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2006年05月10日 財務金融委員会

○田村(謙)委員 民主党の田村謙治でございます。
 三谷議員の質疑を引き継ぎましてやりとりをさせていただきたいと思うんですけれ ども、その前に、せっかく大変貴重な機会ですので、きょうの新聞をにぎわせており ます中央青山について、ほんのわずか、大臣に確認の質問をさせていただきたいと思 います。
 昨日も谷口委員が大臣に御質問をなさって、大臣が一言だけお答えになっていらっ しゃいます。「粉飾決算にかかわったということに関しましては、それなりの処分と いうものはあり得るわけでございます。」という御答弁をなさって、それについてき ょうの新聞では、例えば、大臣が強い姿勢を表明したというふうにとらえているとこ ろもあるようですけれども、非常に具体的に処分内容も新聞には出ておりますよね。 七月から二カ月間、そして法定監査すべてについて業務停止をするというような処分 がきょう発表されるということが書いてあります。さらにちょっと関係者に聞いたと ころ、その発表は夕方なんじゃないかという話も聞いております。
 まだそういう発表はないと思いますけれども、ともかくそういった内容というのが 既に新聞に非常に詳細に書かれているわけでありますが、その処分の内容について、 及び新聞報道でそこまで発表の前に報道されていることについて、大臣のお考えをお 伺いします。

○与謝野国務大臣 処分をする、あるいは処分の内容が事前に新聞で報道されるとい うのは、決して好ましいことではございません。金融庁としては、これらのことにつ いては厳正に情報を管理しているつもりでございますけれども、これらの情報はいろ いろな場所に散在をしておりますので、そういうところからつなぎ合わせるといろい ろな記事になるんだろうと思っております。
 実際には、中央青山に対する処分を昨日の公認会計士の審査会でも議論をしており ますし、方向としては、過去中央青山の行ったことにつきまして法令の範囲内で何を するかという結論は、近々出さざるを得ないと思っております。

○田村(謙)委員 確認ですけれども、処分がどういう内容になるのかということに ついては、御説明はできないということでよろしいんでしょうか。

○与謝野国務大臣 昨日の、例えば公認会計士の審査会の内容についても私のところ には上がってまいりませんし、大臣の意向とかそういうこととは別に、ルールに従っ て処分というものが行われるわけでございまして、それについて私が右左言う場面も ございませんし、あらかじめ私に、こうしたい、ああしたいという報告とか、報告を した上での了解とかということを求める種類の問題でもございません。

○田村(謙)委員 お答えいただけない、処分の発表前にその内容について言えない というのは基本的にそうだと思いますけれども、ただ、実際、今回のカネボウの粉飾 については、中央青山の理事長を参考人として、まだ与謝野大臣が大臣じゃないとき だと思いますけれども、お呼びをして、私もそのときに中央青山の理事長について責 任を追及したこともございます。国民の関心も、もちろんこの財務金融委員会におい ても非常に前からさまざまな議論をしている中で、我々財務金融委員会には何の話も なく、その一方で、例えば昨日の日経の朝刊、あれぐらい漏れてしまう、もちろん情 報管理というのを厳正にというふうに努めていらっしゃる、それが日経に漏れてしま うというぐらいはともかく、きょうはもう全紙が同じように書いているわけですよね。 要は全くコントロールできていないという状況の中で、結局、こういったせっかくの タイミングの財務金融委員会では何もお答えいただけないというのは、大変残念に思 います。
 それで、先ほど大臣がおっしゃった、まさに昨日、審査会で諮問が行われたという ことでありますけれども、監査法人について処分をする際の手続、処分決定に至るま での手続ということについて簡単に御説明をください。

○三國谷政府参考人 お答え申し上げます。
 公認会計士法上の監査法人の処分手続につきましては、まず、監査法人の社員に虚 偽証明等の事実があると思料するときは、職権をもって必要な調査を行い、次に、調 査の結果、監査法人等に対し処分をしようとするときは、行政手続法に規定する聴聞 を行いまして、不利益処分の原因となる事実につきまして、当事者の意見等を聞き、 その上で、公認会計士・監査審査会の意見を聞いて処分を行うという制度となってい るところでございます。

