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2005年04月08日 財務金融委員会

○田村
民主党の田村謙治でございます。
馬淵議員に続きまして、保険業法等の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきたいと思います。
まずは、今まで馬淵議員も議論しておりました共済に関する契約者保護のルールの導入についてでございますけれども、馬淵議員もおっしゃっておられましたとおり、確かに今まで無認可共済というものがさまざまな問題を起こして加入者に多大なる被害を及ぼすケースが多々あった、それは民主党の諸先輩も指摘をしてきたことでありますし、それについて今回政府がようやく対応をするということで、それは一定の評価ができるものと私も考えている次第です。
一定以上の規模のものについては免許制の保険会社に取り込んで、そして小規模のものについては少額短期保険業者という新しい制度として規制をかけるということでありますけれども、そういった一定の評価ができる新しい制度、今までのケースにおいては、大方の方が、国民もあるいは野党も評価をするような制度を一たん導入すると、大体それでよかったと、政府も大体自己満足に終わるというのが通例でございます。さまざまなケースにおいてまさにタイミングというものが非常に重要なんだろうというのは、私の前回の質問のときも別の件で指摘をさせていただいたところでございますけれども、今回の共済についての新しい制度の導入というのは、まさにそのタイミングが非常に時宜を得たものであるのかどうかというのを今最初に考えてみたいのですけれども、そもそも無認可共済の問題というのは、いつごろから政府、金融庁としては御認識をなさって、そしてまた内部で議論をしていらっしゃったのでしょうか。

○増井政府参考人
お答え申し上げます。
今先生御指摘の無認可共済、いわゆる根拠法のない共済でございますけれども、もともと特別な根拠法に基づかずに設立された任意団体等で共済事業を行うというのは、前からそういった共済というのはあったわけでございますが、これまでは自発的な共助を基礎とするものでありまして、その契約者を保護するための規制は基本的には必要ないというような考え方できていたわけでございます。
ところが、過去において共済事業に関連したさまざまな問題がございました。特に、近年になりまして、いわゆる根拠法のない共済につきましては、その事業の規模あるいは形態が多様化してきている。これに伴って事業者が所在不明であったり、あるいはマルチ商法的な勧誘方法が用いられているといったことなどで、国民生活センターなどへの相談件数が増加をしてきております。また、先般、総務省の方で御調査をいただいた調査結果を見ましても、任意団体などによる共済につきましては、ここ五年間に事業を開始しているものが相当ふえて六割弱ある、そういった状況にもあるということでございます。
そういった状況にかんがみまして、昨年一月開催をされました金融審議会の第二部会におきまして、根拠法のない共済への対応が「保険に関する主な検討課題」の一つとされまして、具体的な検討が開始をされまして、この問題について昨年の十二月の金融審議会の第二部会報告を踏まえてこの国会に法案を提出させていただいている、そういう経緯でございます。

○田村
ありがとうございました。
今局長がおっしゃっておられましたように、まさに無認可共済というのは根拠法がない、そういう意味では確かに金融庁には責任はもともとない、金融庁の所管外だという考え方なんだと思います。確かに、根拠法というのは非常に重要なわけですけれども、ただ、もちろん、無認可の共済であっても広い意味での金融サービスの一環であるというのは事実だと思います。そういった意味で、とにかく根拠法があるものだけを金融庁が見ていればいいんだという考え自体が、確かに政府の皆様は大変お忙しいのでなかなか手を広げられないという事情はわかりますけれども、やはりそこは金融全体を見るのが金融庁の役目だ、より広い、大所高所からの視野を持って、日々、まさに根拠法がない、そういう意味では所管外のものについてもしっかりと把握をしていくということが金融庁の役目なんだろうというふうに私は思います。
この無認可共済についてもなかなか実態を把握し切れていないということは当局からの御説明でも聞いておりますけれども、そして、結局、総務省ですか、他省庁の調査にある意味で頼っているというような状況があるという話も聞いていますが、そこは金融全般をしっかりと見るという認識を金融庁の中で持っていただくことが非常に重要なのではないか。そして、それは根拠法がないということであれば、そこは民主党がかねて主張していますように、金融サービス法といったような金融全般についてある意味で網をかけるような法律というものをしっかりと整備する必要があるのではないかというふうに指摘をさせていただきたいと思います。
問題が起きて数年たって、周りからもいろいろと声が上がってきて、やむを得ず重い腰を上げて、その分野についてだけまた根拠法をつくって法律を整備していく、そのような後手後手の対応では、金融というのは、今後もさまざまな業界が知恵を絞って、あえて悪く言えば、法の網をくぐるようなあるいは根拠法がないような分野にさらに手を伸ばしていく、そういったことが今後も続くと思います。そういった意味では、結局イタチごっこになってしまう。そこはしっかりとある意味で先手を打つような、金融サービス法といったようなものについてしっかりと御検討いただきたいということをまず最初に御指摘をさせていただきたいと思います。
それでは、今回の改正案に盛り込まれている制度について若干お伺いをさせていただきます。
先ほど馬淵議員も議論をしておりました少額短期保険業者についてでありますけれども、一方で保険会社というものがあって、保険会社については保険契約者保護機構というものがあって、まさに保険会社が破綻した場合には契約者を保護するというセーフティーネットがあるわけですけれども、今回新たに創設をされる少額短期保険業者という制度については、それに対応するようなセーフティーネットというものは整備されているのでしょうか。

