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2006年03月08日 財務金融委員会

○田村(謙)委員
民主党の田村謙治でございます。大臣も大変お疲れだと思いますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。
私は、おととしの十一月に繰り上げ当選をして、ちょうど一年前の関税法の改正で、この財務金融委員会で質問させていただいたのが初めての質問でございました。そういった意味でも大変感慨深いものが個人的にございます。一時間二十五分という限られた時間ではございますけれども、できる限りさまざまな建設的な議論をさせていただければと思っております。
まず最初に、今回の法改正に関連する事項から先に若干取り上げさせていただきたいと思います。
水際の取り締まりの充実及び強化、そういう項目の中で、今回、輸出規制というものを導入するというお話がありますけれども、それについて、具体的に税関の業務が一体どのように変わるんだろうかと。
私が、危惧というか気になりますのは、実際、それによって業務量が非常にふえたりすると、規制が幾ら導入されても、結局形だけで終わるんじゃないかという懸念を持つんですけれども、その点に関してはいかがでございますでしょうか。

○竹内政府参考人
お答えいたします。
今般の御提案しております関税法改正におきましては、輸出してならない貨物についての規定を新設しておるところでございます。これは、知的財産立国の実現を目指しまして、官民挙げて模倣品、海賊版対策等を講じておりまして、輸出、通過貨物に対する取り締まりの要請も高まってきていること、また、貿易秩序の維持、セキュリティー対策と、国際物流の高度化に対応した物流の円滑化の両立が求められておりまして、輸出貨物の水際取り締まりの重要性が増していること、これらを踏まえたものとして行おうとしているものでございます。
もちろん、このような規定を新設することにより、税関は、関税法の規定に基づく直接的な調査を行うことが可能となりまして、より効果的な取り締まりを行うことが可能になると考えておるところでございます。
今回、輸出してはならない貨物として規定した物品がどれぐらい輸出されようとするかは、現時点で必ずしも明らかではございませんが、いずれにいたしましても、輸出貨物の取り締まりに当たっては、効果的、効率的な業務運営にぜひ努めることとしたいと存じます。

○田村(謙)委員
効果的、効率的に業務運営ができるように努めるのはどこの組織でも当たり前のことですので、まさに業務量自体が変わるということになれば、結局、人員は変わらないのであれば一人当たりの量がふえる。別に変わらないのであれば、それは一人当たり今までどおりの業務量だということになると思うんですけれども、それは必ずしもわからないというのは、そんないいかげんでいいんですか。

○竹内政府参考人
輸出してはならない貨物を規定したということでございまして、ここに挙がっている貨物というのが、申し上げますと、麻薬類とか児童ポルノとか特許権侵害物資とかそういうものでございまして、いわゆる社会悪物品とかそういうものでございまして、これがどれぐらいあるのかということは、なかなか数量的には把握しがたいものであろうかと思っておるところでございます。
ただ、したがいまして、私どもとしては、いかに業務を効率的、効果的に行うかということによりまして、例えば、ことしの七月に税関の組織編成がえも行うとか、いろいろな工夫も施しながら、限られた人員の中で新しくできた仕事に対して対応していきたいと考えている所存でございます。

○田村(謙)委員
当然、いわゆる社会悪物品と言われるものがどれだけの量があるかというのは把握できるはずがないわけですけれども、ただ、実際に職員がどういう、それこそ今回、特に最近新しい話ですと、知的財産のものに関してどれだけの仕事をするのかとか、それはよりさらに時間をかけなきゃいけないのかとか、そこら辺はやりながら考えるということなのかなと理解いたします。
私は、これから、きょうの議論、さまざまな議論において何度も申し上げますけれども、基本的に、人員なども非常に限られている、そういう中で、まさに日本の国益が何かというのがやはり第一だろうと。それを考えた場合、やはりそこは国内の治安ということですので、単純に輸出、輸入と分けるのは、これはできない部分は多々ありますけれども、非常に限られたリソースの中では、取り締まり強化という場合に、基本的には輸入の取り締まりをより強化すべきだという考え方を持っております。
輸出に関しても、もちろん規定を整備するというのは当然やるべきだったと思いますし、それはいろいろな意味で、牽制効果も含めていいことだと思いますけれども、ただ、やはり、より業務量がそれによってふえる、何となくふえてしまってということになっても、もちろん、他国の治安、安全というものも、それはお互いに各国の協力ですから、大事ではありますけれども、ただ、やはり、そこは国内、それぞれの国が自国の国益を第一に考えている。
アメリカに限らず、ほぼ先進国、多くの国は、それこそ輸入の取り締まりを中心として、自国に社会悪物品が入らないようにするというのを第一に考えているということがありますので、やはりそういった観点からも、もちろん輸入も輸出も完璧にチェックできればいいに決まっていますけれども、そんなリソースはない、人員も足りない、そういった中でどうしていくかということをもう少し具体的にお伺いをさせていただきたいと思います。
確かに現在、日本の、私も、九八年から二年間関税局で、後ろに座っていらっしゃる大先輩方に御指導いただきましたので、実態も多々拝見させていただいておりますけれども、例えば、当時も私も視察に伺いましたが、たまたま私の地元にあります清水支署、税関の清水支署ですね、そこでも、ちょうどまだ私が浪人中のおととしに、史上最大のコカインを摘発なさったという大きなニュースが地元でも取り上げられて、税関の方も大変頑張っていらっしゃるなというのは非常に実感をしたというところであります。
その清水支署も、私もごあいさつに伺って、正確な人数はわかりませんけれども、大体多分五、六、七十人ぐらいでやっていらっしゃるのかなと。あらゆる貨物をチェックできるはずはないわけですから、当然めり張りをつけていろいろやっている。
ただ、保税制度という制度があります、それについてちょっと後で議論させていただきますけれども、例えば保税の担当者というのはかなり業務的に余裕があるなというのは、私が当時大変実感したことでございまして、その一方で、いわゆる取り締まりですね、監視という部門になりますけれども、いろいろな貨物を、日々入ってくるものをチェックするという担当者は、日々非常に緊張感の中でやっている、随分部門によって緊張感が違うなというのは随分思った次第ではあります。
例えば、そういったところを、保税に限りませんけれども、取り締まり以外の部門をより効率化して、人員を減らして、残りを取り締まりに振り向けるといったような、税関さんの内部の中での努力が大変重要だと思うんですけれども、それに関してはいかがでしょうか。

○竹内政府参考人
確かに、委員御指摘のように、私どもの中でもいろいろな工夫をしなくてはいけないと思っているところでございます。税関業務が増大かつ複雑化、困難化する中で、税関におきましては、言うまでもありませんが、不正薬物、銃砲等社会悪物品、知的財産侵害物品及び爆発物、テロ関連物品の水際取り締まりなどの一層の強化に努めているところでございます。
このため、大変厳しい財政事情の中でございますが、平成十八年度におきましては、税関定員につきましては、国家公務員の定員については政府全体として五年間で五%以上の純減に取り組むとしている中で、治安など政府として重要な政策に重点的に定員を配分するとの方針のもとで、テロ対策、密輸取り締まり強化等のための要員としては二百二十人の新規増員を確保しているところでございます。
また、お話がございました具体的な要員配置についてでございますが、従来から事務の重点化、機械化等によりまして事務の効率化を図りながら、毎年、職場の実態を踏まえまして見直しを行ってきているところでございます。この見直しの中で、航空貨物の通関や外国郵便物の通関等の水際取り締まりを中心に充実してきたところでございまして、御指摘の保税の担当者につきましては、これまでも削減しているところでございます。
さらに、税関における水際取り締まりと関税等の賦課徴収を一層適正に実施していくために、本年七月には、先ほど申し上げましたように、税関機構の見直しを行いまして、水際取り締まりについては、保税部門や通関、検査部門などの取り締まり機能を一つの部に集約いたしまして、輸出入通関に係る物流の中で一貫した取り締まりを行うことによりまして、取り締まり機能の強化と効率化の両立を図ることとしているところでございます。
いずれにいたしましても、税関の要員配置につきましては、今後とも引き続き限られた人員の中で、各事務部門間全体を通じて適切に行うように努めてまいりたいと存じます。