○田村(謙)委員 今の手続の中で、昨日、その審査会の意見を聞くという諮問が行 われたということですけれども、私、それについて、きのうの夕方、金融庁の担当者 の方に来ていただいてお話を伺っていて、今回の中央青山の件について何も答えられ ないと。その審査会に対する諮問についても、それをやるとかそれを開催しますとい うようなことは、例えば事前に話すことはできないというふうな説明を受けたんです けれども、それはそういう理解でよろしいんでしょうか。

○三國谷政府参考人 お答えいたします。
 個別案件の場合でございますが、金融庁としては、これまでも、過去の例といたし まして公認会計士あるいは監査法人を処分したことがございますが、そういった場合 でも、処分した場合には、その段階で、処分の原因となった事実あるいはその内容等 につきまして公表し、説明をしてきているところでございます。しかしながら、処分 に至る過程におきましては、個別案件の対応に係るコメントは差し控えさせていただ いているところでございます。

○田村(謙)委員 まさに担当者からお伺いしたのと同じなんですけれども、その一 方で、きょう、ある金融庁の担当記者に聞いたところ、大臣が昨日、その記者に対し て、審査会に諮問するということをおっしゃっておられるというふうに聞いたんです が、大臣、それはいかがですか。

○与謝野国務大臣 昨日、閣議後の記者会見で、報道について新聞記者から尋ねられ ました。審査会が行われるんですかということを聞かれましたので、審査会が行われ るというふうに聞いておりますと。
 実際のやりとりを正確に申し上げますと、質問は、きょう、一部報道で中央青山に 金融庁の方がカネボウの粉飾に絡んで業務停止命令を発動するとの報道がございまし た、これに関して現在大臣が把握していらっしゃる事実と、あと金融庁の今後の対応 についてお聞かせくださいと。私の答え、私も皆様方も新聞はよく読むべきだと思い ました、ただ、この問題はきちんとした手続を経て判断をしなければならない問題で あって、きょう午後、公認会計士審査会が行われます、それ以上のことは金融庁から は報告は上がってきておりません、ただ、議題は、当然のこととして中央青山の問題 が取り上げられると私は理解しておりますと。

○田村(謙)委員 大臣が記者会見でおっしゃっているわけですよね。その大臣の記 者会見を私がきのうの夕方に把握していなかったというのは私の不勉強ではあります けれども、先ほどの金融庁の、まさに事前にそれは伝えられないんだという御説明に 反していると思うんですけれども、金融庁さん、いかがですか。

○三國谷政府参考人 まず、一般論を申し上げますと、個別事案につきましては、こ れは相手方があることでありますがゆえに、処分するまでは基本的に個別案件の対応 に係るコメントは差し控えさせていただいているところでございます。
 なお、一方で、昨日、公認会計士・監査審査会が開かれたこと、これもまた事実で ございます。

○田村(謙)委員 基本的には事前に公表しないということですから、今回の事案は 例外だという明確な理由がなければ、結局、事前に諮問することを公表しないという 基本の原則に、今回は大臣の記者会見の御発言は反したということなんだと私は理解 をしております。
 さらに申し上げると、今回、昨日の夕方の時点で、大臣の記者会見を私が知らなか ったのは問題とはいえ、金融庁の担当者が私に対して、諮問があるかないかもお伝え できないというふうな御説明をなさったのは、私としては大変残念だなと。それは、 財務金融委員を非常に金融庁さんは軽視しているんじゃないかなというふうに強く抗 議を申し上げさせていただいて、この件は本題ではありませんので、この件について は、済みません、あともう一点だけ。
 結局、具体的には今回の事案については何も答えられないということだと思います けれども、監査法人が業務停止を受けるという場合に、今回のはまさに大手の監査法 人で、例えば法定監査企業について業務停止をする、それが例えば二カ月じゃなくて も、一カ月でもいいですけれども、そういった場合、一般論としてどのような影響と いうものが考えられるのかということを、金融庁さんと、あと法務省さんにお伺いし ます。

