○田村
民主党の田村謙治でございます。
本日は、大変貴重な機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
まず最初に、当座預金残高目標をめぐる金融政策運営についてお尋ねをさせていただきます。
報道によりますと、七月二十九日に当座預金残高が、六月初以来二カ月ぶりに誘導目標の下限である三十兆を割り込んだという報道がなされています。昨日は三十兆円を超えたということのようでありますけれども、あした以降多額の税金の払い込みが見込まれる、そういった状況もあってしばらく日銀当座預金残高の三十兆円割れは続くのではないかという観測を記事にも見かけました。
このような、三十兆円を割り込む金融政策運営というものですけれども、それは五月二十日の金融政策決定会合で決定された、先ほどからも話に出ております、なお書きの修正というものを踏まえたものであるわけですけれども、総裁は、五月二十日の記者会見の際に、なお書きの修正が必要になった理由ということで、市場機能に過度なダメージを与えないことが今回の措置である、あるいは、市場機能を過度に封殺しないというような御説明をなさっていらっしゃったというふうに記憶をしております。
総裁の御説明を理解するに当たりましてキーになるのが、やはり市場機能という概念であると思います。短期金融市場が曲がりなりにも維持されているという中で、少なくとも表面的には市場の中で需給を反映して金利等が決まっているということだと思いますけれども、いかなる機能、市場機能が低下したということなのでしょうか。
さらには、なお書きなしで量的緩和を続けると市場機能に過度なダメージを与えるということを意味していらっしゃるんだと思うんですけれども、どういった事態が生じることを懸念していらっしゃるのか、また、その場合に、日本経済に対していかなる副作用が生じるのかといったことを、具体的に御説明をお願いいたします。
○福井参考人
金融市場の状況を、私ども、毎日つぶさに観察しながら市場の調節を行っておるわけでございますけれども、最近、特に昨年の末以降と申し上げた方がより正確でございますが、金融システム不安の後退という大変好ましい変化を背景といたしまして、金融機関の流動性需要が後退してきている、減少してきている、趨勢的に需要が減ってきていると言っていいというふうに思います。逆に言えば、市場の中で資金余剰感が強まってきているということでございます。その証左として、日本銀行が市場に流動性を供給しようといたしまして資金供給オペレーションを行いますと、金融機関の側からこれに十分応札が出てこない、つまり札割れ現象というものが発生し続けている、これが現在の市場の姿でございます。
五月の金融政策決定会合で、今委員から御指摘のありました、いわゆるなお書きを修正したというのは、市場機能に配慮しながら最大限の資金供給努力を行う、それを前提にして、しかし、なおかつ、金融機関の資金需要が極めて弱いと判断される局面においては、当座預金残高が一時的に目標値を下回ることがあり得るという、例外的な規定を設けたということでございます。これは、申すまでもなく、量的緩和政策の基本的な方針転換を意味するものではない、むしろ量的緩和政策を今後ともより円滑に運営していく観点からの、市場の実態に即した現実的な措置ということでございます。
具体的に申し上げますと、日本銀行が大量の資金供給を行っていきます中で、民間金融機関の資金調達におきます日本銀行のオペレーションへの依存度が非常に高まってきている、普通は市場の中で資金を調達する、この普通の姿がゆがめられて、日本銀行のオペレーションがあたかも唯一の蛇口であるかのごとく、資金の供給ルートになってしまう、つまり、金融機関の日銀オペへの依存度が非常に高まってきていて、金融市場における価格形成も日本銀行のオペに左右される度合いが非常に強まっているというのが実情でございます。
そうしたことになりますと、結果として、市場参加者がみずからの金利観や資金ポジションの動向などを考えながら資金の取引を行うという市場本来の機能が必ずしも十全には働かない状況になっている、これが市場機能が阻害されている状況と私どもが表現している具体的な中身でございます。
こうした状況が進みますと、資金の効率的な配分を阻害するだけではなくて、マーケットの動きから経済や物価の先行きに対する市場参加者の見方を読み取ることも困難となってくるということでございます。つまり、資金仲介の場としての市場の基本的な機能が損なわれる、同時に、経済や金融の姿を映し出す市場の鏡としての機能にも曇りが生ずる、こういうことを私どもは問題だと意識しているわけでございます。
そうは申しましても、かつてのように金融システム不安が非常に強い状況、経済全体としてもそうした心配を内包しながらデフレスパイラルに陥る心配があるというふうな状況のもとでは、日本銀行のオペレーションが市場の機能に取ってかわる、代替してしまうということはある程度やむを得ない面があったわけでありますけれども、金融機関の健全性がここまで回復してきた状況のもとでは、市場本来の機能を必要以上にむやみに抑え続けるということは、かれこれ比較して害の方が大きくなってくるということでございます。