○増井政府参考人
お答え申し上げます。
先生御指摘のセーフティーネットでございますが、契約者保護機構のセーフティーネットには入らないということでございます。
ただ、一方で契約者の保護の観点からはさまざまな規制といいますか、保護の観点からの制度を設けようと考えております。一つは、財産的基礎という意味で最低資本金の額を定める。さらに、登録をいたすわけでございますが、登録業者に対してはその引き受けるリスクに応じた責任準備金の積み立て義務を課す。それでリスクに応じた自己資本の充実状況を適切に監督をするといったことも考えたいと思います。また、先ほど来たびたび御議論をいただいております供託の制度も設けたいということでございまして、いろいろな形で契約者保護を図ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。

○田村
ありがとうございました。
先ほどの馬淵議員が議論した点につながると思いますけれども、今御説明いただいたような最低資本金ですとか責任準備金、そういった本当の大枠は、細い枠でしかないと思いますけれども、そういった枠は確かに今回の改正案で示された。ただ、結局、それを実際に政省令で詳細を定めて施行するということになると、まさに今回想定されている政省令のレベルでの話というのが非常に重要なわけです。
そういった意味で、先ほど大臣が、馬淵議員に対する答弁において、まさに適切、柔軟に対応するというふうにお答えをなさっておられましたけれども、結局それは、委員会での議論というのは本当の大枠の、ある意味で漠然とした、相当解釈の範囲が広い部分にとどめておいて、あとは当局から見て適切な、そして当局が柔軟に対応する、あえて悪く申し上げると、それは非常に当局にとって都合のいいような、そういった政省令で詳細を定めるということにもつながりかねないということは、私も馬淵議員と同じ考えを持っているわけでございます。
もう今回の件に関しては議論はできないわけですけれども、そういった今回のこの枠組み以上により詳細な部分、それは詳細だからといって重要性が下がるということには決してならないと思います。そこはしっかりとこういった委員会の場で議論するということが重要なんだろうというのは、馬淵議員に続いて私も重ねて御指摘をさせていただきたいということでございます。
今回に関しては議論はできませんので、この改正案のもとで政省令をおつくりになる際に、馬淵議員も言っておられましたように、しっかり現場の意見を聞く、あるいは我々野党の意見も聞く、そういった周りの意見もしっかりと踏まえながら、本当に消費者、契約者の保護の観点に立った制度をおつくりになることを私からも重ねて要望を申し上げる次第です。
そして、この新しい制度が導入された後でございますけれども、晴れて根拠法ができて金融庁の監督下に入るということになるわけですけれども、総務省の調査によると、無認可共済として把握されたものは四百を超える。まさにそこは一体どれぐらいの数があるのかという実態はちゃんと把握はできないというふうに金融庁の方もおっしゃっておられたと思いますけれども、当然、監督、検査をする先というものが純粋に増加をするということになるんだろうというふうに思うのですけれども、それに当たる検査監督の体制が十分なのか、人員等を含めしっかりとした準備がなされているのか、その点について大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。

○伊藤国務大臣
今、委員がいろいろなことを御指摘をされたわけでありますけれども、政省令の問題は、行政として都合のいい形で運営をしていきたいということではなくて、委員も大蔵省銀行局等で活躍をされてこられたわけでありますので、そうした意図ではないということは御理解をいただけるというふうに思います。
委員が御指摘をされた非常に重要な点は、幅広く関係者の方々の意見を聞いて実効性ある政省令というものを設けていく、その重要性について御指摘をされたというふうに思っておりますので、そのことはしっかり受けとめて、私どもとしても、パブリックコメント等を大切にしながら対応していきたいというふうに思っているところでございます。
また、委員からは、監督、検査のあり方、金融行政の体制面についての御質問がございました。金融庁といたしましても、金融行政の課題に的確に対応していく観点から、これまでも検査監督の体制の整備を着実に進めてきたところであります。今回の法改正におきまして相当程度の検査監督業務の増加が見込まれるところでございますが、規制の実効性というものを確保し、そして契約者保護を図ることは極めて重要であると認識をいたしているところでございます。こうした認識のもとで、金融庁といたしましては、行財政改革の観点から大変厳しい定員状況のもとでありますけれども、今後、関係当局の理解を得つつ、必要な検査監督の体制というものを整備していきたいというふうに思っております。