○三國谷政府参考人 制度論について申し上げたいと思います。
 制度論ということになりますと、新しい会社法の問題でございますので、その意味 では、法務省さんの方からお答えする方が適切かもしれませんが、私どもの方から承 知している範囲を申し上げますと、会社法の三百三十七条、その三項というところで、 「次に掲げる者は、会計監査人となることができない。」ということで、幾つかの事 由が掲げられております。
 その一つが、「公認会計士法の規定により、」これは会社法の四百三十五条二項と いうものでございますが、それに規定する「計算書類について監査をすることができ ない者」ということになっておりまして、したがって、公認会計士法の規定で、一般 論といたしまして、仮に業務停止等の処分があった場合には、その範囲内においてこ の規定が適用されるということになろうかと思っております。
 その場合には、これも会社法の規定でございますけれども、会社法の三百四十六条 第四項の規定によりまして、「遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、 一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。」こととされている というぐあいに制度としては会社法がなっているものと承知しております。

○深山政府参考人 今の金融庁さんのお答えとほぼ同じことになりますけれども、も う一度、少し詳し目に説明をさせていただきます。
 監査法人が公認会計士法に基づく業務停止処分を受けた場合に、その監査法人を会 計監査人として選任している会社にどんな影響が出るかというのは、その業務停止処 分の内容次第であることは言うまでもありませんが、今御指摘のあったように、会社 法においては、会計監査人の欠格事由として、公認会計士法の規定により、計算書類 について監査をすることができない者というものが欠格事由となっておりますので、 仮に監査法人に対する業務停止処分の内容が、その会計監査人に選任されている株式 会社についての監査業務を停止するというものであれば、その株式会社における会計 監査人としての欠格事由に該当することになりますので、この場合には、その監査法 人は業務停止処分の効力の発生により、その株式会社における会計監査人としての地 位を当然失うということになります。
 そうなりますと、会計監査人が欠けた状態になりますので、会計監査人を会社法上 設置すべき株式会社がこれを欠くということになった場合には、原則としては、株主 総会において新たな会計監査人を選任すべきということになります。
 ただし、これも今御指摘がありましたが、新たな会計監査人が遅滞なく選任されな い場合には、その会社の監査役会において一時会計監査人を選任しなければならない、 こういうことになっております。

○田村(謙)委員 時間が限られておりますので、まだまだお聞きをしたいんですけ れども、この件についてはこれで終わりにいたしますが、先ほど申し上げましたよう に、会計監査の信頼を回復するという意味で今回の厳しい処分をするということは大 変いいことだと私も思っていますし、恐らくそれに賛同なさる委員が多いと思います けれども、ただ、やはり大臣としても、あるいは金融庁さんとしても、財務金融委員 会というものをよりしっかりと重視していただきたいということだけ最後に申し上げ ます。
 そして、本題に入ります。
 商品取引について先ほどからずっと議論が行われておりますけれども、きょうの午 後のトップバッターが西村議員でいらっしゃいました。私は、直接お話ししたことは ありませんけれども、大変優秀な、見識の深い方であるという評判は、私は財務省に いるときから聞いているところでございまして、一方的に尊敬申し上げています。た だ、しかしながら、先ほどのやりとりを聞いて大変がっかりしました。結局、経産省 の方が自分たちの既得権益を守るために、詳しい説明をするための質問を振るだけだ なと大変残念に思ったんです。
 その一方で、私は財務省出身ですので、では、おまえはいわゆる大蔵族かと勘違い されないようにあえて申し上げると、今回は、いろいろ主張はもう今まで民主党議員 が言っていますから言いません、あくまで共管なんですよ。別に金融庁によこせと言 っている話じゃないんです。もちろん、長い目で見れば金融サービスを全部一元化し て、例えばイギリスのように目指すべきだ、そのことについてはもうこれ以上言いま せんが、あくまで共管についてどうなんだという話をしています。
 そういう中で、それこそ実需がどうとか、商品取引について、産業基盤の側面と投 資の側面、二つある。産業基盤についての側面の話は、先ほどからもう、今までの議 論、そして先ほどの西村議員の質問に対しての答弁でもさんざん聞きました。それは もう私ども十分わかっていますよ。
 だけれども、投資の面は当然あるわけですよね。かつ、先ほど三谷議員も言ったよ うに、結局、実需とか現物取引というのは非常に割合が少ない。経産省や農水省が専 担でやる、自分たちだけでやる、金融庁との共管にはしないというのは、結局、産業 基盤の側面が非常に強いからということなんですか。投資の面というのがほとんど余 りないということであればわかりますけれども、産業基盤のことばかり先ほどから強 調していますけれども、それはそういう理解でよろしいんですか。経産省の方、お答 えください。

