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2005年10月14日 財務金融委員会

○田村(謙)委員
民主党の田村謙治でございます。
鷲尾議員、鈴木議員に続きまして、銀行法等の一部を改正する法律案につきまして御質問をさせていただきます。
私は、今回の銀行法の改正というのも、いわゆる規制緩和、銀行に対する規制の緩和の大きな一つのステップだというふうに、そういった意味では評価をしている人間でありますけれども、そもそも規制緩和全般として、日本の政府がさまざまな政策において規制緩和におくれをとったということがたくさんあったというふうに私は考えておりまして、そういった観点から、今回のこの代理店制度の見直しというものがどうであったのかということをまず最初にお伺いさせていただきたいというふうに思います。
今回のこの銀行代理店への参入の規制緩和でございますけれども、今のタイミングで緩和をするというタイミングがどうだったのかということを考えてみたいわけですが、まず最初に、業界の方から規制緩和要望というのはいつごろから出ていたのかというのを教えてください。
新しい制度として規制をかけるということでありますけれども、そういった一定の評価ができる新しい制度、今までのケースにおいては、大方の方が、国民もあるいは野党も評価をするような制度を一たん導入すると、大体それでよかったと、政府も大体自己満足に終わるというのが通例でございます。さまざまなケースにおいてまさにタイミングというものが非常に重要なんだろうというのは、私の前回の質問のときも別の件で指摘をさせていただいたところでございますけれども、今回の共済についての新しい制度の導入というのは、まさにそのタイミングが非常に時宜を得たものであるのかどうかというのを今最初に考えてみたいのですけれども、そもそも無認可共済の問題というのは、いつごろから政府、金融庁としては御認識をなさって、そしてまた内部で議論をしていらっしゃったのでしょうか。

○三國谷政府参考人
お答え申し上げます。
銀行業界等からの要望でございますが、平成十三年九月に、銀行が代理店業務を行うことの解禁の要望が出されております。このほか、平成十四年九月以降、銀行代理店が法人代理店である場合の一〇〇%出資規制の緩和、撤廃の要望が出されてきているところでございます。

○田村(謙)委員
平成十三年といいますと四年程度前になるわけですけれども、結局、そういう要望があって、今回それがようやく実現をするということになるわけですが、要望があってから今までそういう規制の緩和をしてこなかった理由というものを教えてください。

○伊藤国務大臣
規制緩和をしてこなかった理由についてお尋ねがあったわけでありますが、私どもとしては、そうした規制緩和の要望を踏まえて、まず平成十四年に銀行や長期信用銀行について金融機関代理店や代理店の支店設置を解禁いたしました。そして、平成十六年には証券会社や保険会社を金融機関代理店の範囲に追加するなど、これまでも規制緩和を行ってきたところでございます。
銀行代理店への一般事業会社の参入につきましては、代理店業務の健全かつ適切な運営が確保できるか、利用者利便の向上に資するかどうかについてこれまで慎重に検討を行ってきたところでございます。

○田村(謙)委員
段階を踏んでというのは規制緩和においては確かに一般論としていろいろ必要な部分もあるというふうには思いますけれども、今回のこの代理店業務、今おっしゃったのは、一般事業会社が健全かつ適切な運営をできるかということに慎重な御検討をなさって、それが三年、四年かかったということのように聞こえますけれども、この後の議論でも幾つか具体的には指摘したいと思いますが、今後、より具体的に、慎重に検討するというのは、政府の方でさまざまな規制について慎重に検討して結局緩和をしない、規制をそのまま残すという口実でよく使われているわけでありまして、恐らくこの数年間、この規制については慎重に検討しますというのを口実に今まで引き延ばしてきたというふうにも聞こえなくはないんですけれども、この数年間一体どういったことを検討して、どうしてそれだけの期間がかかるということになるんでしょうか。