○田村
ありがとうございました。
大臣の方から御指摘をいただきましたように、確かに私は財務省、大蔵省にいたわけでございます。過去の話になりますので、特に触れるつもりはなかったのですけれども、大臣からお話がございましたのであえて申し上げさせていただきます。
私が入省いたしましたのは平成三年、銀行局に配属になりました。当時二年間金融部門にいて、後は金融部門ではありませんので、現在いろいろと変わっている部分はあるだろうというふうに私は思っていますけれども、非常に鮮明に覚えておりますのは、当時、護送船団方式というのは当たり前だというふうに銀行局内で上の方から下の方まで認識をしていて、私はまさにバブルが崩壊した年に入省いたしましたので、欧米の例を見ても、そんなのはもたないだろうというふうに素人ながら思ったわけですけれども、何ばかなことを言っているんだというふうに、だれにも相手にされなかったというのが非常に鮮明に残っている記憶です。
ただ、もちろん、実際に金融の情勢が日本の経済全体も含めて非常に厳しくもなって、そして金融庁というふうに独立をして、先ほど大臣がおっしゃっておられましたように検査監督体制も強化をされて、当時とは全く比較ができないわけではありますけれども、かといいまして、それが本当に生まれ変わったのかというのは、私はいまだに疑問を持っているところであります。
実際、私が銀行局にいましたのは十五年も前ではありますけれども、ただ、上の方の方というのは当時と余り変わっていない。逆に、当時の中堅、中核だった人が今の幹部になっていらっしゃるわけですので、この厳しい経済状況の中で大きな発想転換を図られた方もいらっしゃると思いますけれども、そうじゃない方も私は結構いらっしゃるという認識を持って財務省を飛び出た人間でございます。そういった意味で、金融庁の方々が、全員の方々が自分たちに都合のいいような政省令の整備を決してしないというふうには私は決して確信は持てないというふうに、そこは今でも思っているわけでございます。(発言する者あり)合いの手、ありがとうございます。
その点に関して私も中にいた人間としてあえて反論させていただいた上で、さて、まさにその検査監督の体制。
そこも、大臣は当局が用意なさった答弁を棒読みなさっていらっしゃいましたけれども、こういう人員の問題になりますと、確かに一般論としては、行政改革だ、税金のむだ遣いが多い、だから公務員を減らせという話は、かなり通用する部分があるんだろうと思います。そして、霞が関、国家公務員の定員を削減するんだということで、毎年何%という目標を立てて削減がされているわけですけれども、それを役人任せ、各省庁任せにすると、各省庁では当然自分たちの人員は削りたくないので、結局、各省庁一律の削減になってしまう。そういった中で、確かに、金融庁の検査監督部門というのは、数年前の金融危機などもありましたので、そういう非常にわかりやすい、だれもがわかりやすい理由がありましたので、純粋に要員が増加をしているというのは私も知っているところでありますけれども、それが本当に十分なのかというのは、私は、明確な数字ではないにしても、やはりまだまだ不十分なんだろうというふうに感じている次第です。
今回のこの無認可共済、さらに監督対象がふえて、それによって実際何人必要なのか。そういう人数を出したとしても、そもそも一律の定員削減があって、さらにその中での特殊事情による増員があって、結局純増何人という、金融庁全体の話でそうなってしまうと思いますので、無認可共済の今回の話があったからといって、検査要員が素直にふえるということには決してならないんだろうと非常に悲観的に考えているわけです。そこはやはり、役所に任せるのではなくて、しっかりと政権の中で、どの分野により人員をふやさなければいけないというのは、まさに大臣がリーダーシップをとって進めていかなければいけないんだろう。そこは、役所の調整では不可能だろうと私は強く思うところでありますので、今後のより大臣のリーダーシップを改めて御要望させていただく次第です。
さて、続きまして、先ほど馬淵議員が最後にちょっと触れておりました制度共済、その点に関して私も馬淵議員に続けて議論させていただきたいというふうに考えます。
無認可共済についてはさまざまなマスコミに問題点が出て、また、一方で制度共済についても同じような事件がいろいろと起きているわけです。さかのぼれば、九七年のオレンジ共済事件や、あるいは二〇〇〇年のKSD事件、ある党の議員の方も逮捕されてしまう、そういったような事件もあったわけです。そして、ごく最近では、二〇〇二年の四日市商工共済協同組合が経営破綻をした。そしてまた、二〇〇三年には、原口筆頭理事のおひざ元で、佐賀商工共済協同組合が経営破綻をした。それらはいずれも制度共済、根拠法があって所管省庁がしっかりと監督をしているところなんだろうと認識をしています。まさに、先ほど馬淵議員に対する答弁で大臣がおっしゃっておられましたように、所管官庁が適切に監督をしているはずのそういった共済があえなく経営破綻をしている。
それは、まさに幾つかの事件でも明らかなんだろうというふうに私も考えます。例えば、もう御案内の方も多いと思いますけれども、佐賀共済の場合にはそもそも運用の担当者というのはワラントとワラント債の違いもわからない、そういったずぶの素人が担当していたとか、あるいは、運用にアルゼンチン債を用いる、ある意味ではほとんど常識的には考えられないようなことをしているような状況がまかり通っていた。当然の帰結として破綻をしてしまったということなんだろうと思いますけれども、そういった状況の中で、馬淵議員に続いて、あえて重ねてお伺いさせていただきます。
制度共済について先ほど大臣はお答えになっていらっしゃいましたけれども、所管の省庁でしっかりと監督をされているというふうに本当にお考えなのか、改めてお伺いをいたします。