○谷政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、商品先物取引は産業インフラ として実物の市場で非常に重要な役割を果たしております。現実の船積みがどこに行 くかという数もさりながら、その実物が幾らで取引できるか、その将来の価格のヘッ ジとして、実際の取引関係者あるいは需要者がこの市場を非常に重要視していて、産 業のインフラとして極めて重要である。それを担保するために、品質がどうか、受け 渡しの条件がどうか、あるいは現実の市場が例えばこういう市場、商品先物取引にふ さわしいかどうか、現実の実務を見ながら、私どもも、農水省、経産省協力して効率 的な行政に努めているところでございます。

○田村(謙)委員 効率的な行政に努めても被害が多いわけですよね。結局、私の質 問に答えていないですよ。答えられないからお答えにならないと思いますけれども、 私が質問したのは、投資の面というのはそんなに小さいんですかということがまず、 要は、ではもっと単刀直入にまず聞いてみますよ、金融庁との共管よりも経産省だけ で担当する方がなぜいいんですか。

○谷政府参考人 投資の側面と申しますか、経済産業省も、例えば悪質商法の取り締 まりはまた私どものところでやっております。例えば、マルチ商法その他で、この商 品取引等で今問題になっているのと同じような不実告知、不当な勧誘が現実にござい まして、例えば昨年問題になりました住宅リフォームの悪質訪問販売なども含めまし て、私どもは、特定商取引法など法律の執行を強化することによって、お年寄りを初 めとする国民に、悪質な業者がもうかりますよでだまさない形を確保しております。 私ども、それを今後ともしっかりと執行していく、これが、屋上屋を重ねる三重行政 を目指すよりも、国民の市場を適正に形成する上で私どものやるべきことであると考 えております。

○田村(謙)委員 結局、今も長々と、いつも答弁が長過ぎるので、もっと短くして いただきたいんですけれども、単刀直入に。産業基盤の面とか、その育成について、 十分経産省は経験があると私もわかっていますから。結局、今私の、なぜ金融庁と共 管じゃいけないかという理由は、今の御答弁で当たるのは、屋上屋を重ねちゃいけな いと。別に、屋上屋を重ねるというのはどういう意味ですか。よりもっと具体的に、 金融庁が共管だとどういう問題が起きるのか。屋上屋を重ねるというより具体的な説 明でもいいですけれども、説明してください。
 あと、さらに申し上げるなら、実際に共管の事例というのはありますよね、国交省 と一緒に不動産特定事業とか。では、屋上屋というのは何が悪いのか。明確に、答え がないなら、それ以上答えられませんとちゃんと言ってください。

○谷政府参考人 私どもといたしましては、商品先物取引の市場の適正化を限られた 行政人員で図るためには、その限られた行政人員が、例えば個別の苦情をしっかりお 話を伺いながら証拠固めをする、立入検査をするというところに全力を注ぐ方が、役 所間のさまざまなやりとりを行うよりも、適切に悪質な商取引を排除していくために 効果的な側面が多いのではないかと考えております。