○伊藤国務大臣
なぜ今のタイミングになったのかと。恐らく委員は、行政の中でも活躍をされてこられましたから、そうした観点からも御質問があったのではないかというふうに思いますが。
銀行の代理店は、適切な業務運営がなされない場合には決済システムに問題が生じたり、あるいは、先ほども御議論がございましたが、利用者保護上の問題が生じるおそれがございます。したがって、先ほど述べさせていただいたように、代理店業務の健全かつ適切な運営が確保できるかどうか、利用者利便の向上に資するかどうかについて慎重に検討を行ってきたところでございます。
今般、銀行代理店制度について、許可制やあるいは兼業承認制を導入するとともに、抱き合わせ販売や情実融資の禁止等の弊害防止措置を講じることにより銀行代理業の健全かつ適切な業務運営が確保できるとの結論に至ったほか、平成十六年以降、証券仲介業制度や信託契約代理店制度の創設による他の金融業態における代理仲介業務の一般事業会社への解禁という流れも踏まえて、今国会にこの法案を提出させていただいて、御審議をお願いさせていただいているところでございます。

○田村(謙)委員
結局、先ほどから大臣がおっしゃっている、適切な業務運営が確保されるということと利用者利便についての検討だということで、それ以上のことはお答えいただいていないと思うんですけれども。
金融庁の方からいただいた資料にも、利用者利便の向上というのは、ある意味、販売チャンネルの拡大ですとか、多様な金融サービスの提供ですとか、それこそ、先ほど鈴木議員からも話があったように、海外の事例についていろいろと研究はなさっていると。そういった中で、実際、海外ではもうとっくにそういう制度があるわけですから、さまざまな利便性が向上しているというのはある意味明らかな話であって、それを検討するというのが私にはよく理解できないというのがまず一点。
それから、適切な業務運営の確保、どのような条件を課すのかというのは、いろいろな意見があって、確かに整理をするのに、日本の金融行政について実際どういう規制に絞っていくのかというのはある程度の時間がかかるのはわからなくはないんですけれども、この金融庁からいただいた資料にあるように、現行は、現在は銀行の一〇〇%子会社あるいは専業の人、そうすると、実際上は銀行のOBとかそういった個人しか認められないような話を聞いていますけれども、そういった者しか認められない、それが非常に高コストで、硬直的で、預金等の限られたサービスとなってしまう。そういう非常にデメリットがあるというのは金融庁の方から御説明をいただいたわけですけれども、まさにそういったデメリットというのはずっと続いてきたということだと思うんですね。
それは、仮に要望が出てからでもいいと思いますけれども、ただ、今回の制度については海外には例があるわけですので、要望が業界から出る前から、ある意味で先手を打って考えてもおかしくはないような話なのかもしれないと私は思いますが、まさにそういった現行制度のデメリットがあるというのは、恐らく金融庁の人はずっと認識をしていらっしゃったんだと思うんですけれども、そういった中で、その検討を、検討に何でそれだけかかるのか私はわかりませんが、慎重に検討をしていくという理由のもとに、結局、私から見ると、数年というものを無為に過ごしてしまったんじゃないか、もっとより早く今回のこの参入規制の緩和というのは実施した方がよかったんじゃないかというふうに私は思うんですね。
それこそ金融審議会で二月二日に論点整理というのを発表なさっていますね。金融審議会での議論で専門家の委員の方がいろいろおっしゃって、それをまとめたということでありますけれども、そちらでも「金融機関の創意工夫による戦略的な店舗展開の障害となっている。」と。それは、ことしの二月、ことしか去年指摘されたことというのは、障害というのは今までずっとあったという指摘だと思います。
あるいは、海外はどうかということについて、アメリカではまさに過去二十年間、バブルの崩壊はアメリカの方が十年早いですから、その後、金融危機があって、それも八〇年代にあって、その後、アメリカがどうだったかというのは、日本において金融庁も、金融庁に限りませんけれども、アメリカの事例というのはいろいろ参考にしていらっしゃると思いますが、そのアメリカにおいては銀行の数自体は減少している、そういういろいろ厳しい競争の中でアウトソーシングとかそういったことをどんどん進めている事例というのがまさに目の前にあった。私は大蔵省時代には大学に留学させていただきましたので、当時、金融については勉強はしませんでしたけれども、それこそ在ワシントン大使館ですとかあるいは領事館に金融庁や当時の大蔵省の職員を何人も出向させて、金融の事情というのはもうずっとウオッチをしていらっしゃるわけですよね。ですから、現行のこの代理店の規制というのが弊害を持っている、弊害を実際起こしているということは十分に今までも認識できたことだと思うんですけれども、それでもやはり、仮に百歩譲って業界の要望が出てからの検討でもいいですよ、それでもやはり四年ぐらいかかってしまうものなんですか。