○伊藤国務大臣
まず、先ほどの体制の整備の問題でありまして、それをしていくために政治のリーダーシップが非常に重要だという御指摘をいただきました。私もそれについては全く同感でありまして、だからこそ、今年度の予算あるいは定員の問題について積極的に関与をし、体制整備に努めてきたところであります。
しかし、一方でやはり行財政改革の観点あるいは厳しい定員事情があることも事実でありますから、私どもに与えられた体制というものを最大限活用して効率かつ的確な金融行政を行っていくということも非常に重要でありますので、そうしたことを肝に銘じて金融行政というものを行っていきたいというふうに思っております。
また、委員は今までの経験から、金融行政そのものに対しても問題意識があるんだということを明確にお話しになられました。そうした観点からも、私ども金融行政が委員の目から見ても信頼に足る金融行政であるかどうか、そのことについてぜひ十分見ていただいて、問題があれば御指摘を本当に賜りたい。私どもとしても、そのことを真摯に受けとめながら、信頼される金融行政を確立していくために努力を重ねていきたいというふうに思っておりますし、委員は同期の方や同僚の方も金融庁にたくさんおられるというふうに思いますので、ぜひそうした観点からも金融行政を見ていただきたいというふうに思っております。
また、今御質問の点でありますけれども、過去の共済事件に関連したさまざまな問題につきましては、これは詐欺でありますとか、あるいは背任罪で逮捕、起訴される、こうしたことがございました。こうした問題というものは、保険業法やあるいは金融行政の範疇を超える点もあろうかというふうに思いますけれども、いずれにいたしましても、金融取引上の消費者保護の観点から、私どもとすれば、所管官庁の方々とも十分に連携をとりながら相談をさせていただきたいというふうに思っておりますし、また、今回の法律におきましては、五年以内に見直しをしていくということになっておりますので、そうした中で共済制度全体の問題についても関係省庁とよく相談をしていきたい、検討をしていきたいというふうに考えております。

○田村
どうもありがとうございました。
ただ、一点私が質問させていただいたのは、さまざまなそういった事件がある中で、それでも所管省庁は制度共済についてしっかりと監督をしているのかと。今後の話ももちろんありますけれども、それも若干は議論させていただきたいと思っておりますが、現在あるいは今までしっかりと監督をされていたというふうにお考えなのかどうか。私は今の御答弁ではちゃんとお答えいただいていないと思いますので、その点について改めてお伺いをさせていただきます。

○伊藤国務大臣
これは先ほども馬淵委員の御質問に対してお答えをさせていただきましたように、それぞれの所管官庁において規制法があり、それに基づいて監督がなされているわけでありますから、その中で適切な対応がなされているというふうに思います。そうした中で問題があるとするならば、それぞれの所管官庁の中で検討されていくことが非常に重要だというふうに思っておりますし、御党においても、それぞれの委員会において問題があればそのことを御指摘されているというふうに思いますので、その中で適切な対応がなされているというふうに考えているところでございます。
いずれにいたしましても、今後、共済制度全体のあり方について、今回の法律におきまして、先ほども答弁をさせていただきましたように、五年以内に見直しをしていくということでありますので、全体のあり方については、関係省庁ともよく連携をとりながら、相談をしながら検討をしていきたいというふうに思っております。