○田村(謙)委員 今の御答弁についてもまた質問しますけれども、一たん金融庁さ ん、共管だと、共管になさるというのは、経産省だけで見るのよりも何か悪いという 理由は何かありますか。

○三國谷政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど大臣からも御答弁申し上げた次第でございますが、商品取引所法の主務大臣 に内閣総理大臣を追加しようという御提案につきましては、一つは、繰り返しになり ますけれども、商品先物取引は農産物や鉱物などの現物そのものを対象とする取引で あり、現物の生産、流通に係る施策と密接に関連するものであるという面があること。 もう一つは、商品取引所法の主務省庁として、経済産業省、農林水産省に金融庁が加 わる場合には、三元行政による弊害が新たに生じるおそれもあるという面もあること。 それから、金融庁及び証券取引等監視委員会における人員体制面にも制約があること 等に関しまして慎重な検討が必要でございまして、まずは現在の所管官庁において必 要な体制整備を進めていただきますとともに、違反行為の検査監督に厳正に取り組ん でいただくことが適当であると考えているところでございます。

○田村(謙)委員 いろいろなところで、結局、いろいろな問題を先延ばしするとき に慎重な検討という話になるんですけれども、結局、そうやって日本の金融というの は失敗してきたわけですよね。もうそこは担当者の方、与謝野大臣も十分に認識して いらっしゃると思いますけれども、まさに世界市場で金融商品をどう取り扱っていく かというのは、既に金融先進国に幾らでも例がありますよね。イギリスとかアメリカ とか、もう今まで、民主党に限らず各議員が例を挙げて説明をしてくださっています。
 アメリカでは商品取引というのは一元化をしていて、証券取引とは別にしている。 ただ、それも、アメリカの場合には議会の農業委員会の監督下にある、ある意味では 議員の農業族の既得権益のようになってしまっているという事情があるようで、アメ リカにおいても商品取引と金融取引をすべて一体的に見るべきだという議論はかなり 強くなってきていると聞いています。アメリカはそういう特殊な事情があっても、例 えば商品取引は一元化しているわけですよね。
 ヨーロッパとかあるいはアジアのほかの市場を見ても、すべてまとめて金融商品と いうことで見ているというのがもう普通になっているわけですよ。日本の金融市場が ほかのそういった国よりも進んでいるんだということを説得的に御説明していただけ るなら別なんですけれども、いろいろ、特にアメリカとかイギリスと比べるとおくれ ていますよね。早くキャッチアップをしなければいけない。それを慎重な検討だと言 っているようでは、結局、ずっとおくれは取り戻せないし、まさにアジアの、シンガ ポールとかほかの市場にどんどん追い越されるばかりですよね。
 余り漠然としたことを言ってもまた漠然と返されるだけなので、結局、投資の面が 強いから金融庁も共管にすべきだというのは、民主党として、要は経産省と農水省に は、金融商品としてまずは投資家の保護という観点が薄い、あるいは検査監督能力が 低いという発想があるわけです。それは、人員だけじゃなくて能力的にもですよ。一 生懸命頑張るのは当たり前なんですよ、担当なんだから。金融庁の今の監督検査でも、 最近、この十年かけてようやくだんだん機能強化をしてきた。それでも、まだまだか なりあるわけですよね。
 そういうまさに投資家保護という観点から、金融庁と同等の、同等の規制があると いう話ならさんざん聞いていますよ、同等の検査監督能力があると言えますか。経産 省、どうぞ。