○伊藤国務大臣
今、規制緩和の重要性を指摘しながら、私ども金融庁としての取り組みのスピードが遅いと、大変厳しい御指摘をいただいたところでございます。
ただ、きょうの委員会を見ていただいてもわかるように、委員の御質問の前の二人の委員からも、今回の銀行代理店制度の見直しによって本当に利便性が向上していくのかどうか、そうした御質問も出ているところでございますし、また、海外の事例も参考にしながら本当に利用者の保護やあるいは適切な業務運営が確保できるような制度設計がなされているのか、こういった御質問や御指摘が出ているところでございます。私どもも、そうした指摘も踏まえながら検討作業を進めさせていただいて、そして今国会に提出をさせていただいたところでございます。
規制緩和の重要性というのは私自身も十分認識をしているつもりでございますし、また、提案理由の説明の中でも述べさせていただいたように、今回の制度は利用者利便の向上にもつながり、そして銀行の経営の効率化にもつながる大変重要な制度設計である、規制緩和であるというふうに考えておりますので、委員のおしかりというものはしっかり受けとめながらも、この議論を通じて、そして今回の規制緩和が間違いなく所期の目的が達成できるような、そういう運用というものをしっかりやっていかなければいけないということを考えているところでございます。

○田村(謙)委員
確かに、私の前の二人の議員は、実際、顧客に対してさまざまな被害が生じるんじゃないか、あるいは、ほかの金融機関について、地域金融について悪影響があるんじゃないか、そういった懸念についての質問などもありましたので、そこは大臣がおっしゃるのも当然わかるんですけれども。
ただ、結局どこの国でもそうかもしれませんが、特に金融システムが非常におくれてしまっている。それで、今、キャッチアップするために、大臣を筆頭にして職員の皆様が、本当に一生懸命、それこそ睡眠を削って頑張っていらっしゃるのは私もよく認識をしているわけでありますけれども、一般の日本人というのは、例えば海外旅行をして、それこそアメリカには為替業者がたくさんあるなと感じることはあっても、実際に住むことがなければ日本の金融制度がどれぐらいおくれているかというのは当然わからないですよね。
大手の銀行というのは都心にしかなくて山奥にはない、山奥には郵便局がある、だから何とかなっている。それが、実際は、ほかの国では代理店制度を利用して、あるいは代理店よりもっと緩い制度もあるようですけれども、利用して、一つの銀行が、本当に、それこそアメリカですとバンク・オブ・アメリカが全国で四千拠点ですか、それもいろいろな形態があるようですが、四千カ所も拠点がある。そういったところは一般の人はわからないですよね。
そこは、今ようやく強調していらっしゃるこの利用者の利便性を真っ先に国民の皆さんに教えてあげる、訴えていくというのが、やはり政府の役目なんじゃないか。特に金融のような専門的な話というのは一般の人はわからないのは当然ですので。どこまで利便性が追求できるのか、そういう観点というのはなくて当然ですよね。とにかく、銀行がつぶれたら自分の貯金がどうなるかわからない、それはだれもが心配することですから、それについて対応を一生懸命やっていらっしゃるというのは、もちろん金融庁の皆様も本当に日々大変だと思いますけれども。
その一方で、制度を変えていって規制緩和をして利便性を高めていく。そのことを、顧客についてのいろいろ懸念があるというのは確かに議員が質問していますけれども、私自身もそんな専門家ではありませんが、議員にしたってそれほど金融の専門家であるわけじゃありませんから、海外がどうかとかわからない話ですよね。そこはぜひとも、いろいろな御事情はわかりますけれども、顧客の利便性の向上という観点を今ようやく強調する、恐らくそれは去年、おととしであれば、現行制度について高コストとか硬直的とかそういうことは一切言わずに、まさにさまざまな懸念がある、代理店が適切な業務運営ができるかわからないというあいまいな言葉で規制を引き延ばしてきたんだろう。そういう側面は大なり小なりあるだろうというふうに私は考えている次第であります。その点はぜひ政府としても、いろいろ不良債権処理ですとか後ろ向きな業務も多い中で、ただ、最近はだんだん減ってきているはずですから、より前向きに規制緩和というか新しい制度の導入、先ほど大臣がお話しになりました投資サービス法もその最大の課題だと思いますけれども、そういう前向きな課題にぜひともより積極的に取り組んでいただきたいということを改めてお願いをする次第であります。
さて、次の質問なのでありますけれども、今回の制度で銀行代理店について許可制とするというふうにお考えのようでありますけれども、その理由についてお伺いをさせていただきます。