○田村
ありがとうございました。
結局、私が再度お伺いしたことについてはほとんどお答えいただいていないというふうに私は思います。裏返して言えば、まさにさまざまな事件が象徴しているように、他省庁というのはしっかりと監督できていないのじゃないか。それを大臣も個人的にはお考えなんじゃないかなというふうに、あえて、これ以上このことについてはお伺いしませんけれども、想像もしたりする次第です。
実際のところ、まさに金融というのは非常に専門性が高いという中で、他省庁が、それぞれの所管の省庁がしっかりと検査監督ができていない。それが、さまざまな事件が象徴していることなんだろうというふうに思います。私は、そういった意味では、制度共済でも、全部とは言いませんけれども、ほかの省庁、あるいは場合によっては自治体の場合もあるわけですが、そういったところがそういう監督検査の十分な体制がない、その能力がないというものについては、やはりしっかりと金融庁が見なければいけないのじゃないかなという考えを持っています。
先ほどから、この件に限らず、定員の件、要員の件についても他省庁とも相談しながらというような、馬淵議員への答弁も含めて、他省庁と適切に相談をして連携をしていく、よくある官僚答弁でもあるわけですけれども、結局、それは、もちろん大臣は金融庁の大臣ですから、御自身の担当というのは金融庁、まさにその金融庁の所管しているものだけだというのは当然のことでありますけれども、ただ、現実として多くの大臣は、伊藤大臣がそうだと私は決して思いませんけれども、多くの大臣というのは、それぞれの省庁の、まさに官僚答弁を読み上げて、その官僚の言いなりになっている、言うとおりにそれを納得して答弁をしている。そういう場合が非常に多いわけでございます。
例えば今回の件に関しても、他省庁と相談をする、連携をとるというのは、実態はどうなのか。大臣が担当者に、しっかりと国民のために議論しろ、議論してしっかりと連携をとれ、そういう御指示をなさったとしても、実際の担当者、それは例えば金融庁とほかの省庁の担当者とのやりとりになると思いますけれども、実態はまず最初に縄張り争い、けんかになって、そして、ほかの省庁は、金融庁は自分たちの根拠法があるところだけやっていればいいのだと。ほかの省庁の担当者、まさに制度共済の担当者の人たちというのは、余計なことに口を出すな、こちらはこちらでしっかりやっているのだと。まさにそれをあらわした官僚答弁が、他省庁はしっかりと対応していると金融庁としても考えるということになってしまうのだろうと思います。
事務局に任せていて、まさにこういう縄張り争いはさまざまな政策においてありますけれども、縦割りの省庁の弊害の典型というのは、それぞれの担当者に任せると単にけんか別れをしてしまう、そして、結局何も進まないというのはいろいろな面であるのだと思います。今回の件についても、私は、今回、他省庁についてあえてお伺いをしても、どうせ同じような答えをほかの大臣が言うだけというのはわかっていますので、そこは伊藤大臣に今のお答えをいただけば十分だというふうに思いましたので、ほかの省庁の大臣は呼びませんでしたけれども、そこは事務方に任せては結局何も進まない。まさに大臣が責任を持って、ほかの省庁ともしっかりと連携をとるというのが一番大事なのだろうというふうに私は考えます。その点についてもぜひとも御認識をいただきたいということを重ねて指摘をさせていただきたいと思います。
それでは、今度は保険のセーフティーネットについて話題を移させていただきます。
今回の改正について議論する前に、前段として二〇〇三年の改正で導入された生命保険の予定利率引き下げについて触れさせていただきたいというふうに思います。この財務金融委員会におきましても、民主党の諸先輩が反対の論陣を張ったというふうに私も聞いていますけれども、それからちょうど二年が経過をしたというわけです。
保険業者がまさに破綻寸前に経営が追い込まれた場合に、自主的に予定利率引き下げを申請する、そういったスキームだというふうに聞いていますけれども、いろいろな論点がありますが、例えばある意味銀行でも同じような議論はあったと思いますけれども、結局、申請をするというのは、自分の会社がまさに破綻寸前だというふうに言ったに等しい。申請をすると、幾らその後若干の解約規制があったとしても、どんどん解約する人がふえて、結局は破綻をしてしまうのではないか、そういった見方も当時あったと思いますし、そして、いろいろな意味を含めて、結局は金融庁の責任逃れの仕組みでしかなかったのではないか、そういった議論もあったというふうに聞いています。また、契約者保護という観点にしても、まさに破綻の前に予定利率の引き下げというものを行った方が契約者にとって有利だというのも、必ずしも明確に言えない。結局はケース・バイ・ケースになってしまう場合もあるというような議論もあったと思います。
そして、二年間経過をして、確かに今は株価が持ち直したというのが一番の要因だと思いますけれども、一部の大手保険会社の危機というような話は聞かれなくなったわけですけれども、今振り返って、予定利率引き下げという制度が本当に必要だったのかどうか。あくまで私も文字で見たわけではありませんけれども、当時の伊藤副大臣は、予定利率の引き下げについて、そういう制度の導入ということについては否定的だったというような話も聞いたことがあるのですけれども、それについて大臣の御見解をお伺いさせていただきます。