○田村(謙)委員
今いただいた御答弁で、確かに十八年度、この行革国会、一律五%削減という中で二百二十人の増員をかち取った。ただ、実際その五%の削減、いわゆる全体の一律の削減で百六十五人削減があるというお話を聞いておりますので、結局、二百二十マイナス百六十五で純増は五十五人だという話も聞いておりますけれども、その人数が十分ではないというのは、もう御担当の方が一番認識していらっしゃると思いますが、とにかく増員というのはなかなか非常に厳しい。これからますます人数を減らしていかなきゃいけないというような雰囲気の中で、先ほど申し上げたように、みずからの組織でのそういう要員の配置をいかにちゃんとしっかりしていくか。
努力していらっしゃるという当たり前の答弁をいただきましたけれども、そもそも、その機構の見直しについても、今までは、監視部というところが入港から船おろしまでを見て、そして、調査保税部というところがいわゆる保税地域のところを見て、そして業務部が輸入申告を見る、大まかに言うとそういうふうに分かれていたのを、貨物の取り締まりを図る観点から取り締まり機能を集約なさったとおっしゃいましたが、それも、確かに近年、状況はいろいろ変わったんだ、だからそういうふうにスタンスを変えた。確かに、アメリカでテロがありました、各国それぞれが非常に取り締まりを厳しくしている、あるいは、知的財産侵害物品という、最近明らかに新しい話もあります。
ただ、私が思うのは、別に、テロとか知的財産とかないもう昔から、それこそ私が関税局にいたときから、取り締まり機能は集約すべきだなと私は個人的に思っていましたよ。特に、テロがあったからとか、近年、この一、二年、この数年の状況が変わらないとそういう発想にならないというのは、私はやはり遅過ぎると思います。
理由は、別に今回の機構の見直しの方向性はいいと思いますけれども、ただ、それを今さらやるんですねというのは私が今回お話を伺った感想ですし、何でも、今やったタイミングに対してきれいな理由は並べられますけれども、それは決して、だから今のタイミングが一番よかったなとは、今回の今お話しいただいた件についても私は思いません。
そういった中で、引き続き税関さん、関税局さんでも、まさに組織の中で引き続きちゃんとしっかりと一番効率的な要員配置を求めてやっていただきたいと思いますけれども、さらに広げて霞が関あるいはそういう中央省庁全体を見た場合、いろいろな省庁にいろいろな部署がありますけれども、その業務の量というのは全然部署によって違いますよね。まだまだ、中央省庁全体、地方支分部局も含めて、効率的な要員配置にはほど遠い状況にあると私はいろいろなところを見て日々感じています。
そこは財務省さんのお話ではなくなって、省庁全体ですので行管の話になると思いますので、総務省さんの方にお伺いをしたいんですけれども、まさに税関の取り締まりもその一環ですけれども、とにかく治安を守るんだ、日本もやはり徐々に治安がいろいろな意味で悪くなってきている。それを何とか、先ほど、世界一の治安がいい国だ、そういう地位を守るためにも取り締まりというのはさらに一層強化しなきゃいけない、その一つがまず税関だと思います。ですから、我々民主党も、ずっと警察について、とにかく要員をふやすべきだということはマニフェストにも書いて主張しているわけです。
各省庁の一律削減というのは、先日の財務金融委員会の議論でもありました予算の一律削減と同じように、ある意味でもう単純な、要はめり張りをつけない一番単純なやりやすいやり方ですよ、確かに。
ですけれども、先ほど申し上げましたように、税関についても二百二十人増員とか言いながら、結局その一律削減の分でマイナス百六十五、とりあえずは全体を一律削減した後で残りをふやしましょうという発想自体が、何か極めて機械的なんじゃないかな、そこはやはり、取り締まり機関というのは、よりさらにしっかりと認識を持って増員、人員をふやさなきゃいけないと思うのですけれども、その点に関してはいかがですか。

○山崎副大臣
今お尋ねの件でございますけれども、今政府全体の方向として、やはり行政改革というものの重要方針の中で、定員の合理化計画というのを着実に実施していくんだという考え方でございまして、今御指摘のように、めり張りはつけるんだけれども増員は厳しく限定していくという考え方が、先ほども数字に出ておりましたけれどもあるわけでございます。
その中で、いろいろな協議を通じまして、平成十八年度においては政府全体として千四百五十五人の大幅な純減をする、しかしながら、御指摘の税関を含めた、安全、安心のために、治安、徴税の関係などは、政府としては、重要な施策で重点的に定員を配分していくという考え方で、一応めり張りはつけた定員配置ができたというふうに考えております。
ちなみに申し上げれば、政府全体で、先ほど申し上げました千四百五十五人の純減の中で、治安、徴税関係については八百七人の純増、そして、うち税関に関しては、先ほども委員申されておられましたけれども、五十五人の純増というふうになっている次第でございます。

○田村(謙)委員
もうちょっと具体的に申し上げますと、結局、一律削減で全体をマイナス、それぞれ削っていながら、ふやすところは後でふやして、足し算するとちょっとだけふえるとか、そういうところは確かに税関を初め幾つかあるんだと思いますよ。でも、そんな、結局、単に数をそれこそ何人減らしましたという数字、もう最初から純減の数字をおっしゃっていただいたので、今回は出ませんでしたけれども、まさに定員合理化計画で、ちょっと数字は忘れましたが、何人という数字は、実際に減らす数字ではなくて、それからまた別の枠で増員をするので純減というのはこれだけだ、単に定員合理化計画の水準を水増しするだけのような気がするんですよね。
税関とか警察のように、例えば取り締まり、例えばですよ、明らかにもうふやすべきだというところは合理化計画の一律削減から外したっていいんじゃないですか。

○山崎副大臣
ただ足すのか、それとも減らしてから足して、足した分が少しふえるのかという御議論になろうかと思いますが、私どもの考え方としては、すべての行政機関の定員について合理化計画をまずやるんだ、こういう姿勢でとにかくそれぞれの各役所で検討してもらう。その中で、減らすところは減らしていただいた上で、やはり新たな、あるいは今まで従来以上の定員を必要とするというところをふやすという考え方でめり張りをつけていきたいという基本的な考え方でやっておりますので、先ほど申し上げたような形になっているというふうに御理解願えればと思います。

○田村(謙)委員
私もこの関係はそんなに詳しくは勉強しておりませんけれども、普通に考えると、減らすところは減らして、でも、例えば新しい部署ができるとか、割によく言われますよね、新しい機関ができないとやはり人員はなかなかとれないとか、新しい仕事ができないとそういう増員の分はとれないとか、よくそういう話はあります。
関税局、税関の中で、百六十五人分は減らせる部署があって、その一方で取り締まりで二百二十人、単純にそういう話じゃないんですよね、別に。一つ一つ細かくそこまで議論をチェックしているんだったらともかく、結局もう数合わせなんじゃないかなという思いはぬぐえません。
そこはとにかく、行管にお任せじゃなくて、行管の担当者も役人ですから、ほかの省庁のめり張りなんて明確につけられるはずはありませんので、そこはぜひとももっと政治の方で、政権の方で認識を持っていただきたいなというのが私の願いであります。
さて、先ほど申し上げたように、基本的には、とにかく私は輸入の取り締まりに集中すべきだ、まずそれを第一、それが日本の国益だという観点ではあるんですけれども、輸出について、ただ一つだけ、私は例外として認識しているものがあります。それが北朝鮮に対する輸出についての取り締まりであります。
何か昨年も、私が聞いたところですと、今よくニュースでもやっていますけれども、アメリカの百ドル札のにせ札が日本の税関で発見されたりとか、あるいはもう廃棄された家電が不正輸出されそうになったのを摘発したとか、そういった事例があるということを聞いておりますけれども、やはりそこは、私は、例えば北朝鮮に対する経済制裁をどうするかというとこの財金の話から外れますので、そこまでは議論をいたしませんが、基本的には、私は、より今よりも強硬にすべきだという民主党での多数派の一人でありますので、そういった観点で、税関さんが北朝鮮に対する輸出貨物や携帯品、それについてどのような取り締まりをしていこうかというふうにお考えか、あるいはどういったやり方があるのかということをお伺いします。