○伊藤国務大臣
利用者利便の向上やあるいは規制改革にしっかり取り組んでいけ、前向きな仕事をしっかりやっていけ、その委員のお言葉は私自身しっかり受けとめていきたい、そうした問題意識の中で行政に取り組んで、活力ある金融システムというものを、利用者の満足度の高い金融システムというものをつくり上げていくために努力をしていきたいというふうに思います。
今委員からは、銀行代理店について許可制を導入した理由についてのお尋ねがございました。これも先ほどのお答えと重なるところがございますが、銀行代理店は決済や貸し付けなどを業務とすることから、適切な業務運営がなされない場合には決済システムに問題が生じたり、利用者保護上問題が生じるおそれもあるわけであります。今回、幅広い一般事業者の銀行代理業への参入を認めるに当たって、銀行の健全性確保やあるいは利用者保護の観点から、業務遂行能力、そして社会的信用、銀行業以外の他業の兼営が代理業に支障を及ぼすおそれ等をチェックする必要があることから参入時の許可制を導入することといたしたところでございます。

○田村(謙)委員
一応、今の一通りの御説明はお聞きをしましたけれども、それでは、ほかの国では、確かに全く同じような代理店制度ではないようですのでそのまま比較できるかどうかわかりませんけれども、ほかの国ではどうなっているか、諸外国でどうなっているかというのを教えてください。

○三國谷政府参考人
これも欧米主要国の場合でございますが、一部アメリカにおきまして許認可を必要とする事例がございます。例えば一つは、米国において銀行サービス会社というのがございますが、これが実質的に銀行の支店と判断されるような場合には認可が必要となる。あるいは、米国には送金業者というのがございますが、これにつきましては、州により免許制をとっているようなケースがございます。
ただ、それ以外につきましては、基本的には参入に当たっての当局の許認可というものは不要であると承知しております。

○田村(謙)委員
今、許可制が海外でも一部、若干アメリカであるという話でありましたけれども、銀行サービス会社というのはいわゆる代理店よりもはるかに権限があるというふうな会社でありますので、ある意味では子会社並びのような形で、許可制になるのは当然だと思いますけれども、日本で今回イメージをしている代理店についてほとんどほかの国では許可制にしていない。
先ほど大臣がおっしゃった許可制にする理由というのは、ほかの国においてもかなり当てはまる部分はあると思うんですけれども、ただ、それは結局許可制にしなくても担保されているということなんじゃないか。先ほど諸外国において顧客がどのような被害をこうむったかという鈴木議員に対する三國谷局長の御回答で、たまに預金の横領があるという事例はあるけれども基本的にはほとんど問題はないと聞いているというふうに御答弁なさったと思います。確かに完全にわからない被害というのはあるかもしれませんが、基本的には、先ほど大臣がおっしゃった許可制にするための理由というのは、許可制がなくてもほかの国は担保されているんじゃないかというふうに思うんですね。
そもそも、銀行が代理店、ある者を選んで、それは個人であっても、あるいは法人であっても、会社であっても、とにかく代理店に委託をする、代理店にするという場合には、当然銀行が審査をするわけですよね。今回、金融庁さんの方で法令に落としたさまざまな条件というのは、当然銀行でもそういう視点から審査をするというふうに思うわけですが、その上でさらに金融庁さんが、許可に当たっては当然金融庁さんの中で審査をするということになると思うんですけれども、なぜ金融庁さんが重ねて審査をしなければいけないんでしょうか。要は、ほかの国においては、銀行がしっかりと審査をしてほとんど問題なくできているということなんじゃないでしょうか。