○谷政府参考人 商品先物取引で現在問題になっておりますことは、実際に勧誘に行 った場合、勧誘に行ったところで不実告知を行うなどの不当な行為がある、これをど のようにして取り締まって、業務停止処分をするかということでございます。
 この面で、私ども経済産業省はこれまで、悪質訪問販売、悪質電話勧誘、同様のこ とがございます、マルチ商法も同様のことがございます、この処分に非常に力を入れ ておりまして、昨年度、平成十七年度は、特定商取引法で二十二件の業務停止命令を 出しました。これは、それまでの年と比べまして大幅に増加をしております。これら の業務停止命令を含む行政処分を経験いたしまして、私ども、大変に行政のさまざま なノウハウを蓄積してきていると考えております。
 今後、商品先物取引も、そしてお年寄りなどをターゲットとする悪質訪問販売、電 話勧誘、マルチ商法などを含めまして、行政のさまざまな法執行を引き続き全力で行 ってまいる所存でございますし、そのための力を持っている、今後ともそのための力 を一層強めていく所存でございます。

○田村(謙)委員 経産省の方が努力しているのは、もちろん私は否定はしていない ですよ。それは、今までが余りにひど過ぎて、それが最近ましになった。
 私は、金融庁の検査監督能力と比べてどうですかという質問をして、金融庁と比較 してもという言葉はありませんでしたので、どうかわかりませんけれども、十分に能 力を持っているというふうにはおっしゃっておられましたよね。
 ただ、さんざんいろいろな議員が取り上げているように、まさによっぽど証券市場 より規模が低い商品先物取引で、株式取引よりもはるかに多い苦情がある。そして被 害者の割合もはるかに高いですよね。それでも、金融庁と比較をして十分に検査監督 能力が今あると。今後努力するなんという答弁はもう要らないですから、今あるのか ということを改めてお伺いします。

○谷政府参考人 商品先物取引についての国民生活センターに寄せられた苦情件数は、 昨年度約四千件、それまでの七千件と比べれば減ったとはいえ、依然多いと認識して おります。一層減らすために、法執行に努力する必要があると考えております。
 ただ同時に、昨年度、悪質住宅リフォーム訪問販売の苦情は九千件、悪質電話機リ ースの苦情件数は八千件ございました。このような、お年寄りを初めとする方々に対 する悪質商法の取り締まりを私ども全力を挙げて行っておりますし、不当な勧誘行為 をどう取り締まるかということについて、私どもは、全力で国民を守っていく、そう いう意欲と能力を持ちつつある、意欲は今持っておりますし、能力も格段に高まって きている。今後とも一層努力することによって、国民を不当な商法から守っていく所 存でございます。

○田村(謙)委員 今、意欲があると大変力強い御答弁をいただきました。それは意 欲はありますよね、能力がなければ、結局、金融庁にとられちゃう。
 結局、現状において同じ能力があるのかということについては、努力をするとしか お答えになっていない。それは、相談件数に限らず、いろいろ実情を見れば、私は前 から金融庁の検査監督も十分じゃないと言っている人間ですけれども、今経産省だけ にしていますが、経産省の能力がまだまだそこまでいっていない、ただ意欲があるか ら頑張るんだというお答えだと思います。
 ただ、例えば商品取引所、先ほど三谷議員も言っていましたけれども、経産省だと 工業品取引所ですね。相変わらず、理事長とか専務理事とか、御省から天下りしてい ますよね。民主党の議員が実際に視察に行った際に、その専務理事の経産省のOBの 方も、ある意味で経産省の現役の方というのは当然後輩ですよね、後輩のように対応 していたと。そういうような関係で、そもそもちゃんと監督検査できるのかなという ふうに思ったりもするわけですよ。それについて金融庁のお考えはいかがですか。
 農水省の話は聞いていないですけれども、ほぼ同じだと思いますので、時間の都合 で聞いていませんが、経産省、農水省のそういう監督検査能力、現在の能力について、 金融庁の人たちから見て、まさに金融商品の検査監督と同等の能力があると考えるか。
 あともう一つ。取引所にさんざん天下りをしているわけですよね。それも踏まえて お答えください。