今申し上げましたような悪影響が強まるということであれば、将来、日本経済が持続的な成長軌道へ円滑に移行していくことを、市場の連続性という意味で、そこは断絶が生じて難しくなる心配がある、こういうことを私どもは懸念し、そこに現実的な対応措置として、なお書き、資金需給の振れが著しく大きい場合の一時的な目標値割れということは、量的緩和政策の副作用の面を最小限にとどめながら、なおこの政策を続けていくことができる、こういう道筋を選択したということでございます。
○田村
今総裁から御説明いただきましたように、まさに現在の日本の量的緩和というのは世界的に見ても非常に異例なものである、そしてまた、機能しなくなった市場の機能を代替するというような役割があったというのはそのとおりだというふうに思いますけれども、現在、金融市場の市場機能が回復をしている中で、改めて市場機能を阻害しないようにという観点を突き詰めていくのであれば、結局、その帰結というのはやはり量的緩和政策の見直しにつながっていくのではないかなというふうに私は思いましたことを一言だけ申し上げさせていただきます。
続きまして、なお書きの修正後の政策運営の透明性ということについて触れさせていただきたいと思います。
そもそも、なお書きの修正をする以前というものは、当座預金残高はまさに三十兆から三十五兆円という範囲にしっかりおさまっていて、政策委員会での議論の内容というものは、議事の要旨というのが公表されていますので、非常に透明性があったということだと思うんです。その一方、五月二十日になお書きの修正がなされて、それ以降どうかということなんですが、まさに数日前のように、当座預金残高が三十兆という下限を割り込むということが起きて、かつ、こうした下限を割り込むタイミングや期間あるいは割り込む幅については、オペレーションを担当するまさに日銀の事務方の判断により左右されてしまう。そして、こうした判断がなされた根拠というものが外部からはうかがい知れないといった面があるのではないかという懸念を持っております。
もちろん、オペレーションの札割れというものが単純に事務方の御判断で左右されるというものではないとは思いますけれども、オペレーション運営を市場機能を封殺しない範囲で実施するとした場合に、どこまでやるかというのは結局まさに程度問題で、明確な数値として出てくるものではない部分がやはりあるのだろう。そうした日々のオペレーションについての判断というものは、結局事務方が行わざるを得ないというのが現状ですし、また、その判断の内部については、政策委員会での議論とは違って外部に十分伝わるというわけではないと思います。
このように、なお書きの修正というものがなされて以降、先行きの金融政策のシグナルである当座預金残高の推移につきまして、政策委員会の判断だけではなくて、今申し上げたような事務方の判断というものが影響するというような状況になっているわけですので、見ようによっては政策運営の透明性が後退したという印象を私も受けております。
その点についての見解をお伺いしたいということと、その関連、その延長としまして、最近新聞報道もございました。日本銀行は、オペレーションの札割れを惹起し、ひいては当座預金残高割れを自作自演しているという記事を私も見かけた次第です。私はその記事をうのみにしているわけではもちろんありませんけれども、そもそもこうした報道がなされるということ自体が、国民が日銀を見る場合に、政策運営というものの透明性がどうなんだというような不信感を持つということにつながってしまうのではないかなというふうにも思うわけですけれども、こうした事実があるのかをあわせてお伺いさせていただきます。
○白川参考人
お答えいたします。
五月の金融政策決定会合で修正されましたなお書きでは、「資金供給に対する金融機関の応札状況などから資金需要が極めて弱いと判断される場合には、上記目標を下回ることがありうるものとする。」というふうにしておりまして、なお書きの発動条件は明確に定められるということでございます。
実際の金融市場調節運営に当たりましては、この調節方針に従いまして、市場機能への影響にも配慮しながら最大限の資金供給努力を行っております。もとより、金融市場調節は、日々の資金需要の動向など市場の動きを踏まえつつ機動的に実施していくものでございまして、より詳細な基準をあらかじめ示すということは、その性格上困難な面があることは御理解いただければというふうに思います。
こうした金融調節の実施状況につきましては、随時、執行部の方から政策委員会に対して報告をしております。また、毎回の金融政策決定会合では、前回の決定会合後の、現実の、実際の金融市場調節運営につきまして点検した上で次の金融市場調節方針に関する判断を行っておりまして、この点は議事要旨でもその議事の内容を公表しているところでございます。