○谷垣国務大臣
今、定員について田村委員からいろいろ御議論がございましたけれども、確かに、税関、非常に手が限られている中ではありますけれども、いろいろなリスクに応じて、やることはやっていかなきゃいけないという中で、北朝鮮向け等のリスクの高い輸出貨物については、過去には不正輸出事案もあったわけでございますので、北朝鮮向けの輸出についてはそのすべてについて慎重な審査を行う、そしてまた必要な開披検査やエックス線検査等も行うというような形で、特に厳重な審査、検査を行っているわけでございます。
特に安全保障貿易管理の重要性については、財務省あるいは税関としても十分認識しておりますので、今後ともその所管官庁である経済産業省等と密接な連携を図りながら、必要な審査、検査、努めてやっていきたいと思っております。
それから、万景峰92号を初めとする北朝鮮と我が国を往来する船舶の取り締まりにつきましても、入港の都度、海上保安庁それから入国管理局と合同をしまして、出入港時の船内検査を実施しております。それから、停泊中におきましても、警察それから海上保安庁等の関係機関と連携をしながら厳重な警戒に努めているところでございまして、今後ともこの関係機関と情報交換、連携を図りながら厳格な法執行に努めていかなければならないと考えております。
それから、現金等の支払い手段の携帯輸出につきましては、今、外国為替及び外国貿易法令によりまして、輸出しようとする支払い手段の合計額が百万円に相当する額を超える場合においてはあらかじめ税関長に届け出なければならないということになっているわけですが、今後とも税関では、万景峰92号などの旅客の出国に際しては、この届け出義務の履行を確保するために、旅客に対して適切な指導を行うといったような法令の適正な運用に努めていこうと考えているところでございます。

○田村(謙)委員
今の件で関税局長さんにちょっと関連でお伺いしたいんですけれども、関連というか、今大臣のお話を聞いておりますと、結局、メニューとしてはもう既に、確かに、万景峰号を初めとして、税関さんはかなり相当やっていらっしゃるというのは私も十分に知っていますけれども、要は、それを粛々と今後も続けていくと。よりさらに強化をするというような手段というのは何かないんですか。
それは、別に新たな手段ではなく、とにかく今やっていることをより真剣に、まあ真剣にやっていらっしゃると思うので、そうすると結局、今までと余り、もうこれ以上強化しようがないということのようにも聞こえるんですけれども、その点はいかがでしょう。

○竹内政府参考人
私ども、今大臣が御答弁いただきましたように、限られた人数の中で、北朝鮮向けの特にリスクの高い輸出貨物につきましては徹底した厳重な検査等を実施しているところでございます。数値的にも多分、出ておりませんけれども、効果は上がっているのではなかろうかと思っております。先生ごらんいただきますと、最近の新聞等で結構事案が上がっておるわけでございまして、そういう面で税関の現場における努力はかなり成果が上がっているというところだと思っております。
引き続き、あらゆる方面でこのリスクの高い輸出貨物につきましての情報収集を関係各省庁と行いまして、徹底した執行を行っていきたいと考えているところでございます。

○田村(謙)委員
北朝鮮の話になりますと、まさに外交の話になりますので、この場で明確によりさらに御答弁いただくことはできないと思いますけれども、税関さんですと、まさに運用、実際の執行の部分ですね、執行の部分で、最近北朝鮮についての取り締まりを強化しているというのも、特に法律とか何か具体的な指示文書とかそういう話ではなく、そちらの方で実務上やっていらっしゃるというような話も聞いておりますので、私は、そこは関税局の方針としてびしっと、よりさらに徹底するというようなことは出していただきたいと思いますけれども、それが無理としても、ぜひさらにそこは取り締まりをしっかりと強化していただきたいというのは、輸出に関しての唯一の例外として私はお願いしたいというふうに思っている次第です。
さて、今回の改正案で、また別のテーマについて若干お伺いします。
暫定税率等の適用期限の延長という中に、牛肉または豚肉等に係る関税の緊急措置についての暫定税率の適用期限を今回また一年延長するという改正が入っております。この牛肉の、今回の改正において、一年延長するというのは、毎年延長していらっしゃいますし、それでいいと思いますけれども、緊急措置の内容ですね。
緊急措置について、今までというのは、従来、現行制度は年度の初めから各四半期ごとの累計輸入量が前年同期、前の年の同期の一一七%を超えた場合、関税率を三八・五%から五〇%に戻す。それを今回の改正案では、まさに現行制度では昨年、一年前を基準とするところを、発動の基準数量と言うようですけれども、輸入の数量ですね、その基礎となる輸入の数量を平成十四年度と平成十五年度の輸入実績の平均にする。要は、前の年の数字というのをやめて、かわりに平成十四年と十五年の輸入量の平均にするという改正をするというふうに聞いております。
これについては、我々民主党はもう前から言っているんですよね。大臣もよく知っていらっしゃると思いますけれども、平成十五年そして昨年、民主党の修正案を提出しています。そのときにはあっさり無視をされて、どういう理由だったかは忘れましたけれども、まあ忘れたというのはちょっと、忘れたわけじゃありませんが、何となく建前チックな理由をつけられて、とにかく民主党案が通るはずはないという、単にそれだけでつぶされたような印象を持っています。それが何かまたことしになって、我々の案をぱくったかのように、まあそれは、いいことは取り入れていただければ大変ありがたいですけれども、我々からすればじくじたる思いがあるわけですよ。(発言する者あり)
本当に、まさにだから言ったでしょうと。何でもそうですよ。もうとにかく遅い。あらゆることを、私もよく申し上げて、いつもくどいと言われますけれども、とにかく今回の件に関してもちょっと遅いんじゃないかなと。もっと我々の真剣な提案というのを聞き入れていただければそんな後手後手に回ることはないんじゃないかなというふうに、余り強くは言いませんけれども、思いますが、どうして我々が提案したときは相手にせず、なぜことしなんでしょう。なぜ、ことしが何でそんな、一番いいんですか。

○谷垣国務大臣
今、田村委員から、平成十五年度それから昨年度出したときにはすげなく拒否しながら、なぜことしのんだのかと。
ちょっとお答えしにくいところもあるわけですが、この牛肉関税の緊急措置は、これはもう田村さんには釈迦に説法ですが、ウルグアイ・ラウンド交渉のときに関係国と協議して、それで、合意水準以上の関税の自主的引き下げの代償としてパッケージで取り入れられた、こういうことでございます。
過去、国内や米国でのBSEの発生を受けまして、その発動基準数量をどうするかというのはいろいろ議論もありました。確かにそれで、民主党から平成十五年度に修正案が出されたわけですが、そのときは、平成十五年度の議論のときには、輸入牛肉と競合します国産の乳用種牛肉価格が非常に低位で推移しておりました。それから、北米産牛肉の輸入そのものは停止されることがなくて、発動基準数量の算定基礎年度である前年度、十四年度ですね、それと同様、引き続き行われていたという状況があったわけであります。
それから、十七年度では、輸入急増によって国産の乳用種牛肉価格の急落を招いて、国内生産に深刻な影響を及ぼすのじゃないかという懸念が十七年度の場合はございました。それから、食品安全委員会でも国内BSE対策について審議が行われていたそのさなかでもございまして、北米産牛肉の輸入再開については、現在もいろいろ問題がございますけれども、当時はいまだに不確定であったということがございまして、ですから、十五年度それから十七年度、どちらもこの緊急措置の適用期限の延長のみということでやったわけです。
今度、今お願いしている十八年度改正につきましては、国産牛肉の小売価格が高水準で推移しているというような小売価格の動向、それから、国産の乳用種牛肉価格が堅調な推移をしているという生産面の動向というような需給の関係もございます。それから、北米産牛肉の輸入に係る枠組みの変化もあったといった緊急措置をめぐる環境の変化があったというふうに考えております。
こういう状況の中で、仮に現行どおりの発動基準で維持して緊急措置によって関税率が自動的に引き上げられる事態ということになれば、これは牛肉需給の正常化に支障を来すということがあるのではないかと。こういうことで、十八年度に限って所要の見直しを行うということにしたわけでございます。