○三國谷政府参考人 私ども、自分の所管のものといたしまして、私どもの検査監督 能力あるいは体制の強化には今後とも努めてまいりたいと思います。
 ほかの組織のことにつきまして、私の方から僣越なことを申し上げることは差し控 えさせていただきたいと思います。

○田村(謙)委員 それでは、経産大臣もお務めになった与謝野大臣に、今の議論に ついていかがお考えか、お考えをお伺いします。

○与謝野国務大臣 委員には多分御理解いただいていると思いますけれども、商品先 物という話になりますと、何か現物が全く動かないというふうに想像してしまうんで すけれども、例えば、私の選挙区であめを製造されていた方がおられますが、この方 は、砂糖を一定の値段で買ってコストを確定するために、先物市場で一年分のお砂糖 を予約しておりました。
 そういう意味では、先物市場というのは、一つは公正な価格形成をそこで行うとい う側面、それから、将来にわたっての自分の購入したいもの、あるいは自分が売りた いものの価格を確定しておくということ、こういうことは実は非常に重要な機能でご ざいまして、先ほどから農水省、経産省から現物が動いているんだというお話があり ましたけれども、実際には、現物の価格を決める価格形成という非常に重要な機能を 持っていると私は思います。
 ただ、委員が御指摘のように、やはりここに投資をする方、売り方か買い方かは別 にしまして、市場に参加される方々、このいわば投資家をきちんと保護をする、保護 をするためのいろいろな監督検査、処分等々をきちんとやる、これは大事なことでご ざいます。今般、この法律の改正に伴いまして、この法律の中に書かれております同 じ趣旨のことを商品取引の方でも御採用いただくことになりましたので、組織の問題 とは別でございますけれども、投資家を守る、そういう点では同じ基盤に立つことに なる、これはぜひ御理解をいただければと思っております。

○田村(謙)委員 先ほどの議論というのは、結局、経産省、農水省の検査監督能力、 それがもし金融庁と同じだったらいいかもしれないですよ。だけれども、それはやは り劣っているんじゃないか。そういう中で、やはりこれ以上被害者を出さない、ある いは、それだけじゃなくて、まさに投資家をしっかりと保護して、今回の改正自体の 全体のコンセプトがそうだと思いますけれども、市場の信頼というのをより一層増す んだという中で、一生懸命これから検査監督を頑張りますと言っているような状況で は、やはり遅過ぎる。
 私は、やはり日本人ですから、日本の金融市場というのが世界の超一流になってほ しい、アメリカ、イギリスなどにちゃんと並ぶような金融市場に早くなってほしいと いう思いから申し上げているんですが、明確なお答えはいただけないでしょうから、 これ以上検査監督について申し上げません。
 若干余談ですけれども、私は、先ほどからさんざん経産省の方を責めていますが、 農水省の方は同じ議論なので時間の都合ではしょってしまいましたけれども、ちなみ に、私は基本的には経産省の応援団なんですよ。官僚時代から、多くの官僚が経産省 は要らないと。経産省の存在意義自体を問う人が多いというのは一番よくわかってい らっしゃると思いますけれども、私は、現状の日本において、日本の政府で経産省と いうのは非常に意義があると。
 経産省が、なかなか所掌の既得権益のない中で、ほかの省庁の政策にどんどん口を 出す。大所高所から優秀な経産官僚が日本のことをしっかり考えて、まさに侵食、省 庁の壁を乗り越えていろいろやっていらっしゃるというのを応援している数少ない少 数派の人間だと思っているんですけれども、今回は全く逆の立場、経産省がとにかく 既得権益を守るんだというかたくなな姿勢に終始をしているというのは、私は大変残 念だなというふうに思います。
 では、不招請取引についてずっと議論がありましたので、最後に一つだけ質問させ ていただきたいのは、要は、不招請勧誘を原則的に禁止すべきだという議論をずっと しているわけですよ。それについては、通り一遍の答弁はいただいています。何か、 それは営業の自由を妨げると。
 でも、実際、イギリスは日本よりも金融は進んでいると思いますけれども、イギリ スは原則禁止していますよね。あるいは、ヨーロッパとかでも今の日本よりも厳しい 規制をしいている。そういう中で、実際何か問題はあったんですか。要は、イギリス とかヨーロッパで日本以上に厳しい規制をして、それは逆に揺り戻しが起きている、 もっと、原則禁止をやめようとか、そういう話が出ているならともかく、実際、そう いう中でイギリスとかもやっているわけですよね、営業の自由をしっかりと何とかし ながら。それを単なる、営業の自由を妨げるんだという、もうちょっと言っていまし たね、二行ぐらいのお答えでずっと済ませているのは全く理解できないんですけれど も、まさに、そういうほかの国の状況を見た上で、それでもなぜ営業の自由の妨害に なるというふうにお考えになるのか。金融庁さん、さらに、より具体的に、説得的に お答えください。