○伊藤国務大臣
御質問にお答えをさせていただく前に、先ほど大臣のあるべき論についても御指摘があったわけであります。私自身も通産省の政務次官をさせていただき、また、党においても経済産業部会長をさせていただいて、経済産業省所管の制度共済の問題についても十分認識をいたしているところでありますし、また、大臣たる者、大所高所の観点からいわゆる消費者保護に資するような対応をしていかなければいけないというのは、委員が言われるのは、そのとおりだというふうに思っております。
特に、私自身、昨年の九月までは、内閣府におきまして国民生活局も担当して消費者行政の問題についても取り組んでまいりましたので、だからこそ、こうした観点からも根拠法のない共済の問題について今回のような法律案を提出させていただいて、御審議をさせていただいているところでございます。それぞれの政党におきましても、省庁の縦割りを超えてさまざまな議論がなされているわけでありますので、そうしたことを私どもとしても真摯に受けとめながら、消費者行政に資する枠組みというものをしっかり整備して、その保護の徹底に努めていきたいというふうに思っております。
それから、今のお尋ねの点でありますけれども、先ほどさまざまな議論があったということを御紹介になりました。そうした議論を経て、平成十五年の保険業法の改正において予定利率の引き下げを可能とする仕組みというものを整備したところでございます。この改正については、保険契約高の減少、株価の低迷、巨額の逆ざや負担といった、当時の生命保険会社をめぐる非常に厳しい経営環境というものを背景にして、保険会社の破綻というものを未然に防ぎ、保険契約者等の保護を図るために必要なものであったというふうに考えているところでございます。
生命保険会社の現状を見れば、依然として多額の逆ざや負担というものが発生をしていること、将来、経営破綻に直面する保険会社があらわれる可能性を排除できないということ、こうしたことを考えますと、この制度を廃止するという認識は私は今持っておりません。

○田村
ありがとうございました。
今大臣からお答えがございましたけれども、結局、二年前に比べて株価が持ち直した、それによって今危機は薄れている。ただ、その一方で、また株価が下がれば、もちろん株価だけではありませんけれども、さまざまな環境が悪化をすれば再び危機が来る可能性もあるというお話だったと思います。
まさに逆ざやというのは日本の生保の非常に大きな問題であって、すぐに、そんなに短期間で解決のできる問題じゃないというのは私も十分に認識をしているわけですけれども、この二年間、金融庁でもさまざまな制度を導入して、二年間たって株価は持ち直した。そして、今は大丈夫だ、小康状態だ。ただ、再び経営状態が危なくなる危険性もあるから予定利率の引き下げという制度は維持する必要があるというのは、あえて裏返して申し上げると、まだまださまざまな経営改善というものがなされていないところがあるというふうにもとらえられるんじゃないかなというふうにも思うわけです。
そこで、実際、この二年間を振り返って、生命保険業界というのは本当に健全になったのか。株の話というのは一番大きいと思いますけれども、この二年間でどの程度株価に対する耐久力というのを各生命保険会社が高める努力をしていたのかということについて御認識をお伺いいたします。

○佐藤政府参考人
我が国生命保険業界の財務の健全性についてのお尋ねでございますが、基本的な認識といたしましては、財務の健全性は全体として改善のトレンドの上に乗っているというふうに思っております。株価の変動に対する耐久力がどうかという点でございますけれども、それも改善をしてきているということかと思います。
株価がたまたま改善してきているということだけに依存した健全性ということでは頼りないわけでございますので、さまざまな制度的な枠組みあるいは保険会社自身のリスク管理能力の向上ということが重要であろうというふうに思っております。
そういう観点から見ますと、これまで金融商品に対して時価会計が適用される、あるいはソルベンシーマージン比率の算定方法が厳格化される、さらにはディスクロージャーが拡充をされる、さらに将来収支分析の義務づけといった財務の健全性に係るルールの整備、より厳格なチェックを行う枠組みというのが、ここ数年かけて整備されてきたというのが一つございます。そういった枠組みの中で、各生命保険会社がALMの観点等から資産運用管理の強化を行う、こういう流れになってきているというふうに思うわけでございます。
結果といたしまして、各生命保険会社におきまして、株価変動リスクをコントロールするという観点から、株式の売却をここのところかなり進めているということでございます。
例えば、これは統計上は損保も含んだところでございますけれども、保険会社の株式市場での売り越し額という指標で見ますと、平成十三年度一兆一千億強、十四年度七千五百億強、十五年度一兆六百億強、十六年度が六千億円弱、こういうことで売り越しの状態がずっと続いているということでございまして、この結果、残高ベースで見たときに、生命保険会社の資産に占める保有株式の構成比でございますが、これが十四年三月末で一三・四%であったものが、一番直近で、十六年九月末には一一・一%という比率に低下してきているということでございます。
それから、株式の含み損益でございますけれども、これはもちろん市況の改善ということが部分的に寄与しているわけでございますが、十四年三月末に一兆八千八百二十二億円という含み益であったものが、直近の平成十六年九月末におきましては四兆八千七百三億円という含み益に拡大しているということでございます。
なお、大幅な株価の変動といった、さまざまな生命保険会社が抱えるリスクに対する備えとしてソルベンシーマージンというものが用意されているわけでございますけれども、この健全性の指標でございますソルベンシーマージン比率というもので見た場合にも、平成十四年三月末にこれが六七二・二%というものでありましたのが、十六年九月末には八五九・三%という比率に改善をしてきている、こういう状況でございます。