そうした意味におきまして、政策運営の透明性はしっかりと確保されているというふうに思っております。
なお、当座預金残高の目標割れは、以上のような考え方に従いまして金融市場調節を行っていることの結果として生じたものでございます。したがいまして、残高の目標割れをいわば自作自演しているということは、これはないということでございます。
○田村
今お答えいただいたことにつきまして、事務方がちゃんと透明性を保ってやっているというのは、まあそう答えるだろうなということですので、これ以上あえて申し上げませんけれども。
先ほどから申し上げているような微妙な政策判断について、私も、わかりやすさやガラス張りの透明性がとにかく必要なんだと、そればかりを強調するつもりはもちろんありませんけれども、新しい日銀法のもとで政策の透明性を今まで高めていらっしゃった、さまざまな努力をしていらっしゃったということが国民の日銀への信頼感に大きく寄与しているというふうに私も思っている次第でして、今回のように、こっそり何かをしているというような印象を与えるようなことがないように、正々堂々と政策判断を国民に問うていくという姿勢を今後も御期待したいというふうに思っております。
さて、先ほども申し上げましたけれども、当座預金残高、八月一日、昨日は三十兆円を超えたということであると思いますが、あした以降、三十兆円割れがまた続くのではないかという観測もあります。今後の当座預金残高を占うには、資金供給オペレーションで十分な資金供給が可能かどうかということがキーになるんだと思います。少し以前には、期間の長いオペレーションを行っても札割れが頻発しているという報道を見かけましたけれども、例えば本日の報道では、足元の資金供給オペレーションの応札状況は好調になりつつあるといった内容のものも拝見いたしました。
いずれにしましても、資金供給オペレーションにおける札割れの先行き見通しと、その結果、当座預金残高はどう推移していくのかということについて、日銀の現時点での見通しをお伺いしたいと思います。
また、仮に、今後当座預金残高が下限割れを続ける事態が生じた場合に、なお書きを維持するのかどうか、目標水準の引き下げにより対応するのかが問題となるように思います。なお書きの適用はあくまで、一時的に生じる、そしてしばらくたてば解消可能な下限目標割れを念頭に置いた対応と理解されていると、先ほどの総裁の御説明にもあったかと思いますけれども、今後、下限目標割れが長期にわたるというような事態になった場合に、政策委員会の決定を経ることなく事務方の御判断によって誘導目標の変更が行われることにある意味等しいということにつながるのではないかという懸念を持っております。
こうした配慮から、今後、当座預金残高が下限割れを続けて、当座預金残高目標水準の引き下げを検討せざるを得ないといった事態が生じる可能性があるのかどうか、総裁から御説明をいただければ幸いです。
○福井参考人
資金需給の振れを事前に正確に読み取ることは現実問題としてなかなか難しいわけでありますけれども、我々、過去の経験則も踏まえながら、あるいは当面のさまざまな材料をできる限り集めて、資金過不足の振れを前もってなるべく正確に読むように努力をいたしております。
それによりますと、先月末から明日以降と申しますか目先、この八月の上旬中、国債発行や政府による税揚げ、税金の引き揚げなどがありまして、そういう財政資金の動きに伴う大幅な資金不足の発生が見込まれる時期でございます。このため、今御指摘のとおり、先月二十九日に一日、日銀当座預金残高が二十九兆八千億円、ごくわずか目標値を下回ることになったわけでありますけれども、この先も三十兆から三十五兆円程度という目標値を下回る可能性がないとは言えないという状況でございます。
ただ、資金需給は振れるものでございますし、今委員御指摘のとおり、その日その日のマーケットの中のイールドカーブの状況によって、我々のオペレーションに対する応札の状況も変わってくるという状況でございますので、実際に目標値を下回るのかどうか、また仮に下回った場合にも、それが何日ぐらい続くか、どの程度の期間となるかについては、やはり現時点で明確に予測することはなかなか難しい、日々のマーケットコンディションズとの闘いの中で結果的に決まってくるというふうにしか申し上げられないというふうに思います。
いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたとおり、昨年の秋以降、金融機関の流動性に対する需要は、少なくとも今日までのところ趨勢的に後退してきているという状況でございます。そうした点も含め、今後とも、毎回毎回の金融政策決定会合において、今の我々の市場調節のやり方で本当にいいかどうか、その都度正確に点検して必要な措置は決定していくことになるというふうに思いますけれども、目先に見えております資金不足の大きな波というものは、当面の財政資金の振れによって起こってくるものでございます。したがいまして、仮に下限を割るといたしましても、これが恒常化するということではなくて、比較的短期間のうちにまた目標値の中におさまっていく、これは確率が非常に高いことだというふうに私どもは思っております。
