○田村(謙)委員
民主党の田村謙治でございます。
私はこの委員会の委員ではございませんで、主に財務金融委員会を中心として活動しておりますが、公益法人制度改革の税制ということで登板させていただいて、議論をさせていただきたいと思います。
公益法人制度改革につきましては、先週、民主党の市村浩一郎議員が議論をさせていただいておりますので、そのときの議論も踏まえて、その延長線上でさらにもう一歩踏み込んだ議論をさせていただければと思っている次第ですので、どうぞよろしくお願いをいたします。
若干、市村議員ともかぶってしまう部分もございますけれども、今回の公益法人制度改革、その法案、まさに公益法人制度というものが数十年以上余り手をつけられずに今まで来て、それを今回抜本的に改革するというのは、大変おくればせながら、いいことだとは思います。ただ、結局、その条文の中には税制についての規定というのは全くなされていないという状況にございます。
先週の議論におきましても、大臣が、新しい制度が動き出す平成二十年度までに税制上の措置を講ずるという御答弁はなさっておられますけれども、そしてまた、昨年におきましては政府税調でも検討していらっしゃるということは承知をしておるわけですが、やはり今回、とにかく公益法人制度を百年以上ぶりに抜本的に改革するんだという中で、税だけを切り離すという理由をまた改めてお伺いさせていただきたいと思います。
○山口副大臣
お答えいたします。
公益法人制度改革については、いわゆる行政委託型公益法人の改革が進められている中で、例のKSD事件を経て、制度全般、その必要性が強く認識をされまして、今回の明治二十九年創設以来の抜本改革に至ったのは、委員御承知のとおりだと思います。
その過程で、この問題に関係の深い税制についても、昨年の六月、政府税調の新たな非営利法人に関する課税及び寄附金税制についての基本的な考えの中で、改革後の新制度のもとで公益性を有すると判断された法人に対し、法人税制や寄附税制上の優遇措置を講ずるべきと指摘がされる。また、公益法人制度のあり方と並行いたしまして、政府税調の場で一定の方向をもって議論をお進めいただいておるところであります。
こうした経緯を踏まえつつ、今回、公益法人制度改革三法案を提出し、その中で、新たな公益法人が行う公益的な活動の重要性を踏まえ、新制度施行までの間に対応する税制上の措置を講ずることを明確に定めているところであります。その具体的な内容については、法案の内容や国会における御議論を踏まえながら、新制度施行までの間に所要の措置を講ずることとしており、委員の後回しとの御批判は当たらないのではないかと考えております。
○谷垣国務大臣
委員のおっしゃるように、今度のこの制度改革は、明治にできた民法以来の、自然人と並ぶ法主体である法人をどういうふうに考えていこうかという大きな改革だと私も思っております。ただ、税だけ後回しにしたということではございませんで、税が非常に重要な役割を果たすことは、私もこの問題では多分委員が意図しておられることと同じことを考えていると思いますが、ただ、議論の順序として、まずどういう制度がつくられるか、それに合わせて制度設計をしていこうと。だから、何もしていないわけではございませんで、昨年六月には政府税調で基本的考え方を公表いたしました。それから、この法案の中にも、新たな公益法人が行う公益的な活動の重要性を踏まえて税制上の措置を講ずるという旨が規定されておりますので、先ほどおっしゃったように、施行までにきちっと税制も議論をして、合わせて施行できるようにしよう、こういうことでございます。
○田村(謙)委員
私がお伺いした、税は後で定めるということについてのちゃんとした明確な理由を結局お伺いできなかったんですけれども、例えば、今副大臣がおっしゃっておられた、確かに昨年政府税調の答申が出ました。ただ、そこを拝見しても、しっかりと決まっているわけじゃないですよね。
そもそも、政府税調の答申というものは、政府税調である程度考え方を示して、その中に、例えば、より検討を進めるべきとか、これこれについてはこういう方向にすべきとか、極めてあいまいな、どうともとれるような表現のものがたくさんあります。まあ政府税調はいつも大体そうだと思いますけれども。毎年十二月上旬に政府税調で次年度の改正案について方針を示しても、結局その後に自民党の税調でひっくり返される、あるいは棚上げされることというのは幾らでもありますよね。