○田村
ありがとうございました。
さまざまな生保各社の資産運用に関する経営努力、そこは今御説明をいただきましたけれども、そしてさまざまな数値というのもお話をいただきました。確かに、株に依存するような運用というのは改めて、ALMといったような手法を導入してという改善努力をしているということは私も承知をしているわけですけれども、ただ、それで本当に健全になったのかというのは、結局どのレベルまで行けば十分なのかというのは、もちろん明確に数字ではあらわせないところはありますが、その一方で、今回のセーフティーネット、それを維持していくというのは、先ほど大臣もおっしゃったようにまた危機が来るかもしれない、それは、まだまだそういった意味で十分に運用リスクというものを低めて改善というものが十分になされていないということも意味しているんではないかなというふうに私は考えるわけでございます。そういった点を若干御指摘させていただいて、議論を進めさせていただきます。
そういった意味で、今後、生命保険各社の経営状況はどうかというのは、もちろん金融庁がしっかりと監督をしていただくということが大事であるとともに、契約者がどの会社を選ぶか、あるいはまさに契約者の保護という観点からも、それぞれの会社の経営状況についての情報の開示というものが非常に重要なんだろうというふうに私は思います。
現在は、いわゆる三利源、死差、費差、利差という三利源について情報が開示をされていない。結局、経営がどこまで悪いのかあるいはどこまで改善されていたのかというのは、そういった数値がわからないのでなかなか見えにくい、そういう状況がいまだに続いているのじゃないかなというふうに思います。例えば簡易保険ですとかあるいはJA共済といったようなところでは三利源を開示しているという話も聞いておりますけれども、生保の会社の方ではそういったある意味で経営の核心のような情報を開示すると、それが各社との競争において不利になるというような議論もあると聞いていますが、また一方でその三利源を開示しているところもある。そういった中で、生保の三利源あるいは将来収支といったようなものの情報を開示させる、それを義務づけるべきではないかというふうに思うんですけれども、その点についての御見解をお伺いします。

○佐藤政府参考人
一般的に、情報開示というのは大変重要なことだというふうに私どもも認識しております。それは消費者の方々がきちんと選択する前提であるということと同時に、金融機関、保険会社等が緊張感を持って経営をしていくというインセンティブにもなるというふうに思っております。
こういった観点から、生命保険会社の財務の健全性に関するディスクロージャーというものにつきまして、開示の基準というものを整備してきておるわけでございますけれども、例えば、平成十二年度の決算からは、保険会社の基礎的な収支の状況を示す指標として基礎利益というものを公表するようになりました。また、平成十三年度からは、それまで各社がそれぞれに公表していた逆ざやの額の定義を明確化して統一したといったことを行ってきておるわけでございまして、こういった枠組みに沿って各社が開示の内容を改善してきているということだと思います。
そして、御指摘のいわゆる三利源でございますけれども、これにつきましては、この指標が各社の競争戦略にかかわる内部管理の指標でございますので、これを各社公表していないという現実にあるわけでございます。これを当局が公表を義務づけてはどうかという御指摘でございますけれども、この点につきましても、これが各社ごとの競争戦略に係る内部管理の指標であるということでございますので、慎重な対応が必要であろうというふうに認識しておるところでございます。