○伊藤国務大臣
先ほど局長から他の諸外国の例について御答弁をさせていただいたところでございますけれども、他の国が日本と全く同じ制度ではございませんが、これも鈴木委員の言葉を引用して大変恐縮でございますけれども、規制緩和をしていくに当たっては一方で利用者の方々の保護のためのセーフティーネットというものをしっかりしていくということは非常に重要でありますし、先ほど四点から御指摘をされて、私もお伺いをしていて、非常に重要な御指摘をされておりますし、私どもが今回制度設計をしてその議論をしていくに当たっての重要なポイントをその中でも御指摘をされているなという感じがいたしました。
重ねてになりますけれども、今回の場合には代理店制度の担い手を拡大していくわけであります。したがって、参入していくに当たって、利用者保護でありますとかあるいは健全な業務の運営を確保していくためには、やはりしっかりとしたチェックをしていく仕組み、体制というものを設けていかなければいけない。その中の重要な設計の一つとして、参入時において許可制というものを導入させていただいたということでございます。これは、諸外国の例も検討しながら、国内的にもいろいろな議論を積み重ねながら、こうした判断をさせていただいて、今回の法案を提案させていただいているということでございます。

○田村(謙)委員
今のお答えについてまた議論を続けたいと思いますけれども、それに当たって、先ほど前の議員に対する御答弁で、今回、この代理店制度を導入するに当たって財務局と金融庁の方で機構定員要求をしていらっしゃるというお話が、増員ですか、増員をするという話があったと思いますが、五名と二十名で計二十五名というお話だったと思うんですけれども、その二十五名の方というのは、許可に当たっての審査、いわば許可と、あと事後的な検査監督、両方を担当するという理解でよろしいんでしょうか。

○三國谷政府参考人
お答え申し上げます。
二十五名でございますが、うち五名は金融庁において全体を指導、財務局等を指導する立場という意味での増員要求でございます。二十名につきましては、検査と監督をあわせまして、おおむね各局二名程度ということで確保したいと考えているところでございます。

○田村(謙)委員
結局、全国で二十名ということだと思うんですけれども。
許可をするということは、それだけ当然許可をする金融庁としての責任が生じるわけでして、許可をした者がまさにちゃんと業務を適切に行っているかというチェックをすると。裏表という意味で、そこは許可をするのであれば当然しっかりと検査監督をしなければいけない。相当の金融庁の責任というものが生じるというか、より増すというふうに私は思うんですけれども。その中で検査監督というのを全国で二十名。
先ほど、前の委員の議論の中で、どれだけ代理店というものがふえるかというのは、当然この制度を導入してみなければわからないという部分はあるのはわかりますけれども、私が当局の人にちらっと聞いたのは、少なくとも数百件とか。それが五百なのか六百なのか、あるいは千を超えるのか。いずれにしても、そういった非常に大きい数の代理店がふえていくわけですよね。それを二十人でちゃんとチェックできるとは私は余り思えないなというところもあります。ただ、もちろん、当然、検査監督の権限は持っているべきだと私も思っているんですけれども。
先ほどの話に戻りますが、許可制を行っていくと、幾つかの許可要件というのを出していらっしゃいますけれども、それぞれについて審査を行う、それを少ない人員で審査を行うとなると、私が懸念をしているのは許可自体に非常に時間がかかってしまうんじゃないかと。あるいは、それがひいては銀行の店舗拡大戦略に支障を来すようなおそれがあったりするんじゃないかという懸念を私は持つんですね。
金融当局が許可をする。確かに、今回の代理店制度について懸念を持っている一般の人が、何となく、金融庁が見てくれるんだ、より安心だなというふうに思う。それのための対策だというのはわからなくはないんですけれども、繰り返しになりますが、当然、各銀行が自分の代理店としてその者を選ぶわけですよね。そのときに、そもそも許可要件に当たるような財産的基礎を有しないような人は選ばないでしょうし、あるいは代理業の適切確実な遂行につき支障を及ぼすおそれがある者を銀行自体が選びたくないと当然思っているわけですよね。銀行が自分の代理店について審査をする、その上でさらに許可制にするというのは、銀行の審査能力はまだまだ足りないんだ、信用できない、そこは金融庁が許可制にして金融庁が審査をする、そうしないと、そこはしっかりした代理店じゃない、まさに利用者に被害を及ぼすような人が代理店に選ばれる可能性や危険性がある、そういう発想だからこそ許可制にしているのかなというふうに勘ぐってしまうんですけれども。
繰り返しで恐縮ですが、要は銀行でも審査をしますよね、さらに金融庁で許可制のために審査をする、それは何か違う観点があるんですか。