ですから、去年政府税調で議論したというのは、それは当然やるべきですけれども、去年やったからそれでどうという話じゃないですよね。あくまで議論を始めましたというだけであって、またさらに副大臣おっしゃいました、今回の公益法人制度改革の法案において、税制についても、政府税調の考えを踏まえとは書いていませんが、とにかく優遇をすると。まあ優遇をすると書くのは当たり前のことで、私がお伺いしているのは、どういう優遇措置を具体的にどこまでやるのかということを何も書いていない。先ほど副大臣もおっしゃったように、政府税調で今議論をしているわけですよね。結局、議論はやっている、進んでいる最中であって、まだ決まっていないわけじゃないですか。
そしてまた、谷垣大臣がおっしゃったように、全体の制度がどうなったか見きわめてから議論するというのはわかりますよ。でも、もう既にその制度というのはこの法案になっているわけですから、毎年の税制のサイクルが確かにいつも年度末に決めるんだ、まさに政府税調とそして自民党税調のサイクルがそれしかないんだから無理なんだという理由以外に明確な理由はどうも思い当たらないんですよ。
それと、せっかくこういう特別委員会をつくっているわけですよね。今回本当に、行革全体も非常に大きなテーマですけれども、その中で公益法人制度改革というものも大変大事な改革、もう大改革だということは大臣そろって先週もおっしゃっておられました。そういう公益法人制度改革の中で大変重要な意味を占める税制を結局今回取り扱わないということは、本当に大改革と思っているのかどうかということですよ。税制はもう、例えば自民党税調そして財務金融委員会で議論すればいい、あとは本会議でしゃんしゃんでいいというふうにしか思えないんですけれども、いかがでしょう。
○伊吹委員長
税制改正に関することですから、谷垣財務大臣、答えてください。
○田村(謙)委員
当然、いわゆる社会悪物品と言われるものがどれだけの量があるかというのは把握できるはずがないわけですけれども、ただ、実際に職員がどういう、それこそ今回、特に最近新しい話ですと、知的財産のものに関してどれだけの仕事をするのかとか、それはよりさらに時間をかけなきゃいけないのかとか、そこら辺はやりながら考えるということなのかなと理解いたします。
私は、これから、きょうの議論、さまざまな議論において何度も申し上げますけれども、基本的に、人員なども非常に限られている、そういう中で、まさに日本の国益が何かというのがやはり第一だろうと。それを考えた場合、やはりそこは国内の治安ということですので、単純に輸出、輸入と分けるのは、これはできない部分は多々ありますけれども、非常に限られたリソースの中では、取り締まり強化という場合に、基本的には輸入の取り締まりをより強化すべきだという考え方を持っております。
輸出に関しても、もちろん規定を整備するというのは当然やるべきだったと思いますし、それはいろいろな意味で、牽制効果も含めていいことだと思いますけれども、ただ、やはり、より業務量がそれによってふえる、何となくふえてしまってということになっても、もちろん、他国の治安、安全というものも、それはお互いに各国の協力ですから、大事ではありますけれども、ただ、やはり、そこは国内、それぞれの国が自国の国益を第一に考えている。
アメリカに限らず、ほぼ先進国、多くの国は、それこそ輸入の取り締まりを中心として、自国に社会悪物品が入らないようにするというのを第一に考えているということがありますので、やはりそういった観点からも、もちろん輸入も輸出も完璧にチェックできればいいに決まっていますけれども、そんなリソースはない、人員も足りない、そういった中でどうしていくかということをもう少し具体的にお伺いをさせていただきたいと思います。
確かに現在、日本の、私も、九八年から二年間関税局で、後ろに座っていらっしゃる大先輩方に御指導いただきましたので、実態も多々拝見させていただいておりますけれども、例えば、当時も私も視察に伺いましたが、たまたま私の地元にあります清水支署、税関の清水支署ですね、そこでも、ちょうどまだ私が浪人中のおととしに、史上最大のコカインを摘発なさったという大きなニュースが地元でも取り上げられて、税関の方も大変頑張っていらっしゃるなというのは非常に実感をしたというところであります。
その清水支署も、私もごあいさつに伺って、正確な人数はわかりませんけれども、大体多分五、六、七十人ぐらいでやっていらっしゃるのかなと。あらゆる貨物をチェックできるはずはないわけですから、当然めり張りをつけていろいろやっている。