○田村
ともかく、私としましては、早くほかの先進国のように普通の金利というものがある正常な世界に戻していっていただきたいというふうに考えておりますので、総裁にもぜひともそうした方向で御努力をお続けになっていただきますようにお願いを申し上げます。
さて、後半、がらっと話題を変えまして、天下り問題について取り上げさせていただきます。
といいますのも、民主党の特殊法人改革推進本部におきまして、特殊法人の改革の一環として、事務次官の天下り、二十四法人に対する調査追及、そしてそれに連動した各委員会における一斉質問というものを今回のこの通常国会においてしてまいりました。
この財務金融関係ですと、日本銀行というものがその対象となりまして、私がその担当となっておりますので、この機会を活用させていただいて、残りの時間をそのことについて御質問をさせていただきたいと思います。
ちなみに、天下り、さまざまな定義がありますので、その天下りの定義について議論するつもりはもちろんありませんが、広い意味で言う場合には、財務省から日銀に対して、副総裁が元財務省の事務次官、そして、現在ですけれども、六人の理事のお一人に元大蔵省の造幣局長がいらっしゃる、そして、三人の監事のお一人が元大蔵省関東財務局長であるというふうに聞いております。
さて、まさに日銀の独立性を高めるということで議論になって、日銀法を改正されるその前の段階で、金融制度調査会が日本銀行法の改正に関する答申というものを出しました。その理由書にも「予算の公的チェックは、中央銀行の経理の自主性を阻害し、ひいては、中央銀行の金融政策の独立性に悪影響を与えるおそれがあるとの指摘がある。」というふうにはっきりと書いてあります。にもかかわらず、予算について財務省の認可制度としている理由についてお伺いをします。
○小林参考人
日本銀行の予算の認可制度についての御質問でございますが、現在の日本銀行法におきます予算の認可制度の導入の背景につきましては、日本銀行法の改正が行われるときに、中央銀行研究会、あるいは、ただいま委員の方からお話がございました金融制度調査会の議論ということがさまざまな角度から行われております。そういった点を要約してみますと、一つには、日本銀行の経費というものが通貨発行益により賄われている、そういった日本銀行の性格を踏まえますと、経費を公的にチェックすることが必要である、こういうたぐいの議論。それから、もう一つは、このようなチェックのあり方といたしましては、金融政策の独立性あるいは業務運営の自主性というものを阻害しないような十分なセーフティーガードを設けておく必要がある、そういったものを設けた上で政府による認可にかかわらしめる、そういうことが適当である、このように整理されたものと理解しております。
ただいまセーフティーガードということを申し上げましたが、そういったセーフティーガードというものといたしましては、現在の日銀法上では、次のような仕組みが手当てされているというふうに認識しております。
一つには、認可の対象が通貨及び金融の調節に支障を生じない経費に限定されるというような点が一点でございます。それから、もし認可が適当でないと財務大臣が御判断される場合には、財務大臣はその理由を通知、公表しなければならない、また、その際に、日本銀行から財務大臣に対して意見を述べ、または必要に応じてこれを公表することができるという手当てもされております。また、日本銀行法全体の総則におきましても、金融政策の独立性、あるいは業務運営の自主性につきまして、尊重または配慮されなければならない、こういったような規定が現行法には設けられております。
このように、日本銀行法は、経費の公的チェックの必要性と中央銀行の独立性確保という二つの要請にこたえるべく注意深く制度設計がされている、このように理解しております。
○田村
少し聞き逃したかもしれないんですけれども、私はその公的チェックの必要性自体を否定するものでは全くありませんので、まさに予算という事前のチェックというものがどれだけ必要なのかということをお聞きしたつもりだったんですけれども。
今お話にはありませんでしたが、当時の議論の中に、例えば憲法問題もあるという話も、まさに金制調の答申の理由書にも書いてありました。憲法の六十五条で、行政権は内閣に属すると。結局、そういう意味で、日銀の業務も行政権に入るから、広い意味では内閣に属しているから、そうすると、最低限、人事権と予算についてのコントロールというものが必要だ、そういう説があると。その説にある程度従ったのかなというふうに私は印象を受けているんですけれども。ただその一方で、必ずしも予算をコントロールする必要はないんじゃないかと。公的チェックというのは、事前の予算のチェックと、後のまさに決算のチェック、事後的チェックと両方ありますので、やはり、先ほどから申し上げているように、予算の、まさに事前のチェックというものは、ひいては金融政策の独立性を阻害する可能性がある、私も強くその考え方に賛同している立場であります。