○田村(謙)委員
いろいろ後手後手な対応、まさに対応が後手後手に回ってようやく始めたとかいう場合に、いろんな理屈、へ理屈を含めて、理屈をつけるのはもう役人の方々達人ですので、まずそれを、答弁をお読みになるのはいいですけれども、そのまま真に受けないでいただきたいなというのが一つのお願い。
あともう一つ、やはりもう少し我々民主党の先見の明も御評価いただきたいなと思うんですよ。別にこの牛肉の話だけじゃないです。いずれこの委員会で議論が出る、まさにライブドアから出てきた日本版SECに当たるような話、証券取引等監視委員会の権限強化ですね、もうそれも四、五年前から我々延々と言い続けて、法案も提出をして、今回のこの牛肉と同じようにもう全く相手にされず、それが何か、ライブドアが起こったから今ごろ言い出すというのは、ライブドアがなければわかりませんでしたという理由になるのかどうかは知りませんけれども、その日本版SECの件もあります。
あと、この委員会からは外れますけれども、例えば官製談合防止法案も、我々はもう前から言っていますよ。そういうことをちゃんとやらないから、また防衛施設庁みたいな話が出てくるんじゃないかと、そこは本当に強く思うんです。ぜひともその点は大臣にも御理解をいただきたいなと。
その点は、どうですかね、もう本当に我々の、では、今回のこの牛肉の件に関しても、今お答えになったのがそのままで、我々の提案というのは全く、そもそも突拍子もないというか、全然先駆けとかそういうのではなくて、単なるフライングで、全くそのときには時宜を得ていなかったというふうにお考えになりますか。

○谷垣国務大臣
私ども、民主党のお考えと、何というんでしょうか、決定的にイデオロギーが対立して、もうにっちもさっちもいかないというような間柄ではないと思っているわけでございまして、いいことがあれば取り入れるのはやぶさかでないというのが正しい態度ではないかと思っております。ただ、いろいろな、民主党でお考えになったことを導入するといっても、タイミング、タイミングというものがございまして、そのタイミングの判断が御党とまた私どもでずれるということは、これはあろうかと思っております。
特に、今の関税の暫定税率を変えるということになりますと、当時、昨年あたりですと、まだBSEの問題に対する判断というのも全く五里霧中のときでございましたので、そのときとは若干違っているのかなと思います。

○田村(謙)委員
今のお話の前段をもって、我々の先見の明もある程度御評価いただいたというふうに理解をさせていただきますけれども、そのタイミングがずれるというのが、結局もう遅いことが多いんですよ、それはあらゆる面で。とにかくそれを、少しでも我々の先見の明をよりさらに評価していただいて、タイミングを失することがないように、それはあらゆる政策においてですよ、そこはよりさらに御認識をいただきたいというふうに思います。
さて、牛肉の話はそれぐらいにいたしまして、ひとつ、今回の改正には関係ありませんけれども、国際郵便物の件についてお伺いします。
まさに昨年、郵政民営化法案が通過をして、それが税関にも関係するという話でありまして、まさに郵便局が扱っている国際郵便物、今までは当然郵政公社、公的機関でありますから、税関の方でもさまざまな優遇をする、ほかのいわゆる貨物と違ってですね。一般貨物では輸入申告というものが必要なわけですけれども、現在、国際郵便物についてその輸入申告というのは要らない、保税地域に置くことも必要ない、あるいは臨時開庁の対象外、すなわち、臨時開庁に本来民間の企業というのは手数料を払いますけれども、その手数料も要らないと。
さまざまな、民間の企業のいわゆる貨物と比べて優遇された部分があるわけですけれども、当然、民営化されるわけですから、もうほかの、それこそ一般貨物と同様の扱いになるというのが、民間の中でですね、民間のほかの企業と郵便とのイコールフッティングだと思うんですけれども、その点について、関税局さんとしてどのような御対応を考えていらっしゃいますでしょうか。

○竹本副大臣
先生おっしゃったように、今まで国際郵便物と通常の郵便物とは確かに扱いが変わっておりました。しかしながら、現行の国際郵便物の通関手続につきましては、本来、納税額は納税義務者の申告により確定することが原則であると考えられること、また、国際郵便物と民間の貨物運送業者が扱う貨物との間に内容物やサービスの面での差異がなくなってきていること、それから、先進国においては課税価格が一定以上である国際郵便物に申告納税方式を適用している国が大宗であることなどから見直しが必要になってきている、そういう認識をしております。
こういったことから、財務省といたしましては、民営化後の国際郵便物を取り巻く状況や国際郵便物を含めた国際物流の動向等を踏まえながら、今後見直しを行いたい、そう考えております。現在、総務省と相談をしておるところであります。

○田村(謙)委員
では、同じ質問を、総務省さんの方のスタンスをお伺いします。

○山崎副大臣
今、財務省さんと、この問題について相談中といいますか、ともに検討中であるということは、そのとおりでございます。
今我々の方として考えておりますというか、立場として言わせていただいていることでございますけれども、総務省としては、郵政の民営化後も、郵便をめぐる事情といいますか国際間の約束、いわゆる万国郵便条約、そしてそれに基づく国際郵便制度、そういったものの全体として変更はないというふうに、今度の民営化に関してでございますけれども、考えておりまして、郵政の民営化が国際郵便に係る通関制度に直ちに結びつくものではないという考え方でございます。
ですから、私どもとすれば、財務省における検討も、この民営化を理由としてではなくて、通関手続を取り巻く情勢に応じた見直しということで検討させていただいているというふうに理解しておるところでございます。
ちなみに、今回のことで言えば、当然、郵便物としてのある種のものというものと、それから、そちらの方のいわゆる貨物というものと、そこの間をどういうふうに区分けするかという問題にも絡んでくる事情がございます。
郵便物の中でも、信書に関しては別扱いというのは当然の前提でございますので、その辺のところを含めまして、当方のところでは、考え方として一般論的に言えば、郵便物の一般的な性質、性格というものは、普通、通関手続にふなれな個人の利用者が非常に多いということで、また、差出人から一方的に送られまして、郵便物を受け取るまでその方が、中身が何であるかというのがわからないケースも少なくない。
あるいは、国際郵便上のシステムの特性として、先ほど申し上げた万国郵便条約のもとの連合加盟国、そういったものが共同で行う国際事業だということがありまして、民間のように引き受けから配達まで、代理通関の委任を含めて、同じ事業者が一貫して行うサービスということができない、こういった特徴がありますものですから、そういった点を考慮してこの問題に対して検討していきたいというふうに考えております。

○田村(謙)委員
いろいろなポイントがあると思いますけれども、例えば、まさに民間の貨物、貨物運送業者が扱う貨物だと、先ほど話がありましたように、申告納税方式なわけですね。当然申告しなきゃいけない。当然運送業者がそういう手間をかけているわけですけれども、それが国際郵便物であれば、賦課課税方式になっていてそういう申告の必要がないと。それ自体も万国郵便条約で規定されていることなんですか。