ただ、保税制度という制度があります、それについてちょっと後で議論させていただきますけれども、例えば保税の担当者というのはかなり業務的に余裕があるなというのは、私が当時大変実感したことでございまして、その一方で、いわゆる取り締まりですね、監視という部門になりますけれども、いろいろな貨物を、日々入ってくるものをチェックするという担当者は、日々非常に緊張感の中でやっている、随分部門によって緊張感が違うなというのは随分思った次第ではあります。
例えば、そういったところを、保税に限りませんけれども、取り締まり以外の部門をより効率化して、人員を減らして、残りを取り締まりに振り向けるといったような、税関さんの内部の中での努力が大変重要だと思うんですけれども、それに関してはいかがでしょうか。
○谷垣国務大臣
結局、先ほどの何で税は後なんだということを申しますと、まず第一に、今まで大体そういう仕組みでやってきたということは確かにあるわけです。まず法律をつくりますけれども、税制改正はその法律の施行までにやってきたのが今までの例であるということは一つ確かにございます。ただ、それだけで今度そうしようとしているわけじゃございませんで、やはり税の優遇措置等をつくる場合には、どういう制度設計が行われていくかということが詳細にわからないと、なかなか細部まで制度設計ができないという面がございます。これが二点目ですね。それから三点目とすれば、そしてその法制度の施行のときまでには税制を合わせていこうという、三点の考えでやっておりますので、委員からおしかりを受けるようなことではないのではないかと思っております。
ただ、では制度設計というのはもうこの法律でできているじゃないかというふうにおっしゃいますけれども、新しい制度下での公益法人で、法人本体に対する課税とか、あるいは寄附金税制に関する優遇措置を議論するにつきましては、やはり幾つか制度を見ておかなきゃならないところがまだ確定しておりません。例えば、残余財産の帰属がどうなるのか、あるいは公益法人にかかる財務上の規制の内容等を見きわめる必要がございますけれども、これは結局、政省令等にゆだねられるんだと思うんですね。ですから、そっちの方の議論と並行してやっていかないと、なかなか税の方で制度が詰まらないということがあろうかと思っております。
それに加えまして、昨年の税調の基本的考え方の中でも触れていただいておりますが、新しい制度下の公益法人に対する公益性の認定の仕方、あるいはその後の監督のあり方、こういったものについてどういう運用体制がつくられていくかということも見きわめる必要があるんじゃないかと思っておりまして、そういう議論と並行しながら制度を詰めていきたいと考えているわけであります。
○田村(謙)委員
私は、税制に関しては毎年のスケジュールを崩さないというのは、やはり怠慢にしか思えないんですけれども、もちろん税制の非常に細かいところというのは、今回の公益法人制度の優遇税制についても、非常に細かい仕組みについて別に全部を、まさに税法をそのままこっちに持ってこいという発想を私は持っているわけではありません。
ただ、例えばの話ではありますけれども、公益性の認定がどうなるか。今回、認定の委員会をつくるわけですよね。そこで、認定の委員会をつくった場合、例えば去年の政府税調の答申を見る限り、あるいは従来の公益法人制度を考えると、新しい公益社団法人そして財団法人は、従来の公益法人と同じような優遇税制を受けるのかなというふうな感じがしますが、例えばそういった方向性についてはいかがなんでしょう。
○赤羽副大臣
お答え申し上げます。
まず、現行の民法三十四条に規定をされている公益法人の課税対象につきましては、その公益法人の残余財産の帰属の態様ですとか事業活動の実態等を踏まえて設計されておりまして、そのすべての収益を課税対象とするのではなく、他の法人との競合性が生じるいわゆる収益事業、三十三事業のみを課税対象とするところでございます。
新制度の今後の公益法人につきましても、今申し上げましたような適切な制度設計が確保されている限りは、これまでどおり一部の事業収益についてのみ課税するという考え方を維持することが基本になると考えております。その際には、他の法人との競合性が課税すべき事業収益の一つのメルクマールになる、そのようにも考えております。
ただし、今大臣からの御答弁もありましたように、課税対象となる具体的な範囲につきましては、今後の公益法人制度改革に対する設計が明らかになった段階で、税制全般についての具体的な検討が図られるものと考えております。
以上でございます。
○田村(謙)委員