○伊藤国務大臣
委員からは、行き過ぎた規制を行ってはいけない、そうした観点から御質問をいただいているというふうに思いますが、今回、銀行が銀行代理店を選定する際には、代理行為の効果は銀行本体に帰属をすること、そして、銀行本体は代理業務により顧客に生じた損害について直接賠償する責務を負うこと、こうしたことから例えば業務遂行が適切にできないおそれのある者などはあらかじめ排除することが期待をされているところでございますし、また、委員からもその点について御指摘があったというふうに思います。
しかしながら、重ねての答弁になりますが、銀行代理店は決済や貸し付けなどを業務とすることから、適切な業務運営というものがなされない場合には決済システムに問題が生じたり、あるいは利用者保護上の問題を生ずるおそれがあるわけであります。こうした銀行業務の特殊性にかんがみ、幅広い一般事業者の銀行代理業への参入を認めるに当たっては、業務遂行能力、社会的信用、銀行業以外の他業の兼営が代理業に支障を及ぼすおそれ等をチェックする必要があることから参入時の許可制を導入することといたしたところでございます。

○田村(謙)委員
私の質問にちゃんと正面からお答えいただけないというのは、お立場からしようがないのかなと思いますけれども、結局、私は、繰り返してもうこれ以上質問はしませんが、今のお答えを聞いても、銀行ではまさに自分自身の決済システムをちゃんと安全に保つ、そういった観点から代理店を選別をする、そういう選別をする審査能力がまだ足りないんだ、だからこそ金融庁でさらにダブルチェックをかけるんだというふうにお答えをいただいたような気がしてなりません。
確かに、今まで不良債権があれだけ積み上がって倒れそうになった、実際に国有化された銀行もたくさんあった、銀行自体に経営能力がなかった例は特に最近幾つもありますので、そこを金融庁がしっかり見なきゃいけないという発想はわからなくはないんですけれども。ただ、ようやくその不良債権の処理もめどがついてきたというように私は私なりの理解をしていますが、そういった中でより積極的に前向きに業務展開をしていく銀行というのは当然出てくるわけですよね。そういう銀行にできるだけ支障がないように制度設計をするということは、私は非常に大事なことなんじゃないかなというふうに思います。そういった意味では、銀行の自己責任というのはより問われていいんだろうと。 私も、代理店に対して検査監督を金融庁がなさる、それはそれでいいと思います。ただ、やはり人員的にも、そもそも非常に限界があるだろうと思うんですね、現実的に。先ほど鈴木議員の話もありました、今回の代理店への参入規制の撤廃に限らず、まさに金融の競争は非常に激しくなって、地域金融でも経営が危ういのではないかと言われている金融機関も幾つかあると聞いていますし、ますます競争が激化すれば、より経営が危うくなってくる機関も出てくる可能性もありますよね。金融庁として、限られた人員の中でどういったところにより重点的に検査をしていくか。もちろん日ごろそうしていらっしゃると思いますけれども、この代理店、私は、今までのあるいは今の議論の金融庁の御説明の中で、代理店をとりあえず銀行が選んだ、代理店の中には確かによくないものもまじると思いますよ、でも、そんなに大きな被害にはならないだろうと。そこがまさに決済システムまで行くとは私は到底思えないですね。
そういった中で、そういった細かい代理店も全部金融庁が見ますというよりも、そこはやはり、これからまさに、地域金融だけじゃないですけれども、例えば地域金融がまだまだ危ない、これからこういった制度も導入されるとますます危なくなるのであれば、そっちの方により人員を投入すべきであって、あれもこれも一生懸命許可制にして責任とりますよといっても、到底それはある意味金融庁の能力を超えるんじゃないかというふうに思いますし、バブルの崩壊から立ち直って、さあこれからいよいよ積極的に展開していこうという金融機関については、やはり積極展開を阻害する要因になるんじゃないかと。
そもそも金融行政についても、事前の裁量行政、さかのぼれば護送船団方式になると思いますけれども、そういった裁量行政から事後監督にだんだん移ってきているわけですよね。私の場合には、平成三年に大蔵省の銀行局に入局をして、当時は護送船団方式の最後のころで、護送船団方式を守らなければ日本の銀行というのは大変なことになる、とにかく護送船団方式を守るのが第一なんだと、私は不勉強ながら海外を見ておかしいなと思いましたけれども、そういったところがかなり過剰なトラウマになっているかもしれないというのはあります。許可制にしたからといって金融庁が裁量行政でいろいろ厳しくするというふうには、当時とは違うとは思いますけれども、そもそも許可制にする意義というのは私はいまだにわからないというところがありますが、ただ、実際にこの制度を導入するに当たって、許可制になるわけでしょうから、その際にはできるだけ銀行の自己責任という観点から、例えば銀行の積極的な店舗展開とか、そういったものに支障がないように迅速に許可事務を行うといったことを、この点についてはお願いをさせていただきたいというふうに思います。

