが、例えば我が国の世銀への出資シェア、これが八・一%でございますので、こういった点に照らしてみれば、必ずしも十分でないというふうに考えております。

○田村
ありがとうございました。
確かに、出資額において八・一%のシェアがありながら、職員数は四千人以上いるのに日本人は百人に満たない、そういった状態が今でも続いているわけですけれども、日本人の職員をふやすためにどのような努力をなさっているのか。そして、ある意味で九十人というのはその努力がなかなか実っていないとも言えるんだと思うんですけれども、その障害というか、なかなか日本人職員がふえない理由というものを教えていただければと思います。

○井戸政府参考人
ただいま委員から御指摘がございました日本人職員が増加しない原因でございますが、まず一つには、世銀が求めておりますのは水とか環境あるいは教育、保健、医療、こういった各分野で深い専門知識を有する人材であるのに対しまして、日本人の志願者の方の多くは、どちらかというといわゆる開発経済一般についての専門家、ゼネラリストであるという、そもそも需要と供給のミスマッチがあろうかと思います。
また、世界銀行等におきましては、開発の現場での経験というものを大変重視しているわけでございますが、日本の終身雇用を基本とします雇用体系のもとでは、こうした経験をするチャンスがなかなか少ないのではないかと思います。
それからまた、一たん採用されましても結構離職される方が多いのでございますけれども、こういう方の場合には、国際機関での文化に対する対応がなかなか難しいというような面もあるかと思っております。
こうした状況ではございますが、私どもとしましては、さまざまな機会をとらえまして、日本人職員の増加に向けて努力するよう世界銀行に働きかけております。また、世銀に関心を持つ若い有為な人材にチャンスを与えるというために、我が国からの信託基金も活用しつつ支援を行っているという現状でございます。今後とも、日本人職員の状況を注意深くモニターいたしまして、世銀の人事当局に対しまして一層の働きかけを続けていきたいというふうに思っております。

○田村
ありがとうございました。
今お話をいただきましたようなさまざまな理由が確かにあるんだと思います。日本とアメリカにある世銀の文化の違いとか、あるいはそれにふさわしい人が少ないという現状もあるんだろうと思います。
ただ、私が一つ気になりますのは、例えば、世銀には理事がいらっしゃるわけですけれども、その理事というのは、日本人の理事というのは代々財務省からの出向者が占めているという現状がございます。確かに、財務省というのは開発金融を担当している部署もございますので、そういった経験がある、そういったスタッフもいるということだろうと思いますけれども、一般的に、財務省に限りませんが、官僚というのは、財務の専門ではあっても開発金融の専門家とは必ずしも限らない、まさに、幾つかの部署を二年、三年で異動するといったような方々が多いわけでございます。そういった中で、まさに世銀の理事というのを一つのポストのような扱いにして、二年、三年、財務省から出向している。
世銀の理事というのは、まさに日本の政府の代表としていらっしゃるんだと思いますけれども、その政府の代表に当たるような、まさに日本の立場を世銀の中で一番発言する立場にある方が常にそういう財務省の方であるということは、日本としてそれがふさわしいことなのかどうか、その点について大臣のお考えをお伺いさせていただきます。

○谷垣国務大臣
世界銀行の組織は、最高の意思決定機関は総務会というのがあるわけですね。それで、日本からの総務は私、つまり、日本の財務大臣が日本の総務としてその意思決定に加わるということでありますけれども、日常業務は理事会の場で決定をしていく。その理事は、今田村さんがおっしゃったように、日本政府の代表として行動をするということだろうと思います。何も財務省の職員に独占しなきゃならぬということは必ずしもないわけでありますけれども、日本では、総務は財務大臣が務める、それから理事も、そういう意味では連携して務めるということになってきましたのはそれほど違和感のあることではないのではないかなと私は思っております。
世銀が公的資金、民間資金を合わせた国際金融全体の中で開発支援のあり方というのを検討しているわけですから、これは適材適所ということが一番の原則だと思いますが、今までは財務省の中で国際金融や開発の問題に通じた人を理事としてやってきた。今後とも常にそうでなければならないかどうかは別として、それが一つのベーシックな姿であるということは、私はそんなに不自然さを感じておりません。ただ、やはり視野を広くいろいろ考えていかなきゃならないとは思っております。
それから、世銀の日本理事室は、これは田村委員もよく御存じのように、財務省だけではなく、外務省であるとかJBICであるとか、いろいろなスタッフも勤務をしていただいているわけです。

○田村
ありがとうございました。
済みません、時間がなくなってしまいまして、本来は外務省の方からも御見解をと思っておったのでございますけれども。よろしいですか、済みません。でしたら、そのことについて外務省はいかがお考えか、一言だけお伺いできればと思います。

○逢沢副大臣
世銀はもとよりでありますけれども、アジア開銀を初め国際開発関係の金融機関に、志の高い、また能力のある人材を我が国から出す、出し続けるということは大変重要なことである、言うまでもないことでございます。
今、財務大臣からも答弁がございましたけれども、外務省の立場から申し上げるといたしますと、世銀を初め開発関係の金融機関の活動、運営に、我が国のODA政策を適切に反映させる、整合性をとっていく、そのことを大変重要視させていただいているわけであります。世銀理事等の立場で活躍をされる方は、何といいましても国際開発金融機関の活動に経験を持っていらっしゃる、同時に二国間経済協力にもある種の知見や経験を持っていらっしゃる、この両方の能力あるいは経験を有する方が最もふさわしいというふうに考えております。
確かに、委員御指摘のように、歴代理事あるいは理事代理、リストをずっと私も改めて拝見いたしました。大蔵省、財務省出身の方で占められておりますし、審議役は例外的に輸銀の方がいらした時期もございますが、基本的には大蔵省。しかし、それらを補佐いたします理事補の立場には、私ども外務省からも出させていただいておりますし、JBIC等々からもそれぞれ能力のある方が出ておりまして、全体として日本の立場を確保するという体制になっていると理解をいたしております。
財務省、外務省の間でも常に緊密な連携をとりながら、引き続き政府、日本として全体としての目的を達成する努力をしてまいりたい、そのように思います。

○田村
どうもありがとうございました。
もう時間は過ぎておりますので、一言だけ。まさに世銀、日本の代表として派遣される人が、今外務副大臣もおっしゃったような資質を備えた方、もちろん財務省にもいらっしゃると思いますけれども、それが一番資質がある方かどうか、まさに民間の分野まで見た場合にそれは必ずしも言えないだろうということは明らかではないかなと思います。そこは、別の国際機関になれば、それこそ外務省の独占しているポストというのもあるわけでございますけれども、官僚がそういう国際機関のポストを一つの内部のポストのように扱って、ある意味で一つの既得権益にしているということについての問題意識だけ最後に申し上げさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

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