先ほどの大臣の御答弁に戻りますけれども、まさに、例えば残余財産をどうするかとか、確かに今回の新しい公益法人制度のより詳細、政省令で決めるようなことがわからなければ決められない、税制の詳細な部分というのはあると思いますよ。でも、全体をかっちりと決められない、まさに税制においても政省令で決めるような部分というのはあるわけですよね。政省令あるいは国税通則で決めるような話もあるわけですから。
まさに税法レベル、あるいはもう少し簡単でもいいですけれども、大枠について、今回の公益法人制度改革に合わせてしっかりと規定するのがなぜ不可能なのかというのはやはりよくわからないんですけれども、もう一度お答えいただけますか。
○伊吹委員長
谷垣財務大臣、先般来の市村君の質疑と極めて重複していることですから、それを踏まえて、統一的に答えてください。
○谷垣国務大臣
細部にわたりましては、確かに委員のおっしゃるように政令等で詰めていかなければならないわけですが、やはり私は、税の考え方として、まず制度が基本にあるんだろうと思います。制度というのは、この場合でいえば法人、公益法人というのはどういうものとして設計されるのかという基本的な考えがあって、それに対応して法人を税の上でどう規律していくかという形で税法ができるんだろうと思っております。
その上で、基本的な考えをもう少し盛り込んでもいいではないかというお問いかけだと思いますが、それは、この法律の中にも今後の設計に合わせて税も考えていくということが書かれておりますし、そういうことも考えまして、昨年、政府税調におかれましては、いわゆる基本的考え方というのを出していただいたんだと思います。ですから、ここから先は、そういった詳細なところを見きわめながら詰めていくという考え方でよいのではないかと私は思います。
○田村(謙)委員
私も先ほど申し上げましたように、とにかく公益法人制度の大改革、それは当然税制も一体として、この特別委員会はもうまさに行革国会と首相がおっしゃっている、その一番メーンの委員会ですよね。そのメーンの改革の一つである公益法人について税制だけ切り離すというのは、やはり私には逃げというか棚上げというか、従来どおりのスケジュールでいいんだというふうにしか思えない部分があります。
平行線になると思いますので、より具体的な話を。結局、方向性が、去年の政府税調の答申だけしかそういう意味では手がかりがありませんので、どうしてもあいまいになってしまうんですけれども、まず一点目です。今回、公益法人制度、まさに公益社団法人と公益財団法人というのが認定委員会で認定をされる、それについては要するに優遇税制が適用されるということになるんだと思いますが、その一方で、先週、市村議員がさんざん議論いたしましたNPOについては、認定NPOというのは国税庁が認定をするということになっていると思いますけれども、まさに、NPOについては国税庁、そして今回のこの公益法人については認定の委員会、そういうように分かれてしまっている、それは税制の優遇についても。
そういうような制度というのはほかの国にもあるんでしょうか。例えば、よく主税局が参考にしている英米独仏でそのような制度というのはありますか。
○佐々木政府参考人
主要国についてお答え申し上げます。
すべて完全に調査をしているわけではございませんが、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、それぞれ判断をいたしますものは税当局あるいはチャリティーコミッティーのような組織、いずれかが判断をするということになっております。
○伊吹委員長
佐々木参考人、今質問しているのは、どこかの国において認定をする組織が別々であるかどうかということを聞いているわけです。
○佐々木政府参考人
再度申し上げますと、すべての国について調査を尽くしているわけではございませんが、先ほど申し上げましたアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスにおきましては、どこか一つの組織が判断をしているということでございます。
○田村(謙)委員
委員長、ありがとうございました。
今度この公益法人制度改革をすると、委員会はできます。非常に、中立性が保たれるような、この法案を見る限りはいい委員会だと私も思いますけれども、そういう委員会で認定するところもあれば、ほかのNPOについては国税庁だけで判断をする。何か、場合によってはダブルスタンダードのような。それこそ英米独仏、そういうNPOとか、いわゆる非営利法人先進国においてそういうふうに分かれているところはないわけですよ。