○山崎副大臣
万国郵便条約では、通関に関しましては規定はございません。

○田村(謙)委員
だったら、先ほどの答弁で別におっしゃる必要ないじゃないですか。何か万国郵便条約とおっしゃると、いかにも何か、今私はあくまで通関の話をしているんですから。それで、規定もない条約を取り上げて、何かいかにももっともらしく、国際郵便というのは万国郵便条約も適用されるからほかの一般の貨物とは違うんだなんというのは、単なる言いがかりというか、もうほとんど理由になっていないですよね。
結局、先ほどほかにもいろいろ幾つかおっしゃっていましたけれども、郵政公社も民間になるわけですから、それを目指しているわけですよね。一般の貨物よりも優遇されるというのは、それは民営化の過程としてもおかしいと思いませんか。
それに、あと私は別に税関の回し者じゃないですけれども、まさに先ほど申し上げた、国益として、国内の治安を守らなきゃいけない。今取り締まりの人員が足りないわけですよ。人員はできる限り取り締まりに集中すべきだと私は申し上げています。そういう中で、もちろん今まで郵政公社というか公的機関がやっているのであれば、税関がある程度大目に見よう、ある程度税関が業務を負担しようというのはあったと思いますよ。ですけれども、それが民間になる企業にそんなに人員を割くような余裕はないわけですよ。それが国益だと私は思います。
そういった中で、何か先ほどいろいろおっしゃっていましたけれども、もう一度、いかがですか。

○山崎副大臣
私が先ほど申し上げたことが、誤りがなければといいますか、言い間違いがなければ、いわゆる国際郵便物の検討に際して、郵便物の一般的な性質として、個人利用者が多い等のことがある。それから、国際郵便システムの特性として、条約下において一緒に共同してやる国際事業であるということですね。
ですから、ということはどういうことかといいますと、我が国だけの制度なのか、それだけで考えていいのか。ほかのところの、いろいろな通関のやり方ということも考えた上でやらなければいけない、そういう意味で申し上げているわけで、その中の一つの特徴として、引き受けから配達まで、代理通関の委任を含めて、同じ事業者が一貫したサービスを行うことができない。
要するに、これ以上説明する必要はないと思いますが、外国の郵便の取り扱い、公的な機関であれ何であれ、そういうところから来て日本の方に来る、こういう特性がありますから、同じ業者が最初外国で受けとめて、それを通関して日本の方へ持っていくというサービスを行うことができないという特性があるということを申し上げたわけでございます。

○田村(謙)委員
別に全体の特性なんて聞いてないんですよ。私は、通関のときどうかと。
それは例えば、一番わかりやすいのが申告納税か賦課課税かですよ。先ほど財務省側から説明がありました。ほかの国でも、一定の金額とかありますけれども、申告納税が基本だというような御説明をいただいたと思いますけれども、とにかくそこは民間業者ですから、郵便物の性格とかというのはもちろんあるんでしょうけれども、かつ、ほかの民間業者でもさまざまな特性があるような貨物を扱っているわけですので、いろいろおっしゃっていましたし、そこに書いていらっしゃる答弁以外のことは多分御存じないから繰り返していらっしゃるんだと思いますけれども。
何か全体、とにかく郵便物の特性がいろいろあるからある意味で特別待遇するのは当然だのような、あるいは、ほかの国を見て、ほかの国と対応をできるだけ、そういう扱いを一緒にしなきゃいけない、それはわかりますよ。先ほど財務省さんから説明があったじゃないですか。ほかの国は申告納税が基本なんだというような説明が既にあるわけですよ。そういう説明を全く聞いてないかのような、理解していらっしゃらないと思いますけれども、そういう通り一遍の答弁はやめていただいて、とにかく民間業者になるんだ、郵政公社だから特別待遇が当然だというような感覚はぜひやめていただきたい。今後、まさにこれから検討なさるんだと思いますけれども、強く認識していただきたいと思います。国際郵便についてはこれぐらいにいたします。
さて、それでは、今回の改正の話ではないんですけれども、ちょうど一年前、私も質問をさせていただきました。通関の迅速化、適正化ということで、去年大きな法改正をいたしました。
昨年導入した制度というのは特定輸出申告制度というふうに言うようでありますけれども、すなわち、輸出の通関の手続について一定の承認要件を満たしている、いわゆるコンプライアンスの優秀な輸出者については、貨物を保税地域に入れる必要がない。そして、保税地域に入れずに輸出申告を行い、輸出の許可を受けることができる、そういう、いろいろな意味で後手後手の関税行政の中では、やや画期的な改正だったと思いますけれども、それがちょうどことしの三月に、ようやくその制度自体が施行されたというふうに聞いております。
ここは私があえて申すまでもありませんけれども、一般的に、やはり日本の物流コストというのは高い。コストというのは、お金、費用の面と、あと時間の面があります。まさに通関手続ですね、さまざまなそういう手続によって時間がかかってしまうと、それによって輸送の時間というのがよりかかってしまいますので、そういった意味のコストというのもあると思います。
とにかく物流コストを下げるということが日本経済をさらに強くする、日本の、それぞれの業者を見てもそうですけれども、そういう国際競争力を強くするということにつながるという問題意識については異論はないと思いますけれども、そういった観点で、昨年導入をした制度というのは意義深いものだと思いますけれども、その制度は、実際、今どの程度利用されているんでしょうか。

○竹本副大臣
田村委員言われましたように、昨年法改正しまして、この特定輸出申告制度をつくりました。そして、この三月一日から実施したばかりでございまして、利用状況がどうかというのは、まだ本当に数件というような程度だと思います。
しかしながら、これはおっしゃるように、コンプライアンスが確保されるような人であれば、一々全部あけて検査をするということをせずに済むようにということで、特に、保税地域へ入れなくて済むというのは大変な改革だと思いますが、それをやろうとしているわけであります。
しかしながら、これからいろいろなケースがあり得ると思いますので、そういったことを十分検証しながら、この制度が多くの輸出に、効率のいい輸出事務に貢献するという形になるように、我々は期待しながらこの制度の適正な運用を見守っていきたい、そういう中で問題があればさらに検討を加えていきたい、そのように思っております。

○田村(謙)委員
この制度について、この一年間、ちょうど改正をして一年ですけれども、実際、承認の受け付けをした時期を私は確認しておりませんけれども、それは最近なんでしょうが、三社が承認の申請をして、実際一社が承認をされたと。何かその数が非常に少ないような気がするんですけれども、昨年まさに法改正をした時点でどの程度、要は何社ぐらいが申請をしてくるというようなイメージだったのか。そして、それに対してこの現実の数字というのをどのように評価していらっしゃいますか。

○竹内政府参考人
お尋ねの特定輸出申告制度でございますが、関係者の意見を十分踏まえた上で、実は、本年の三月一日より実施しているところでございます。まだ十日もたっていないところでございますが、特定輸出者の承認につきましては、先生お話がございましたように、現在のところ三社が承認申請を行っておりまして、一社について既に承認を行っているところでございます。承認申請を行ったこれらの三社のほかに、現在、申請のための準備を行っている企業がかなりあると聞いているところでございます。
本制度につきましては、今申し上げましたように、本年三月一日からまだ実施されたばかりでございまして、今後の企業の申請状況を見きわめる必要があるというところがございますが、いずれにしても、本制度が多くの輸出者に利用されるように期待したいと考えているところでございます。
なお、現在、私、関税局長の下で開催しております国際物流と貿易取引に関する研究会におきまして、民間企業からのヒアリング等を行っているところでございますが、特定輸出申告制度を利用する関係企業からは、非常に画期的な制度である旨の御意見をいただいているところでございます。
ただし、まだ私どもの方で、三月一日ということでございますので、十分PR、普及に努めていく必要があるということも同時に感じているところでございます。