○田村
ありがとうございました。
今お話ありましたように、三利源の合計である基礎利益、そして逆ざや、そういったものの開示を義務づけたという点では確かに進歩はしているというふうに思いますけれども、裏返せば、詳細がわからないのは死差益と費差益の二つの数値だけということになるんだろうと思います。まさに費差益というのがどれだけ経営のコストというものを削減しているか、どれだけリストラを進めているのかというのが露骨にあらわれる数字ですので、そういったところを出したくない。あるいは、費差益に関しては、まさに費差益が非常にある意味では高過ぎる。だからこそ生命保険会社というのは、逆ざやがあっても黒字の経営を続けていられる。もちろん、黒字であるのは大事なことではありますけれども、消費者、契約者の観点から見た場合に、費差益というのはある意味では高過ぎる。結局は、それが保険料にはね返っているのではないか、そういう疑念を生んでいる部分もあるんだと思います。経営の核心というふうな話も今ございましたけれども、やはりそこは契約者保護という観点とのバランスの問題だと思いますので、改めて三利源についての開示を義務づけた方がいいのではないかということを御指摘させていただきたいというふうに考えます。
さて、時間も限られてまいりましたけれども、保険とは大きく話が違うんですが、今後の話ということで、ノンバンクのことについて少しだけ最後に触れさせていただきたいと思います。金融庁の中に貸金業制度等に関する懇談会というものがあると思いますけれども、その点について少しだけ、今後のこともありますので触れさせていただきます。
先月の三月三十日にまさにその懇談会が開催されたというふうに聞いていますが、その趣旨についてまず最初にお伺いをさせていただきます。

○増井政府参考人
お答え申し上げます。
貸金業制度等に関する懇談会の件でございますが、昨年一月に施行されましたやみ金融対策法で、その中に附則の第十二条というのがございまして、ここに「貸金業制度の在り方については、この法律の施行後三年を目途として、新貸金業規制法の施行の状況、貸金業者の実態等を勘案して検討を加え、必要な見直しを行う」。また、出資法の上限金利の関係につきましては、「この法律の施行後三年を目途として、資金需給の状況その他の経済・金融情勢、資金需要者の資力又は信用に応じた貸付けの利率の設定の状況その他貸金業者の業務の実態等を勘案して検討を加え、必要な見直しを行う」というような規定がございます。
そういった検討条項の趣旨を踏まえまして、貸金業制度等のあり方につきまして幅広い観点から勉強していくという目的で、今般、総務企画局長の懇談会ということで貸金業制度等に関する懇談会を開催することとしたものでございます。

○田村
どうもありがとうございました。
おととしの七月に、この委員会において、当時の竹中大臣が前向きにノンバンク全体の体系整備について取り組みたいと思っておりますという御答弁をされたというふうに聞いております。また、先ほど触れました、今御説明いただきました貸金業制度等に関する懇談会の資料というものを金融庁のホームページでも拝見いたしましたけれども、それによると、平成十六年三月末の時点で、貸金業者の貸出残高約四十七兆円、第二地銀は約四十二兆円ということですので、それを上回っているという状況に現在あるわけですけれども、伊藤大臣は、貸金業者、ノンバンクを金融システムの中でどのように位置づけていくべきとお考えか、大臣の御見解をお伺いさせていただきます。

○伊藤国務大臣
お答えをさせていただきます。
ノンバンクにつきましては、銀行などにない独自のノウハウというものを生かして、小口の分野でありますとかあるいは専門性の高い分野に資金を提供いたしており、我が国の金融システムにおいて重要な資金仲介機能、金融仲介機能というものを果たしているというふうに考えております。他方、最近においては、いわゆる商工ローン問題やあるいはやみ金融問題が社会問題化する等の問題が生じているわけであります。
こうした中で、私どもとして、昨年十二月に公表、策定をさせていただいた金融改革プログラムにおきましては、市場参加者のニーズにこたえ、健全な競争と新しいビジネスの開拓を促す観点から、ノンバンクに対する規制のあり方の見直し等を行うことといたしております。また、先般公表いたしました工程表におきましては、ノンバンクに対する将来的な規制のあり方については、やみ金融対策法の見直し条項の趣旨を踏まえつつ、先ほど局長からも御説明をさせていただきました貸金業制度に関する懇談会において、関係省庁と連携しつつ、幅広い観点から検討を行うことといたしているところでございますので、工程表に基づいて検討を進めていきたいというふうに思っております。

○田村
ありがとうございました。
貸金業に関しましては、昔ですと非常に悪質な業者というものが話題になっていたわけですけれども、先ほど申し上げましたように、非常に規模も大きくなってきた。そしてまた、例えば海外を見れば、GEといったような世界に名立たる外資も参入してきている。そして、まさに東京三菱ですとか三井住友といったような大手都銀がノンバンクと手を組むというようなこともできてきているわけでございます。
そういったわけで、貸金業というと、とにかく今までの悪質な業者をどうするかというような観点から、上限金利の数値といったようなことや、あるいは行為規制ということに焦点が当てられがちだと思いますけれども、そこはやはりしっかりと貸金業を金融システムの中で位置づけをしていく、そういったことが非常に重要なんだろうというふうに思いますので、そういった議論をその懇談会でもしていただきたいと思いますし、この委員会でも今後させていただきたいというふうに思います。
以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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