例えば、今回税制についてもしっかり議論していれば、そういうことも浮き彫りになったりするわけですよね。先週の議論、まさに市村議員の議論でもそうですけれども、結局、税制というのは後になっていますからそこまでの議論にはなりませんけれども、何でNPOと今回のこの公益法人で分けてしまうんだという漠然とした議論になりますけれども、例えば、税制で見るとそういう問題があると思いませんか。大臣、いかがですか。
○谷垣国務大臣
今の御議論は、結局、認定NPO法人制度と今度の新しい公益法人の考え方とをどういうふうに整理していくんだということになるんだろうと思うんですね。
それで、NPO法人、特定非営利活動法人制度、これはもう制度ができてから七年、法人数が二万五千を超えるというような形で着実に社会に定着してきていると思います。それで、ボランティア活動といったもののさらなる発展が必要なわけでございますから、それを促すためにも制度はやはり引き続き置いておく、そしてそのさらなる発展を図るということが適当であろうというふうに考えているわけでございます。
そうしますと、新たな公益法人制度と併存させるということになるわけですが、非営利活動を行う法人に対して複数の選択肢を提供する、そういう意味で、民間部門による公益的活動の発展につながるという面もあるのではなかろうか、こういう考え方で、こっちはこっちで残しておくということになるわけでございます。
それで、では新しい公益法人制度ではどうするかということになりますと、これはもう今さら私がるる申し上げるまでもなく、官が、それぞれの主管官庁が公益はこうだという形で認定していたのをやめて、もっと一般的な形で民間の公益を担う機能を高めようということで第三者機関によって統一的に見直そうということになったわけでございますから、それはそれで、民の担う公益を推進していく上では新しい考えを取り入れた画期的な部分があるんじゃないかと私は思います。
そこで、税の考え方としては、第三者機関が公益性があると認定した場合には税の面でもできるだけそれに合わせていこうという考え方で今後の税制を設計しようとしているわけであります。では、それは国税庁が判断すればいいじゃないかということになりますが、そこはやはり、認定NPOの方は税の優遇をどうするかという観点から判断するわけでありますから、国税庁が判断するという仕組みをつくったわけでありますが、むしろ、公益性の認定そのものと税制を合わせていこうという新しい考え方を今度取り入れるわけですので、その認定が第三者機関になる、こういうことではないかと思います。
○田村(謙)委員
結局、今までの制度をそのまま残すというか、公益法人というのがあって、それと別に特定非営利、いわゆるNPO法人というのがある。それをそのまま残してやっていこうということ、本当の抜本的な改革ではなくて、今までの制度に乗っかってそれをある程度いじるということにしか思えないんですね。実際、ほかの国にそんな例は見当たらないわけですよ。
そもそも、NPOにしても、税制を優遇するというのは、まさに公益性が非常に高いというふうに国税庁が認定しているわけですね。その認定が非常に厳し過ぎるがゆえに今認定NPOというのは非常に少ないという大変な問題がありますけれども、それは今回の公益法人制度改革には残念ながら入っていませんのでこれ以上は議論しませんが、やはりそういったいびつな体制というものが結局今回またできてしまうということは、税制の面から見ても非常に問題だというふうに思っています。
もう一点、さらに具体的な話をお伺いいたします。
先ほど公益法人についてどのような課税があるかというのを財務副大臣の方からお答えいただきましたけれども、結局、何に課税をするか。公益社団法人、公益財団法人について、収益事業については課税をする。その三十三業種というものが現在列挙をされていて、それをどうするか検討しなければいけないということは昨年の政府税調の答申にも出ているわけでありますけれども、まさに、現代において公益法人等が行う事業活動というのは大変多様化をしている、そして営利法人との間の課税のアンバランスというのが生じているということがあると思います。
そもそも、公益法人であっても収益事業に課税をするという発想自体は、営利法人との競合を避ける、営利企業と競合するからという理由だと思いますけれども、やはりそういう発想自体というのがだんだん時代おくれになってきているんじゃないかなというふうに思うんですよ。