○三國谷政府参考人 イギリスの事例、御指摘ございました。御指摘のとおり、イギ リスの金融法令におきましては、原則として、業者は顧客からの要請に基づかない戸 別訪問、電話その他の対話による勧誘等、いわゆる不招請勧誘を行ってはならないこ ととされております。一方、例外もございまして、一つは、業者と顧客との間に以前 からそのような勧誘を受けることを予見し得るような関係が確立している場合、ある いは、取引を行うことによって生じる損失額が大きくない場合、例えば、認可業者が 国債、上場株式、投信等、一般向けに通常販売されるものを勧誘する場合などはこの 禁止の対象から除外されていると承知しております。
 私ども、不招請勧誘の禁止につきましては、これは繰り返しになる面がございます けれども、顧客がみずから積極的に業者に働きかけない場合には情報を得ることが困 難となり、新たな金融商品・サービスへの自由なアクセスが制限されるおそれがある とともに、業者から顧客への説明機会が極めて限られてしまうなど、業者の営業の自 由を制限する面があるというところがございます。このため、不招請勧誘禁止の対象 範囲につきましては、昨年の金融審議会報告におきましても、「適合性原則の遵守を およそ期待できないような場合」とされていることも踏まえまして、取引の性質や利 用者被害の実態等を勘案して定めることが適当であると考えているところでございま す。
 いずれにいたしましても、利用者被害の実態等にかんがみまして、金融商品取引法 上の不招請勧誘の禁止規定対象に追加すべき金融商品・サービスが出てまいりました 場合には、政令において機動的に対応してまいりたいと考えているところでございま す。

○田村(謙)委員 もう時間が来ましたのでこれ以上質問しませんけれども、まず最 初の、とにかく共管にすべきであるという話について、それぞれの役所の職員、まさ に官僚がそれぞれの権限を守るというのは当たり前の使命みたいなものですので、結 局、省庁の壁を越えるというのは政治力なわけですよね。そこは、経産省の方、さん ざん責めてしまいましたけれども、ある意味では職員としての使命を果たしていらっ しゃって、それはもうしようがないと思いますが、そこはまさに、日本の金融市場の 発展を考えた場合に、投資家保護、あるいは、ほかの先進国を見ればいいと思います けれども、そういった中で商品取引、商品先物取引をどうやって扱っていくのかとい うのをしっかり考えるのが、まさに政治家の、政権のリーダーシップによってちゃん とすべきだということを一つ申し上げる。
 とともに、不招請勧誘についても、結局、イギリスとかそういう先進国がいろいろ やっている中で、被害が出たら、では、とにかくその部分については禁止をする、全 部後追いになっちゃうわけですよね、原則禁止をして、それで、いいものはいいで、 その禁止を解除する。イギリスでもそうやっているわけですから、それをなぜ日本が やらないのかというのは結局わかりませんでしたけれども、そういった、とにかく後 追いの金融行政というのもしっかりと改めていただきたいということを最後に申し上 げて、私の質問を終わりにします。

 

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