○田村(謙)委員
結局、ちゃんと今後の推移を見てというのは、それはもちろんそうだと思いますけれども、一年前導入した時点で、いろいろ準備なさって法改正をした、そのときに十三社申請するはずだとか、そこまで明確なわけはないと思いますけれども、少なくとも、数社だけのために去年のような大きな法改正をするとは到底思えないですよね。メリットがあるのであれば、当然、特定の輸出者と認められれば通関がかなり楽になるわけですから、楽になるというメリットがあるのであれば、みんな飛びつくはずですよね。それが結局、今そういう非常に少ないところしか申請をしてきていないという状況というのは、やはりメリットが余りわからないんじゃないかなと。実際、そういう声も聞いています。
画期的というのは、先ほど私も申し上げました。今までに比べれば、それはあくまで比較の問題という部分はかなりあると思いますけれども、今までの、とにかく一律のというか、少しずつ優遇制度を入れるとか、それに比べるとかなり大きな制度の導入だと思いますよ、それは。ですけれども、結局それを利用する人がいなかったら意味はないわけですから。申請する人もいないというのは、やはり実際に本当にメリットを感じていない、わからないなという企業が多いんじゃないかなというふうに私は思うんですね。
そのメリットというのは、先ほど言いましたように、費用ですとかあるいは時間、そういう物流のコストになるわけですけれども、それについて若干の議論をさせていただきたいと思います。
昨年もある程度議論をさせていただいたんですが、まず、そのメリットがないという一つ目として、結局、貨物コンテナを、もう全部詰めて施封をする、閉めた後じゃないと申告できないし、さらに、混載貨物というのは認められない。特定輸出申告では、一つの荷主の貨物だけを詰め込んだコンテナしか認められていなくて、ほかの荷主の貨物が一つでもまじっていると、結局それはもうそういう申告が認められなくなってしまうという非常に厳しい縛りが入っています。
例えば、とにかく物流の、輸送する時間を短くしたい、その典型が航空貨物だと思いますけれども、船に比べて航空でというのは、非常に金額はかかるけれどもそれに見合うのは、やはりそれだけ時間が短縮できるからですよね。
そういった意味で、時間を短縮するという効果が非常に大きいのが航空貨物だというふうに思いますが、混載貨物はだめだということになってしまうともうほとんど適用できないという話も聞いています。航空貨物で使えないのであれば、やはりそのメリットがないなというふうになってしまっている。それがやはり申請する企業がまだまだ少ないということなんじゃないかなと思いますけれども、やはりそこは、混載コンテナは認めないというのは、例えば、せめて航空貨物についてだけ認めるとか、より現実的にお考えになったりはしないんでしょうか。

○竹内政府参考人
特定輸出申告制度でございますが、適切な貨物管理及び関税法の適正な執行の観点から、輸出貿易管理令に規定される武器などの一定の貨物につきましてはもともと特定輸出申告の対象としないことにしているところでございます。このほかにも、同様の観点から、今お話がございました他の荷主の貨物とともに一のコンテナ等に詰め込まれて輸出されるいわゆる混載貨物については、原則として特定輸出申告の対象としない取り扱いをしているところでございます。
しかしながら、御質問のございました航空貨物についてでございますが、適正な貨物管理が確保されると考えられる範囲内で利用者の利便性を向上させる観点から、貨物を数個単位にまとめて強固にバンドリングするなどしてこん包または包装した貨物でございまして、輸出許可後から外国貿易機に積み込むまでの間に他の貨物と混同したりまたは荷姿が変更されるおそれのない貨物については、特定輸出申告制度の対象とする取り扱いとしたところでございます。
いずれにいたしましても、本制度の運用に当たりましては、三月一日からで、施行されたばかりでございますが、航空貨物に係る物流の実態等を踏まえまして、利便性の向上、利用の促進に今後とも努めてまいりたいと考えているところでございます

○田村(謙)委員
航空貨物について、若干そういう今おっしゃったような話があるというのは聞いていますけれども、結局、それではもう、やはりそんなふうに限定されたら利用できないと業者さんは言っていますよね。その研究会でどういう話があったか私は全く知りませんけれども、何か一部認めているんだから、それに合わせてそっちに業者を誘導する、そういうような話じゃないと思うんですよ。
特に航空貨物というのは、もう少しでも早く、いわゆる時間を短くするとか、時間を短くするだけじゃないですけれども、そういった観点で一生懸命企業が頑張っている中で、もう思いっ切り制限をかけてこういうふうにしろと無理やり変えるというのは、私は非常に傲慢だなというふうに思いますよ。
何でも企業に恩典を与えろと言っているんじゃないんです。しっかりとコンプライアンスが高い企業、それはある意味で関税局さん、税関さんが信頼しましょうというふうに認定するわけですよね。そういう企業に対して、全体じゃないにしても、例えば特定輸出者に対して、いろいろな人を疑ったら切りがないじゃないですか。ある程度信用しますといった人に対してだけでも航空の混載貨物も認めるというのに一体どういう問題があるんですか。

○竹内政府参考人
先ほどのお話に対してお答えしたとおりでございますが、他の荷主の貨物とともにコンテナ等に詰め込まれて輸出されるいわゆる混載貨物でございますが、これにつきましては、現場でも積み荷のあれをごまかしたというような例もあるわけでございまして、そう簡単に、おっしゃっているように、私どもといたしましては、関税法の適正な執行の観点からは特定輸出申告の対象とはできないと考えているわけでございます。
先ほど申し上げました例、なかなかわかりにくい例だと思いますが、これは自動車部品の例でございますが、こういうようなものにつきましては、物流の実態に合わせまして例外的な取り扱いも認めたところでございます。また、先ほど申し上げましたように、私どもの関税局でやっております物流の研究会におきましても、航空会社から等もいろいろ意見を聞いておるところでございまして、いずれにいたしましても、物流の実態を踏まえまして、今後とも利便性の向上に努めていきたいと考えているところでございます。

○田村(謙)委員
適正な業務の執行というのは当たり前のことですので。結局、今のお話をお伺いすると、コンプライアンスが高いというふうに認定をした、そういう企業でもやはり最後まで信用できないよということなのかなという気がするんですよね。そこは、結局どこまで理想を振りかざすのかと。あらゆる貨物全部チェックしているんですというなら、大体おっしゃっていること全部、すべて説得力ありますよ。ですけれども、もう本当に対応し切れない山のような貨物がある中で、どれが一番怪しいかというのを選びながら、一生懸命、そこら辺はもうさまざまなノウハウを集積しながらやっていらっしゃいますよね。そこは、とにかく怪しい人は徹底的にやる。
そういう中で、せめて例えば特定輸出者、それも輸出ですよ。先ほど申し上げたように国益の第一というのは輸入ですから、それは輸出ですよ。輸出でも何か怪しいんじゃないのと言い出して、万全を期すとかいって別に全部調べるわけじゃないわけですし、そこにかける手間があったらもっと怪しいところにどんどん人員を投入すべきですよね。あらゆる人を疑うというのは、基本だといえば基本かもしれませんけれども、結局、限られた人員のめり張りという中で、やはり建前に縛られ過ぎているなという思いがあります。
その建前に縛られ過ぎているんじゃないかなという具体例として、移動途中の貨物の通関申告を認めないという点もそうです。実際、一般論はともかく、この特定輸出申告制度において、海上貨物をまさに輸送している、その途中に申告するということにどういう問題があるのかなと思うんですけれども、そこはいかがですか。

○竹内政府参考人
御指摘のございました海上貨物の輸送途中の申告を認めるべきではないかとのお話でございますが、特定輸出申告制度を利用する貨物につきましては、基本的には特定輸出者のコンプライアンスを反映した簡易な審査を行うこととしているわけでございます。必要な場合には貨物の数量確認や検査を行うこともあり得ると考えているところでございます。
このため、特定輸出申告を行う場合に、当該申告に係る貨物が一定の場所に置かれている状態にあることが必要でございまして、運送途中の貨物について特定輸出申告を行うことを認めることは基本的には適当ではないと考えているところでございます。
これにつきましても、例えば、特定の蔵置場所でコンテナに詰め込まれ、コンテナヤード等へ運送される、一連の流れに沿って運送される貨物であって、その貨物が大量である場合に、一つの特定輸出申告に係る貨物を一度に蔵置場、スペースがないということで置けない場合もあり得るわけでもございまして、このような場合については、当該蔵置場所に搬入される貨物を順次コンテナに積み込み、積み込みが終了したコンテナから順次搬出する必要がある。こういう場合につきましては、当該蔵置場所に移動中の貨物を含めて特定輸出申告を行えることとしておりまして、こういうような形で輸出者の利便性の確保を図っているところでございます。