私は財務省出身でありますけれども、そういった意味で、まさに日本銀行の独立性をより高めるべきだと。ある意味ではこちらにいらっしゃる皆様を応援する立場から申し上げていることを改めて念を押させていただきますけれども、そういった立場からさらに申し上げますと、例えば、小さな、私自身の話ですけれども、ちょうど私が、日銀法が改正される前、平成三年になりますが、銀行局の総務課に所属になって、当時は銀行局の総務課に日銀係がございました。ちょうど日銀係の係長、ノンキャリアの方ですけれども、その方が視察に行くということで、私は末端係員で随行でついていったわけですけれども、日銀の沖縄支店と福岡支店を視察をさせていただいて、大幹部の方々に係長と係員が大変歓迎をされたということを鮮明に覚えているわけであります。
それとはもちろん時代が変わって、独立性は非常に高まったというのは非常にいい方向だと思いますけれども、予算の金融政策に関係ない部分、それは例えば人件費や一般事務費、そういった部分についてのチェックに限定をするんだ、それが本当にセーフガードになるのかどうかということに私は疑問を感じております。結局、幾ら財務省が予算の中で見る経費というものを一部限定したとしても、まさに人間関係として、日本銀行の幹部の方と財務省の幹部の方との関係を考えた場合に、どうしても影響が出るんじゃないかということだと思います。その点を強く申し上げたい。
そういった意味で、やはり経費は事後的なチェックに一本化すべきだというふうに私は考えています。その中で、事後的チェックはどうなのか。今現在あるのは、外部からのチェックという意味では会計検査院のチェックがあります。ただ、大変残念ながら、今の自民党政権のもとで非常にそういう認識が甘い、会計検査院はほとんど機能していない、悲惨な状況にあると思います。我々民主党は、その会計検査院をいかにしっかりしたものにしていくかということを日々、民主党の案として今プロジェクトチームをつくって検討しているわけですけれども、会計検査院は現在当てにならないという中で、では、内部でのチェック体制はどうなのか。内部での監査体制を強化するということは非常に重要だと思います。
その中で、やはり監事が果たす役割というものは相当大きいと思います。現在、監事は三人いらっしゃいますけれども、二人は日本銀行の出身の方です。そして、もう一人は財務省出身の人です。予算のチェックを財務省がして、財務省出身の監事が何か一体できるのか。普通に考えれば、厳正な監査というのを確保するんであれば、それこそ公認会計士とか民間の人材を登用すべきなんじゃないでしょうか。
○岩田参考人
それでは、お答え申し上げます。
日本銀行の監事につきましては、具体的にはどういう任務を持っておるかといいますと、事業年度の決算に関する監査のほかに、本支店におけます銀行券、有価証券、帳簿等の実地検査、あるいは経費関係、契約のチェック等を実施いたしております。ということで、業務の監査ということも同時に兼ねているわけであります。
日本銀行の監事につきましては、よく御存じのことかと思いますが、日本銀行法のもとにおきましては、内閣により任命される役員であるという規定になっております。日本銀行の業務を監査して、監査の結果に基づいて、必要がある場合には財務大臣、内閣総理大臣または政策委員会に意見を提出することができるというような役割を担っているわけでございます。したがいまして、この監事の任命につきましては、私どもとしてはコメントする立場にはございませんけれども、ただいま申し上げましたような監事の職責を踏まえて、適材適所の原則のもとで任命が政府において行われているものというふうに理解をいたしております。
○田村
持ち時間がなくなりましたのでこれ以上御質問はいたしませんが、大体、人事の話をすると、当然聞かれた側の方は適材適所と言います。ただ、先ほど申し上げたように、財務省出身の方が監事としてふさわしいと、まさに民間人、さまざまな、例えば企業財務をずっと経験していらっしゃった方あるいは公認会計士の方、そういった方よりもより適材であるというふうには私は到底思えないということを一言申し上げたいと思います。
確かに、監事の任命というのは内閣ですので、そこは日銀の立場ではないんですけれども、私も詳しく調べてはおりませんが、恐らく、日銀と財務省で話して監事をこの三人にしようと決めたら、内閣の事務方が、はい、そうですねと。結局、内閣、今の自民党政権が気にするはずがありませんので、そのまま通っているというのが現状だと思います。そういった意味で、結局財務省から日銀への天下りポストの一つととらえられてしまうということなんだろうと思います。年収が千六百万円以上、そして退職金は一千万というような、財務省にとっての大事な天下りポストだと思いますけれども、そういった余り機能していないポストについては今後も厳しく追及をさせていただきます。
どうもありがとうございました。