○伊藤国務大臣
非常に重要な御指摘をいただいたというふうに思いますし、やはり行き過ぎた規制を課してはいけない。そのことは、委員が少し触れられたように、金融行政がまた裁量を持ちたいがためにやっているんだ、そう思われたら、私どもがなぜこの代理店制度の見直しをやっていくかという思いとは全く反することになってしまいますので、過剰なコストを金融機関の方々に課すのではなくて、今委員が御指摘があった視点からこの許可に当たっての審査というものも迅速に努めていかなければなりませんし、また、許可に当たっての基準というものも明確にしていかなければならないというふうに考えているところでございます。
今回の制度設計に当たっては、重ねてになりますけれども、委員のような御議論と、そして一方でやはり被害が生じることを最小限に抑えていかなければいけない、投資家保護の観点からも利用者保護の観点からも健全な業務の確保の観点からも、一般事業者に銀行代理店の担い手を拡大するのであれば、やはりしっかりとしたチェック体制というものを整えていく必要がある、そうした御指摘も数々あったところでございます。そうした御議論を踏まえた上で今回の許可制というものを導入させていただいたところでございますが、重ねてになりますけれども、委員の問題意識というものもしっかり受けとめながら、今後の行政の取り組みに当たっていきたいというふうに思います。

○田村(謙)委員
先ほどの議論の蒸し返しかもしれませんけれども、今大臣がおっしゃったように、確かに、利用者の保護、そういった観点を強く認識する、そういった意見がたくさんあるというのは私ももちろんわかりますよ。ですけれども、例えば、また繰り返しになってしまいますが、海外でも問題ないわけですよね。ここでもし仮に議論を深めようとするのであれば、海外においてはほとんど問題はない、利用者がそんな被害をこうむったという例はこの代理店制度の規制緩和においては特に見当たらない。例えばそういうことを言えば、私はかなりの人が理解するんじゃないかなという気もするんですね。
そこで、日本の特殊性が何かある、日本は海外とここが違うから今回の代理店の規制緩和というのは危険なんだ、利用者にとってもリスクがある、何かそういうような議論があるのであればまた別だとは思いますが、一般の人が、利用者保護を、とにかく気をつけてくれというのは当たり前のことですから、金融について、とにかく利用者のお金の話なのでそれは当然だと思いますけれども、ただそういった意見が出されるから、それで金融庁が許可制という責任を負ってというのが本当にいいのかなというのは、私はやはり疑問に思うところがあります。
もう少し細かく聞いてみますと、許可要件というのをお示ししていらっしゃいますけれども、例えば銀行代理店業務を的確、公正、効率的に遂行するために必要な知識経験を有する者を配置しという条件はもっともだと思います。その中で、預金、為替を扱う場合には委託元銀行による各種研修歴等を有する者が配置されるとともにというふうにありますけれども、これだけを見ると、各種の研修を受けていない人は一切だめなような、もちろん最後にこの各種研修歴等を有する者というふうに等と入れていますから、そこはもうちょっと広く見る余地をこの等でつけているんだと思いますけれども、ただ、こういうふうにちゃんと書いてしまうと、とにかく銀行は研修を必ず受けさせなきゃいけない、本来その研修は必要がないような十分な知識がある者についても、形だけでも研修をやらなきゃいけないというような審査基準になってしまうんじゃないかなという懸念を持つんですね。
あるいは、貸し付けを扱う場合には金融機関における数年間の勤務経験等を有する者が配置されるとともに委託元銀行によって十分な審査体制が構築されていることと書いてありますけれども、貸し付けを扱う場合には金融機関に数年間勤務経験がなければいけない、もちろんそれは安心、安全だと思いますよ、ですけれども、後はここはどこまで厳しくチェックをするのかわかりませんが、例えばそれこそ銀行の審査部門にいた経験が数年間あるとかいうのだったら一番厳しくてわかりやすいと思いますけれども、銀行にいたからといってその個人が十分な経験を有しているとは限りませんし、その一方で、金融機関で働いていなくても、そういうさまざまな貸付先についてその企業の経営状況を判断できる人というのはいろいろいると思うんですよ。
このように、例えば、今、研修をとにかく受けろ、あるいは銀行の経験がなきゃ、銀行のOBじゃなきゃだめだというのは、それ自体が非常に厳しい縛りになってしまっているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そこはいかがでしょうか。