○田村(謙)委員
後でちょっと保税制度そのものについて時間があれば議論をさせていただきたいんですけれども、結局、保税地域に入れる、それを検査するとおっしゃいますけれども、そもそも、特定輸出制度についての輸出の対象となる貨物について検査をするというのはごくまれなわけですよね。それは当然、もう業者を信頼している、そういう認定をした業者が扱っている貨物なんですから、検査をするというのはごくまれなわけですよ。そんなしょっちゅう検査する暇があったら、よっぽど怪しいというところに人を投入した方がいいわけですから、そういっためり張りはかなりやっていらっしゃる。
そういう中で、ごくたまに検査します、だから、ごくたまにしかやらないけれども貨物を全部とにかく一回入れてくれというのは、もう単なる検査官の怠慢じゃないですか。たまにしかやらないんだったら、別に保税地域だけじゃなくても、例えば抜き打ちとか、いろいろなやり方があると思うんですよね、ちょっとそこは保税制度についての議論でさせていただきたいと思いますけれども。
一つの通関の申告の貨物というのが、例えばコンテナ十本を超えてしまうということは決して珍しくないわけですけれども、その十本分のコンテナにすべて貨物を詰めて最後のコンテナを積んでからじゃないと申告できないというふうに今の特定輸出申告制度はなってしまう。自社施設内にコンテナ十本を置くスペースがないとほとんどこの特定輸出申告を利用できないというような悲鳴も聞いています。結局、そういうふうにメリットを感じない企業が多いから、申請する企業も少ないのかなという思いはあります。
あともう一つ、これは非常に日本の企業の努力だと思いますけれども、例えばトヨタのかんばん方式というのがありますけれども、とにかく無駄な在庫は一切持たない、生産管理も物流でも、もう管理をとにかく徹底してやっていっている。物流のプロセスというのが、調達、生産のプロセスと一体化させて、とにかく貨物をとどめることなくずっと流すというのが一番効率的なんだという企業努力を一生懸命やっていますよね。別にそれはトヨタに限らず、まさにかんばん方式が世界でもかなり評価されているように、そういった中で移動途中の貨物の申告を認めないというのは、やはりかなりそういう企業の努力を阻害しているというふうに思うところもあります。
ちなみに、海外はどうなっていますか。

○竹内政府参考人
今お話がございました運送途中の貨物に特定輸出申告を行うことを認めることは基本的に適当ではないと考えて申し上げましたところでございますが、そのときに申し上げた、例えば、特定の蔵置場所でコンテナに詰め込まれてコンテナヤード等へ運送される、一連の流れに沿って運送される貨物であって、その貨物が大量である場合には、一の特定輸出申告に係る貨物を一度に蔵置場に置けない場合もあり得る、こういうのの裏には、今先生のおっしゃったようなトヨタかんばん方式のようなものを念頭に置いているわけでございまして、このようなことによりまして、私どもとして輸出者の利便性の確保を図っていると考えておるところでございます。
今御質問のございました海外でございますが、米国におきましては、そもそも、輸出は届け出制となっておるわけでございます。英国、フランス等のEC諸国におきましてでございますが、税関もしくは税関が定める場所への搬入後に輸出申告を行うこととされておりまして、基本的には我が国と同様に、輸送途上の貨物について輸出申告を行うことは認めないというふうに承知しているところでございます。

○田村(謙)委員
大体、日本の役所に非常にありがちなんですけれども、いろいろな新しい制度があって、いろいろな大所高所からよりいいという制度があっても、そういう新しい、いい制度の導入を、改革という言い方もあるかもしれませんけれども、とにかくそういうことをやらない。理由の一つとして、ここの国、アメリカではやっているけれどもイギリスではやっていません、あるいは、イギリスではやっているけれどもドイツではやっていません、やっていない国もあるじゃないですかと、よく使うんですね。私も財務省のときによくそういう資料をつくっていましたから、わかりますけれども。
例えば通関の話になると、アメリカとEU、EUはかなり共通化されているんだと思いますけれども、よりさらに、いろいろな意味で通関業務の共通化というのがされてきているという話を聞いておりますが、アメリカでは、やっているというか、そもそも保税地域制度がないわけですから、届け出制ですよね。そんなチェックなんかはほとんどしていない、あえて端的に申し上げると。
EUでは日本と同じような制度なんだとおっしゃいましたけれども、EUでやっているから、じゃ日本でもやらなきゃいけないのかということだと思うんですよ。EUというのは、ヨーロッパは地続きですから、そこはよく言われているように、最近のテロでもいいですよ、ヨーロッパは非常にそういう意味で、お互いに協力しながら、まさに輸出をチェックするというのが、隣の国、周辺のEU同士でやっていく。それは輸出も輸入も一緒になってやっていこうという話があるわけです。
日本の場合に、先ほどから申し上げているように、とにかく私は、輸入により特化、特化というか、輸入をもっと強化しなきゃいけないという中で、建前論を振りかざして、とにかく輸出に関して一番信頼ができる部類の業者についてもさらに縛りをかける。だから結局、利便性に配慮しているとおっしゃっても、利便性を感じないから申請する業者は少ないわけですよね。
そこは今後の推移を見ながら考えるとおっしゃいますけれども、別に物の流れというのはそんなに変わるわけではないわけですから、そこは、業者の場合は利用したらどういうメリットがあるかというのは十分に想像できる話ですね。それで、実際想像してみてメリットないなと感じている企業はやはり多いんじゃないかなと思いますよ、それは。それを、今後の推移を見て考えたい、実施状況を見て考えたいと言うのは、単なる先延ばしの口実にしか私は思えません。
その関連で、もう一点。申告官署、どこに申告するかという話があります。
基本的には、一般論として、貨物を置いてある場所、例えば船に載せる場合には港の保税地域、港にコンテナをたくさん積んであるところが保税地域だと思いますけれども、そこを管轄する税関官署に申告をしなければならないというのが一般原則だと思います。そうしますと、大体そういう貿易をやっている企業というのは港を管轄する官署に申告しているんだと思います。横浜から船で出す場合には横浜税関と。
ただ、特定輸出申告制度に限って申し上げた場合、保税地域と指定されたコンテナヤードに入れる必要がない、自社の施設、自社の倉庫から通関申告ができる、そういう特典なんだと思いますけれども、ただそれが、自社の施設というのが内陸にある場合は地元の税関官署に申告をしなければいけない。結局、今までは横浜港から出していたから横浜税関だったのが、自社の施設、倉庫というのが例えば名古屋にあったら、名古屋税関にその申告先を変えなきゃいけないというような手間も例えば考えられると思うんですね。
そこで、私は、全体、あらゆる業者と言っているんじゃないんです、あくまで特定輸出申告制度を利用する、十分に信用します、現在は一社しか残念ながらないみたいですけれども、そういうふうに関税局さんも信用して太鼓判を押した業者、その業者が、とにかく貨物を置いてある場所を管轄する税関官署じゃなきゃだめだという理由がよくわからないんですけれども、それを教えてください。

○竹内政府参考人
私も主税局の調査課で外国税制の調査を担当したことがございまして、先生御指摘のように、都合のいいところだけという御議論についてお答えするわけでございますが、先生の御持論は、多分なぜ輸出について検査をするのかというお話なんだと思うのでございますが、ややそもそも論的かどうかわかりませんが、我が国の場合は貿易に依存するところが極めて大きいことから、国際社会の責任ある一員といたしましては、諸外国との国際協調を図るとともに、国際貿易の健全な発展に積極的に貢献していかなければならない、そういうところだと思います。
このため、水際取り締まり機関である税関においては、輸入貨物だけでなく、他国に輸出される貨物についても必要な検査、取り締まりを実施し、国際的なテロ対策や大量破壊兵器の拡散防止に取り組んでいく必要があろうかと思っているところでございまして、EUの制度の、アメリカの場合には輸出は単なる届け出、私どもとしては、輸出についても許可という仕組みをとっているのではなかろうかと思っているところでございます。
御質問のございました、いわゆるNACCSが整備されているということであれば、少なくとも特定輸出者については全国のどこの税関でも自由に申告できる体制にできるのではないかということなんでございますが、釈迦に説法でございますが、関税法六十七条に基づく輸出申告を行った場合には、税関は当該申告の内容を審査し、必要に応じて輸出貨物について検査を行うこととしているわけでございます。
このため、貨物の蔵置場所が輸出申告の行われた税関官署から離れている場合には、円滑な検査の実施に支障が生じ、迅速な通関を阻害するおそれがあるわけでございまして、NACCSを使用して行われる輸出申告であっても、どこの税関へも自由に申告させるということは適当ではないと考えているところでございます。
お話のございました特定輸出申告制度でございますが、これは、セキュリティー対策の強化と国際物流の高度化に対応した物流の円滑化、これをどう両立されるかということを目的といたしまして、自社施設での輸出通関を可能とするために導入されたものでございます。同制度の下におきましても、必要に応じ検査を行うということが安全等の観点からして必要でございまして、一般の貨物と同様に、どこの税関へも自由に申告させるということは現在では適当ではないと考えているところでございます。