先週も議論がありましたけれども、広い意味での公益法人というものの役割は、官から民へという流れの中で、民でも民間企業ができないような、それこそ普通の民間企業では利益を上げられないような事業について、例えばボランティア精神とか、そういった方々がまさに自分の利益を追求せずにやっていく。そういう事業で重なる事業というのはたくさんあるわけですね。特に福祉とかが一番わかりやすいと思いますけれども。そういう状況の中で、とにかく営利企業と競合するんだ、それを三十三個並べました、それを仮に幾ら拡大をしていっても、やはりどうしてもわかりにくいと思いますよ。
また欧米の話を出して恐縮ですけれども、欧米においては、既に、例えば公益法人の本来の事業、公益目的の事業についてはとにかく非課税にするという原則があって、公益事業に関連しない事業については課税をするという明確な大原則をとっていますよね。
日本だけが収益事業を限定列挙して、それをさあどうしようかと混乱した議論をしていると思うんですけれども、それについていかがお考えになりますか。
○谷垣国務大臣
委員のおっしゃった、営利法人と競合関係にある三十三を限定列挙しているわけでありますが、これについては去年の六月の政府税調の基本的考え方の中でもいろいろな議論がされているわけですね。
それで、限定列挙されている収益事業の範囲を拡大すると同時に、現行の収益事業の範疇であっても一部非課税とされている特定の事業内容についてその妥当性を再検討すべきであるという考え方とか、あるいは、公益法人等が多様な事業活動を行っている現状がございますので、課税対象を個別に列挙するよりも、例えば対価を得て行う事業というように包括的に定めた上で、一定のものを除外するといった考え方もあるのではないかという指摘が確かにございます。
その内容については今後よく見直しを図るべき事柄であるというふうに考えておりますが、今委員のおっしゃった議論は、突き詰めていけば、本来事業を非課税とすべきという外国の例も挙げられました、そういう考え方に連なっていく議論をされているだろうと思うんですが、これは現行の民法三十四条の法人でどういう法人がつくられてきたかということと私はやはり関連があるんだろうと思います。
これは今まで各省庁の自由な裁量のもとで公益法人が許可されてきた。本来事業として、同窓会のような共益的な性格が濃い、そういうことをやっている、これは中間法人がなかったということとも関連してくるわけですが、そういうものも社団法人として活動を行っているような例がございます。それから、実質的には営利法人と変わらないような活動をしているものがあるわけで、それを一律に本来事業非課税という形でやるのが適当かどうか。そこはなかなかとりがたいところがございまして、そういう中で従来ずっと、限定列挙するような今の収益事業課税の方式がとられてきた。
この範囲については見直しする必要があろうかと思っておりますが、まだそこらあたりの、今委員のおっしゃったところまで突っ込んでいくには、ちょっとまだ今の日本の法人の実態というものは、なかなかそうはいかないんじゃないかなというふうに考えているところでございます。
○田村(謙)委員
もう時間が来ましたのでこれ以上質問いたしませんけれども、いろいろな意味で、きょうもわずか三十分ですがお伺いをしていても、結局、抜本的な改革といいながら、今までのもちろん過去の経緯というのはいろいろ大事なところがありますよ、ですけれども、抜本的に改革する場合は、過去のそういう経緯を振り払って、ゼロから今後のあるべき姿を考えて制度設計をするというのは大変重要なことだと思うんですね。
今回のこの公益法人というのは、まさにNPOと一緒に、全体を含めて本来考えるべきであったと思いますし、例えば最後の具体的なことについても、今までの収益事業を限定列挙、その延長線上で考えるという考え方というのは極めて日本特異で、それは日本は確かにNPO制度というのがまだまだ欧米に比べて日が浅いですけれども、だからといって過去の経緯でちょっといじるだけでしようがないんだというふうに私は思いません。
やはりそこはできるだけ、とにかくNPOや公益法人について、社会におけるその役割というものを今後重視していくのであれば、欧米のいいところもしっかりと見習いながら、もちろん完全にまねするべきだと私は思っていませんが、過去の経緯にとらわれて、かつ税だけを切り離して、今回この委員会でちゃんと議論できないのは大変残念に思いますけれども、またいずれ財務金融委員会で議論させていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。