○伊藤国務大臣
ここも両面議論があるところでありまして、前のお二人の議論を持ち出すまでもありませんけれども、やはり一方でそこをしっかり見なきゃいけないという御指摘もあるわけであります。
私どもといたしましては、銀行代理の内容がどういうものか、そのことによって問われる遂行能力のレベルというものは変わってくるというふうに思っておりますので、個々の内容に従った形で適切な人的構成等の遂行能力のチェックをしていきたいと考えております。

○田村(謙)委員
結局、あらゆるところは両面の議論に当然なるわけですけれども、私は、そこまで具体的な基準を設ける必要はないんじゃないかなと個人的には思います。まさに銀行代理店業務を的確、公正、効率的に遂行するために必要な知識経験を有する、それだけで十分な条件じゃないかな。それ以上にさらに研修をやれとか、あるいは金融機関の経験が必要だと。確かに、代理店を個人に委託する場合、今までは銀行のOBだけで、今後も銀行のOB以外にはそんなにいないかもしれませんけれども、同じぐらいの知識経験がある人というのはほかにも当然あると思うんですね、最後はこの等で読むということかもしれませんけれども、結局は許可制にして、ある意味では参入障壁を高くして、とにかく絶対に信用ができる、間違いなく知識経験を有する安全な人しか許可しないというようなハードルにも見えなくはないなというふうに私は思います。
重ねてになりますけれども、そこはやはり銀行の自己責任という観点からも、もちろん自己責任というのは銀行がしっかり審査をしろ、あるいは銀行がしっかりと審査をする体制を組んでいるかというのを金融庁さんがしっかりと見る、そういったことは大変必要だと思いますけれども、その上で、銀行にできるだけ判断をゆだねて、万が一何か利益相反行為をする者とか違反行為を行うような者が出てきた場合には、それは銀行の責任、一種の銀行の信用問題になるわけですよね。あるいは、金融庁はその銀行自体に対していろいろな業務改善命令を初めとするさまざまな処分ができる、私はまさにそういう事後チェック型に徹底した方がいいんじゃないかなと、今回の件については個人的には考えているところであります。
時間がなくなってしまいましたので、もうこれ以上議論はしませんけれども、例えば兼業規制の承認についても、その兼業規制の承認基準で兼業の収支の見込みが良好なものであることと。兼業する業務の収支についてまで金融庁がチェックをするということになると思いますけれども、そこはまさに銀行が見る話であって、代理店の許可やあるいは兼業の承認、そういったところに金融庁がある意味中途半端にかかわるよりは、私は、銀行の自己責任というのをより強調して、限られた金融庁の検査監督部局の人員というのはより重要なものにしっかりと集中をするというような、めり張りというものも必要なんじゃないかなという個人的な意見を申し上げさせていただきます。
あともう一点。済みません、言い忘れました。結局、金融庁がそういった許可制や承認制で責任をとるというのは、ある意味、金融機関からすれば、最後は銀行の許可があるんだから、とりあえずこっちの審査は甘くてもいいじゃないかという甘えにつながる可能性もあるわけですよね。今までの、過去の話になりましたけれども、過去の大蔵省銀行局のそういう過保護な行政というものが金融機関側の甘えを生んだ、そういった歴史もあるわけですので、そこは金融機関の自己責任の意識をより高めるという意味でもどうなのかなという懸念を、私自身の考えを述べさせていただいて、質問を終わりにいたします。
済みません、最後に一言だけお願いします。

○伊藤国務大臣
今の御議論は、やはりバランスをしっかりとるということだと思います。この議論はやはり両面がございますし、行政が行き過ぎた規制をかけてはいけない、そうした中で銀行の自己責任というものをやはり尊重していかなければ銀行の健全な発展もない、そのことは十分認識をしながら今回の運営をしていかなければいけないというふうに考えております。

○田村(謙)委員
どうもありがとうございました。

 

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