○田村(謙)委員
とにかく何かあると保税地域に入れなきゃいけない、それはやはり検査に支障があるとか。ITという言葉も古くなるぐらい、NACCSを初めとして電子化が進んでいる中で、大体の審査というのは全部できるわけですよね、別にその場にいなくたって、あるいは貨物の近くにいなくたって。
唯一本当に検査する、だれか税関の方が実際に貨物の中を、それこそいろいろチェックするという場合には確かにその貨物を見なきゃいけませんけれども、関税局さんが太鼓判を押した業者さんをそんなにしょっちゅう検査するわけじゃないでしょうから、例えば、たまに検査、もちろん抜き打ち的なものはやるべきだと思いますよ、それは。でも、別にそんなの、ほかの税関にやってくれと言えば済むような話だと私は思いますよ。
今はないと思いますけれども、例えば、今はこの特定輸出制度を利用しているのが一社、これからもそんなにふえませんよね。だったら、ますます簡単だと思うんですけれども、まさに全国の税関が見られるようなデータベースを構築する、その業者についての。それも、たくさんの業者が出てきたら大変かもしれませんけれども、残念ながら利用者は少ないですから、多分そんな大変なことじゃないと思います。そのデータについては各税関で見られる。実際の検査について、実際人が行くときには、実際に貨物がある場所が別にどこだって、どこかの税関に依頼すればいいんじゃないかと思いますよ、私は。
そこが、とにかく何か検査をするためには保税地域になきゃいけない、そこはもうずっと同じ税関が担当してなきゃいけないというのは、やはりIT化の前の発想ですよね。私、全部そうしろと言っているわけじゃないんですよ、それは。ここまで太鼓判を押している業者ぐらいとにかく認めて、それはより業者の利便性もあります。そういったところが日本経済のためにもなるんだろうと私は思うので、そこは強く強調させていただきたいというふうに思います。
先ほどから保税の話というのが出ていますけれども、若干だけ申し上げさせていただくと、今局長からもお話がありました、サプライチェーンともいうみたいですけれども、物流のセキュリティーをどうやって確保していくか。アメリカのテロによって、アメリカも非常に認識を変えてきて、非常に危機感を持ってきて、アメリカもそういうサプライチェーンのセキュリティー管理についての新しい制度を導入しているというような話も聞いています。
ただ、結局それというのは、みんな輸入なんですよね。それはもう先ほど申し上げたように、EUというのは相互の関係がやはりありますので輸出入になりますけれども、あれだけ危機感を持ったアメリカも当然やはり輸入の方を強化しているのであって、そこを日本の方は、輸出の方から特定輸出申告制度を始めたわけですよね。企業のコンプライアンスを高める、それは非常に重要なことだと思います。そういう意味で、昨年の制度改正というのはいいと思いますけれども、やはり税関だけで見るのは限界がある。
非常にコンプライアンスが高い、まさにいろいろなセキュリティーの管理をしっかりしている業者については、逆に言うと、税関のかわりにそういう貨物をある意味でしっかり管理をしてもらう。そういう業者が扱う貨物については、怪しいものがまじったりしないという信頼感、それによって、逆に、それ以外の貨物について税関の方々がばあっと集中して取り締まりをする。それはある意味で、そういう業者と一緒になって取り締まりを強化していくという話だと思うのです。
とにかく、建前を振りかざすほど人員はいない、そして、特定輸出申告制度を利用する業者も信用できない。結局、何でもかんでも強化しますと建前だけを言って、本当のいわゆる選択と集中ができないという一つの象徴なんじゃないかなというのがまさにこの保税地域だと私は思っているのですよ。私は、当時担当者だったときから強くそこは思っています。
それについてもう一回、ちょっと局長、お答えください。

○竹内政府参考人
議員におかれまして、御在任中から保税制度は不要論ということを唱えられていることは十分承知しておるわけでございます。またこういう答弁をすると、また建前かと申されますが、私どもといたしましては、我が国では、輸出される貨物については、関係省庁が所管する各種の規制について水際での最終的な確認を行いまして、行政効率の観点から一元的に税関において行うという仕組みをとっているわけでございます。
実際、このため、税関におきましては、武器、盗難自動車等が不正に輸出されることのないよう、輸出貨物を、税関の監督のもと、水際での物流拠点に設置された保税地域に集約させ、必要な検査及び取り締まりを集中的かつ効率的に実施するとともに、輸出貨物の船積み等がなされるまでの間に荷抜きやすりかえがないよう、保税制度のもと、適正な貨物管理を求めているところでございます。
荷抜き、すりかえでございますが、私もこれは抽象的なものかと思って聞いておりましたが、最近でも、すりかえなどの話について、現場の税関から事案が上がってきているところでございます。
また、諸外国の例について申し上げますれば、EC諸国におきましても、セキュリティー確保と輸出貨物の適正管理の観点から、税関の監督のもとにある場所に貨物を搬入の上、輸出申告を行うという意味での我が国と同様の制度をとっているところでございます。
私どもといたしましては、現在、グローバル化した国際社会の中で、セキュリティー対策の強化と国際物流の高度化に対応した物流の円滑化の両立を図る観点から、輸出貨物に係る効率的な取り締まりの実施はますます重要になってきているということでございまして、税関におきまして、引き続き保税制度を維持していく必要があろうと考えているところでございます。
いずれにいたしましても、御指摘の物流の効率化に関するさらなる取り組みということにつきましては、私どもの下に置きました国際物流と貿易取引に関する研究会で、内外の物流関係者等から幅広く意見を聴取しているところでございまして、高度化やセキュリティー確保のための対応と、先ほどございました物流の効率化の両立をどうやって図っていくかという点につきましては、今後とも、引き続き関税制度全体の中で幅広い観点から検討していく必要があろうと思っているところでございます。
ちなみに、関税法全体につきましても、現在、法律の専門家等を呼んで研究会を始めているところでございまして、物流の現場の声あるいは法制度全体につきまして幅広く検討して引き続きいきたいと思っているところでございます。
以上でございます。

○田村(謙)委員
局長は私的な研究会をおつくりになって勉強なさっているというのは、それは大変いいことだと思います。
ただ、往々にしてあるのは、結局、局長の御任期も二年か三年、三年は長いわけですよね、大体一年か二年でかわる、そうすると、局長がかわるとその研究会もなくなったりして、結局報告書だけがどこか隅に、単なる参考資料になってしまうということが往々にしてありますよね。それは関税局に限らず、主税局でもそういうのが結構ありました。
もうとにかくそこはぜひ、研究会をなさるのであれば、それはもうそれこそ来年の法改正にまたつなげるような意気込みでやっていただきたいというのは、私からも強くお願いを申し上げるところであります。
ちょっと一点だけ。もう時間がなくなりましたけれども、今回の法改正についてちょっと質問し忘れましたので、一点だけ、ちょっと追加で恐縮ですが、お伺いしたいのですけれども……

○小野委員長
もう時間になっていますから、短くお願いします。

○田村(謙)委員
はい。今回、入港前の報告の義務づけというものをなさったという改正がありますけれども……(発言する者あり)済みません、では、時間が来ましたので、終わらせていただきます。
ありがとうございました。

 

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